2013年12月31日火曜日

第四回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^)

大変お待たせいたしました、

第四回新宿屑句会、結果発表をさせていただきます…!!






四代目屑王は…





十月水名さまです!

おめでとうございます!!(^〇^)♪♪♪


そして栄えあるタケウマ賞も……十月水名様です!!

重ねておめでとうございます!!

会場にも遊びに来て下さった十月さま、マジ実力者!!

要らなくてもパカポコお送り致しますので、お楽しみにお待ち下さいね♪

タケウマ「寧ろ嫌がられたいんだよね~♪」 ←←←


本当におめでとうございます!!!(^〇^)♪♪♪






さて、以下が投句全作品の点数と選評でございます。

どうぞ皆様、お楽しみくださいませ…!!!


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◎=特選、○=並選、△=選外コメントのみ
掲載順は点数高→低、通し番号順です


13.ぼやのもとフランス書院文庫かな(十月水名)…7点

◎フランス書院のHPを開けてみると、「あの『凌辱女子学園』が帰ってきた!」と大きな文字が迫ってくる。「あの」と言われても困るのだが、まあその手の成人向け書籍がぼやを引き起こしたというのだろう。火のないところに煙は立たぬというけれど、紙の本がひとりでに燃えるわけはないから、これはとある読者の自家発電から引火したものと考えるのが自然だろう。そんなバカなと考える御仁もいることであろうが、いやいやフランス書院文庫であれば、そんな奇跡も起こりえるもの。結果、大火事とはならずにぼやどまり。そのスケールの小ささもフランス書院文庫らしいくて好ましい。栄えあるタケウマ賞はフランス書院文庫に♪(タケウマ)
○「ぼやのもと」がニクい。想像が膨らみます。(フロヤマ)
○「ぼや」と「フランス書院文庫」は少し近い気もするが、あえて俳句に「フランス書院文庫」を持ってきた試みに拍手。(雪兎)
○燃やしてなかったことにしたかったのか、明かりを求めたのか、はたまた暖を求めたのか、浮かぶものが(笑い事ではないとは思いつつ)大体笑い話になりそうで面白いなと思いました。小火ってショッキングな出来事なのに、フランス書院文庫さんのおかげか喜劇に感じられます。(mekeke)
○ 読んだことはないんですけどね、なんとなく「ぼや」としっくりくる感じがしました。隠してたんですね。そこから火が出たんですね。読んだことはないんですけどね。(うぐいす)
○とりました。この「ぼや」っていうのはやはり性的興奮とかオナニーとかそういうことでしょう。布団の中に隠れてこっそりやってるイメージ。フランス書院文庫は、もしかしたらお父さんのものかもしれない。父の本棚からこっそり持ち出して隠れ読み。わたくし自身も覚えのある光景です。わたくしの場合は、ちなみに、フランス書院文庫じゃなくて西村寿行先生の作品でした(←余計な情報)。(小笠原玉虫)

05.窓から投げ捨てたサイコロの出目も気になり(藤井雪兎)…6点

◎今も博打の世界でサイコロが用いられることがあるのかどうかは存じませんが、出目を気にする様子に煩悩を感じつつ、屑感も感じられて、そうだ屑句会だ!とハッとしました。(mekeke)
◎自分で投げ捨てながら、出目が気になるあたりに、人間の行動と感情の矛盾を感じ、だからこそ人のおかしみがあり、愛しさも感じるのだと思います。出目も「も」がいいです。(詠美)
○とてもよくわかります。よく見えないから、いったん家の外に出て見に行ったりしてね。捨てたのだからほおっておけばいいのに。(木曜何某)
○「も」が気になる、「が」ではダメなの? じゃあ投げ捨てなかったサイコロがあるんでしょうか。(雪うさぎ)
△もうやめたバカバカしい! とキレて窓からブン投げたサイコロ。その出目まで気になるというからこれは末期です。更生不可能、どうかご自覚のもと煩悩の道を突き進んで下さいね! と言いたくなります。実に見事な題詠と申し上げることが出来ましょう。煩悩名句です。(小笠原玉虫)

23.震えて原発で呑むタダ酒(北大路京介)…5点

◎今の日本をこれだけの文字に閉じ込めてあることに感服。重くない分伝わることが多い素敵なうたです。(琳譜)
◎特選。ホットスポットと呼ばれる街在住のわたくしとしてはとらずにいられませんでしたね。原発の中で呑んだりはないでしょうけど、いま一生懸命福一で働いてる作業員さんたちを想起。フクイチ、一刻も早くおさまってほしいですよね。屑句会とは思えない社会派の句です。(小笠原玉虫)
○冬に読んでいるから、寒さと怖さに震えているという印象を受けてしまいます。それが狙いならいいのですが、どの季節に読んでも印象が変わらないような工夫が必要かもしれません。でも、いい句です。(フロヤマ)

32.12時に迫る鋭角が師走(梶原由紀)…5点

◎何のことやらさっぱりわからないけど、えっ、えっ、何?何なの?と思わずつられて走り出しちゃうような迫力。(雪うさぎ)
○やばい、一直線になる、一直線になる。ゴーン あー、一直線になってしまった~。(木曜何某)
○手垢にまみれた「師走」にあらたな感覚をくわえた一句(圓哉)
○そわそわと忙しない感じが「鋭角」(時計の針の角度ですね)にすごく表れていると思います。今年が終わると思うと急に何かやり残した感に襲われる。何かをやろうとも思ってなかったのに。(うぐいす)
△緊張感溢れる句。年が変わることが詠み人にもたらす変化の内容が気になります。瞬間を切り取っていながら物語の広がりを感じる。センスが光ってますね!(小笠原玉虫)

42.競馬場に心許ないサンタの集う(うぐいす)…5点

◎この寒空の下を思うと、何だか切なくなりました。パチンコ屋ではこの切なさは出ないでしょう。目の付け所が違います。(フロヤマ)
○そんな事いいから帰ってあげなさいと思いつつ親の気持ちが伝わるうたですね。(琳譜)
○子供にプレゼントを買うお金を増やそうとしてきているのかも。サンタがレースに負けて、プレゼントをもらえない子もいるんでしょうね。(北大路京介)
○多分、競馬で当たったらプレゼントを買おうかなぐらいの気持ちでいるお父さん方を詠んだものでしょう。多分そうなんですが、屑句会当日の裏番組は有馬記念で、会場に向かう駅でなにかのキャンペーンで駆り出された100人ぐらいのサンタコスプレの人々を見ちゃったりしているので、全世界のサンタが、これを当てないとプレゼント配れないぞと、中山競馬場に集う姿を想像したらおかしくておかしくて……w すみません、煩悩広げすぎました……(タケウマ)
△競馬に託すんじゃなくて、予算計上しとけよ、クリスマス予算!とぞ思ひはべるは。でも可愛い。ちょっと情けない感じのお父さんが不安げに競馬場をうろうろしているイメージ。(小笠原玉虫)

17.カイロが熱いが僕も寒いと言う(木曜何某)…4点

◎友達か家族か恋人か誰に対して言っているのか分からないが、寒いことを共有し
ないと仲間からハズレてしまう恐怖のようなものがありますね。逆に言えば、寒いことを共有していると仲間。人間関係を崩さないためには、ときに嘘をつかねばならぬこともありますね。(北大路京介)
○空気読みましたね。あるいはチャンスととらえたのか。(雪兎)
○最初に読んだ時は、まわりに合わせて寒いといっている気弱な子を描いた、という印象でした。でもこれは、同級生のエジプトの首都・カイロと懐炉をかけたギャグがみんなに受けなかった(寒かった)という状況で、思わず吹きだしそうになった「僕」の悔しさを表したのではないかと思うようになりました。「僕」はやはり気が弱いというイメージは変わりませんが。(十月水名)
△いいですね。一緒の人が寒い~~って言ったら、そうだね寒いねと合わせる優しさを感じます。あ、でも、これあったかいよとカイロを手渡す気はないのか、優しいのかどうか分からなくなってきましたw 句のまとまりは見事。タンタンタンと気持ちよく読めるリズムだなと思いました。(小笠原玉虫)

45.錆びだしたサンタクロース養成ギブス(十月水名)…4点

◎サンタクロースになるために、養成ギブスを購入したが、全く使わず長い年月が過ぎて、錆び出してしまった。子どもたちに夢を配る仕事は、簡単そうに見えてとても大変。年寄りの癖に、体格の良いサンタクロース。子どもたちに配るプレゼントも相当な力がないと持てない。立派なサンタクロースになるためには、養成ギブスが必要なのかもしれない。錆びてもまた買えば良い。(桃子)
○この日のために…サンタさんありがとう!!(なかやまなな)
○やっぱりあったサンタクロース養成ギブス! で、錆びだしたってことはしばらく使っていなかったんですよね。すでにサンタとなったのでもう必要なくなったのか、ギブスをつけての特訓に耐えられずにサンタへの道をあきらめたのか…… ボクは後者だと読みましたが、あきらめるのはまだ早い、ぜひ来年のクリスマスを目指して特訓を再開してほしいところです♪(タケウマ)
△何と! 養成ギブスが存在したとは! 案外マッチョな役職だったのでしょうか。リズムが字余り定型って感じでよろしいです。(小笠原玉虫)

04.月光にダイヤモンドかざす立ちんぼ(詠美)…3点

◎この句のように何かを信じてみたくなる時が誰にでも来るのだと思う。問題はその後どう行動するかだが。(雪兎)
○とりました。いいですね、実に好みです。わたくしは職業柄こうしたお姉さんに非常に弱いのです。と、いう個人的好みを置いておいたとしてもいいなと思います。全体をもうちょっと整理出来るかなという気はします。(小笠原玉虫)

07.かごめかごめ後ろの正面に狐ゐる(雪うさぎ)…3点

◎ なんともいえない怖さ、子供の遊びならではの残酷さみたいなものを感じました。狐=見知らぬ子、もしくは仲間外れにされた子かと思いました。背中に刺さるような視線が…ヒー。(うぐいす)
○いつも気付かないうちにしてやられる。いや、最初から騙されていたのか・・・人生を感じてとりました。(詠美)
△ステキです。オカルトっぽい童謡の世界観。振り向いてキツネ!と気付いた瞬間、わっとさわられてしまいそう。こういう不穏な空気は大好物なのです。(小笠原玉虫)

09.あの子にも頭の中で好きって言わせた(木曜何某)…3点

○妄想でも、あの子に「好き」って言わせるまで、山あり谷ありの長いストーリー
があったように感じさせられました。(北大路京介)
○妄想は果てしないよなぁとしみじみ感じました。そこから続けて、流血覚悟で現実を見つめないと抜け出せません。「言わせた」ならまだ大丈夫なのかな。「言われた」になると危険な香りが漂い始めそうです。(mekeke)
○とりました。これは可愛い煩悩ですね。好感度大。中学くらいまでにどなたも覚えがある行動だと思います。句としてもきれいにまとまっていますね。お見事です。(小笠原玉虫)

19.しゃっくりでなにか忘れた冬うらら(十月水名)…3点

○違うものが飛び出しましたね(なかやまなな)
○軽快なリズムと軽快な言葉こんな感じで日々を生きたいです。(琳譜)
○他人からすると些細な事でも、本人にとっては重大な事って多々ある。でも、しゃっくりで忘れてしまう位の事なんだ。大抵はね。それでいいじゃない、だって気持ちいい日だから。と、のんびりした感じがして好きです。(詠美)
△あるある。こういううっかりさんが許されるのが真冬の晴れ間だったりするわけで。のんびりとした日常にうふっと笑みが漏れました。可愛らしい定型句です。(小笠原玉虫)

20.煩悩のレッドブル全処女膜を舐めつつ転職(y4lan)…3点

◎正面から解読しようとしても無理。でも、勢いを感じました。当日参加した会場では、レッドブルを飲み物と解釈していました。でも「レッドブル」を一時新日本プロレスを席巻したロシアンレスラー集団「レッドブル軍団」とすれば、時代は流れ、彼らの転職も納得です。全処女膜を舐められるほど精力絶倫風でした。水車落とし。ただ全処女膜の「全」がどこからどこまでかは分かりません。(十月水名)
◯十月水名さんも仰っていたように、一読して意味のわからない句。全処女膜に、転職。勢いのある言葉たち。スケールの大きさと、レッドブルを飲みながら突っ走っている感じが伝わってきた。作者に句意を訪ねてみたい。(桃子)
△レッドブルはまだ飲んだことないですね(なかやまなな)
△猛烈に忙しい中でもえっちなことを考えつつ猛烈に働き、でもあっさり転職した、ズコー! みたいなイメージでしょうか。一瞬何を言ってるのか分からないながらも非常に勢いがあるし、煩悩、これまた煩悩って感じがいいと思いました。(小笠原玉虫)

43.今年こそ暴くと燃えるサンタの子(mekeke)…3点

◎今年こそ暴くぞともえているけど、実は君はそのサンタの、わたしの息子、娘なんだよ。こどものかわいらしさ、その親のまなざしがやさしくてとてもいいです。暖かくなる一句です。(木曜何某)
○とりました。可愛い。けれどパパ・ママサンタは慌てたりしません。この子が待ち切れずに眠ってしまうことをよく知っているから。シンプルな句ですが親子の情愛を豊かに感じさせる大好きな句です。五七五のリズムも気持ちいいですね。(小笠原玉虫)

02.愛染明王の前に立てられた蝋燭をあなたに捧げよう(桃子)…2点

◎愛染明王は、明王の中で一番イケメンなんですけど、艶めかしいんですね。で、その明王の前にある蝋燭ってのがまた、極太で、燃えて半分ぐらいになったのを、ご利益としてくださるところもありますね。…愛、艶めかしい、極太、炎、あなた、捧げる。信仰心か、あるいは邪心か。これ好きです。(なかやまなな)
△愛染明王、好きな仏様でございます。こちらの蝋燭、誰が立てたものなのかで句の解釈がちがってくるなと思いました。自分が立てたものなら、神に捧げた炎を貴方に捧げるってことで清い感じ。人が願掛けに立てた蝋燭ならまさに煩悩ですね。(小笠原玉虫)

10.来世でも下戸でありたし石焼き芋(うぐいす)…2点

◯酒には合わないだろう「石焼き芋」が、飲めないからこその幸せを表現していて、とても良いと思った。酒好きには酒好きの楽しみがあり、下戸には下戸の楽しみがあるのだ。(桃子)
○ああなんかホッとする一句です、作者の人柄まで想像出来るよい句。(圓哉)
△正解です。酒飲みなんて…(なかやまなな)
△いいですね。お酒の飲めない甘党さんかな。石焼き芋って辺りに季節を感じるのと、あと何故かちょっとちゃっかりした印象を受けます。昭和な世界観でいうと石焼き芋→内緒で間食、みたいなイメージがあるせいでしょうか。なんか可愛い有季定型句。大好きです。(小笠原玉虫)

14.煩悩や枯野に放つ火の行方(タケウマ)…2点

○人間は恐くてでも素晴らしいものです、をそのまま直球で投げました。(圓哉)
○ 煩悩を枯野もろとも焼き尽くそうとでも思ったのでしょうか。いや、枯野を焼こうと思うこと自体が煩悩か。風に煽られてあらぬ方向へ燃え広がりそうな。(うぐいす)
△今回最も煩悩を感じた句。文字通り火を放っちゃったんだとしたら放つなよ!と震え上がり。深読みすると、これは老いらくの恋かな~などとも思い。自分では枯れたと思っていたけれど思いがけずに燃え上がったこの恋。行く末を見てみようかみたいな、燃えてるんだけど妙に冷静な自分自身もいて、みたいな、ちょっと怖い世界が垣間見えます。煩悩をコミカルに表現した句が多い中、真っ向から恐ろしさをとらえたという感じがしてお見事。(小笠原玉虫)

21.演目二「きよしこの夜」ハンドベル合奏鬼頭一力若頭他(タケウマ)…2点

◎最後を飾るにふさわしい笑えて楽しい句です。この迫力には他の句もかすんでしまいます。(圓哉)
△可愛いw ヤクザさんがハンドベルやってみた感じでしょうか。意外にガチゴチに緊張してき・よ・し~って順番にベルを振ってる姿が目に浮かびます。「失敗すると若頭にエンコつめられっぞ!!」長さがあるので短歌っぽい感じもします。(小笠原玉虫)

22.こうして冬薔薇咲かせている未亡人でして、あっ(藤井雪兎)…2点

○未亡人じゃないけど、チャタレイ夫人を思い浮かべました。あっ(なかやまなな)
○そういえば、一時期こういう結び方のメールが流行っていたらしいですね。うまい使い方です。(フロヤマ)
△こちら、自由詠での応募句ですが、見事に煩悩句です本当に有難うございます。エロいです。あっ、って、これいきなりFされたとしか思えませんね。何を考えているのでしょう←オマエモナー(小笠原玉虫)

29.寝るしかない夜の布団が重い(うぐいす)…2点

○辛いことから寝逃げするように思えました。しかし布団が重く感じて眠れない・・・ お察しします。(北大路京介)
○布団は重くないと寝た気がしないと言うヒトもけっこういます。(雪うさぎ)
△これは美しい自由律俳句。生活の一瞬を鮮やかに切り取りつつ、どこかさびしげという自由律俳句の伝統も上手に取り入れている。お見事。そして分かるな~。昔の田舎の布団って重かったですよね。さみしい感じの句ですが、あの重たい布団を懐かしく思い出して郷愁に胸がぎゅっとしました。大好き。(小笠原玉虫)

30.憎い顔に針刺して大人になった(mekeke)…2点

○子供時代、何人頭の中で殺したか?大人になるにつれ、怒りを外へ出さず、内省する方向になってしまったが、せめてまた、頭の中で殺そうか?と子供時代の郷愁を感じ、とりました。(詠美)
○とりました。あるある(←あるのか?)。呪いという程大仰なアレではないんですよね。若すぎて激しい憎しみのやりどころが分からずに、ガス抜きをしてるだけなんですよね。いいんですよそうしても。こういう痛みを乗り越えて人は大人になるのです。句としてもスッキリまとまってる。好きです。(小笠原玉虫)

41.パパの代わりにサンタが連れて行かれた(北大路京介)…2点

○それがクリスマスプレゼントなのでしょうか?生まれかわるチャンスですねw。(琳譜)
○おそらく連れていったのは警察。この子の心の傷にならないよう願っております。(雪兎)
△たしか聖書に、街の男性たちが天使二人を………イエスの怒りを買ったとか。サンタだからいっか。(なかやまなな)
△「僕が欲しいもの…それは…パパです!(にっこり」と少年に言われちゃって…サンタが泣く泣く身代わりになったようなイメージ。泣けますなぁ…。でもそれはパパのためにならない。パパ、自首せよ。(小笠原玉虫)

03.恋ばかりして生きてきました襤褸布(ぼろぎれ)(小笠原玉虫)…1点

○そういう人いるのよねえ実際に。(雪うさぎ)
△拙句でございます。まんまです。もう老いて襤褸布となったわたくしですのにまた恋の炎が燃え盛ったりするのです。本当に目も当てられない。酷い老醜をさらして生きております。(小笠原玉虫)

06.生々しい煩悩離れず恋とすりかえ(mekeke)…1点

◯「煩悩」というお題で、どう表現したらいいのかとても悩んだ。その結果、とても生々しいものになってしまったのが、拙句である。この句は、それを恋にすり替えてしまうのである。煩悩と恋は似て非なるもの。煩悩という言葉のもつ生々しさから離れようとしているのが、かわいらしく、新鮮である。(桃子)
△愛と煩悩の振子の句でも思いましたが、いいんですよ、恋は煩悩そのものでいいんですよ、と、背中をとんとんしながら応援したくなる句。でも若くてみずみずしい感性の持ち主であればある程、恋と煩悩を分けたくなる気持ちも分かります。この繊細さがいいなとおばさんは思うのです。(小笠原玉虫)

08.煩悩濡れっぱなし傘折れたまま(北大路京介)…1点


○折れた傘をさしてどこへ行こうとしているのか? 答は煩悩のおもむくままに。雨に打たれながらもくすぶり続ける煩悩が悩ましい。
△とろうか迷いました。いいですね。雨に濡れつつ激しい物思いをしているイメージ。傘折れたに鬱屈した、けれども強いエネルギーを感じます。青年って感じ。こういう状況を通り過ぎたことがある男の子がいい男になるような気がする。山頭火翁に通ずる「情けなさを含んだ激しさ」があります。(小笠原玉虫)

11.煩悩の末路を洗い流している(風呂山洋三)…1点

○なにやってんだろって気になりますね。冷静になってしまって。(木曜何某)
△あれっこちらは煩悩に決着をつけちゃった感じですね。えっ、とどきりとしたあと、何があったのか詳しく聞きたくなりますね。物語性がある。句としてはちょっと漠然としてるかな。具体的な何かを提示→これが煩悩の末路ねぇ~と思わせる、みたいな方が俳句っぽいかもしれません。(小笠原玉虫)

16.神様なんてきっといないのに人うつくしく節くれだつ(琳譜)…1点

○「うつくしい」という言葉はとってもとっても美しい。とってもとっても美しいから安易に使うととってもとってもありきたりな言葉になってしまう。揚句は「神様なんてきっといないのに」という諦観とささやかな希望が節くれだっていく人の美しさを具現化していると感じた。「人うつくしく節くれだつ」の韻律もすごく好き♪(タケウマ)
△神様いないかな? わたくしはいると思うんだな。ただ人間の都合なんてこれっぽっちも考えていないだけなんじゃないかな。神がいようといまいと人間が美しいのは同意。醜さも含めて美しいですよね。この句はそういう厳しい現実を尖ったまんま受け入れようとしてるように感じます。繊細だけど強い視線がいいなと思いました。(小笠原玉虫)

24.煤けた電車の冴えない日暮れだ(小笠原玉虫)…1点

○全体的に疲労感が漂っていて、疲れた心身と煤けた電車の馴染む感じが心地よく思えました。(mekeke)
△拙句です。車体も乗客も疲れ切ってる夕方だよ、的にすねてみたかった感じ。(小笠原玉虫)

25.星空を見上げて無になる三分間だけ(雪うさぎ)…1点

○ん、屑会場では「ウルトラマン」とメモしているけど、ん、そういうことではないですね…… 確かに星空を眺めていると自分がなくなっていくような感覚になりますよね。ただその感覚だけ(タケウマ)
△いいですね。このかたはとても頑張ってるかたという気がします。仕事も家事も子育ても全力のお母さんみたいな感じ。ふっと息抜きするのが上手で、いつでもまた日常の闘いに戻っていける勇者なのです。お正月はのんびり出来ますように。字余り定型的リズムも非常に気持ちいいと思います。(小笠原玉虫)

27.服役中ポケモンごっこで解脱(y4lan)…1点

○看守の目を盗んだ男(女)たちのバトル。「ごっこ」というのは、遠慮がちに言っているにすぎません。塀の中の異業種交流(たぶん)で、たばこや酒や風俗などとは無縁の「友情・努力・勝利」を手に入れ、さらに次々と進化する敵たちに立ち向かう彼らに幸あれ。「ポケモン」であると同時に、「女囚さそり」もテーマのような気もします。(十月水名)
△な、何を悟ったんだ!? かすかな狂気を感じてぞくりとしますね。出来れば出てきてほしくない。罪を償ったあとは借地入院でお願いいたします!(小笠原玉虫)

46.俳に生きようサンタクロース消そう(なかやまなな)…1点

○おそらく俳句の「俳」は、「ハイになる」「ハイな気分」の「ハイ」でもあります。ハイになることで、サンタクロースを待つクリスマス―というなかば放置プレイを捨て去り、希望がみえてきます。宗教的でさえあります。(十月水名)
△私は俳句に生きる、クリスマスはもういい、という決意表明かな~と読んだのですがいかがでしょう? 「サンタクロース消す」というのが何とも不穏でいいですね。サンタ真っ青!(小笠原玉虫)


01.成仏をせぬまま新年を迎える(なかやまなな)…無点

△主は死すとも煩悩死さず! これぞ煩悩という感じ。未浄化霊という言葉が浮かび。これは地縛霊化する程強くはない気がする。何かが心配で、年をまたがってふわふわ漂い続けている霊なのでしょう。じんわりと、悲しい。心配事はなんですか、とつい声をかけたくなりますね。(小笠原玉虫)

12.クリスマスイブ煩悩が腹痛に(なかやまなな)…無点

△あらら。思い詰めておなかが痛くなっちゃいましたか…。可愛い。まだ煩悩としては小さく可愛らしい感じですね。面白い有季定型句です。(小笠原玉虫)

15.煩悩を歩き通して去年今年(圓哉)…無点

△いいですね。山頭火翁そのものって感じがします。あっちへうろうろこっちへうろうろ、歩きながら満たしてくれる何かを探している。去年も今年もそうで、来年もきっとそうという予感がします。(小笠原玉虫)

18.門松の奥にリースが立っていた(梶原由紀)…無点

△いいですね。宗教とか関係なしに面白そうならイベントとして飛びつく日本人がよく表されているなと思いました。スゴつぶで人気がありそうな句です。でも門松→リースは許せる気がする。でもハロウィンはどうしても日本に合わないな~~~と思っているわたくしはおばさんということなのでしょう。(小笠原玉虫)

26.SM論語る男はただの友達(桃子)…無点

△元カノの話するやつは男友だちですらない、という私の持論(なかやまなな)
△そうか、友達か…。でも論じ合うのは友達、って結構生々しいです。パートナーなら語るよりもプレイしますよね。プレイを通して分かり合いたい。って何のお話でしょう。煩悩句としてはお見事。論じてるだけって辺りが煩悩ですね。よし、来年は一歩踏み出しましょう。って、再び何の話だ??(小笠原玉虫)

28.赤城下ろしに涙さらわれ風花交じり(詠美)…無点

△何があったのかな、つらいですね。冷たい風と雪に涙が交じり。でもとても美しい句。演歌的世界観が非常にぐっときます。実は好きなのです、演歌。(小笠原玉虫)

31.煩悩ぬぎすてるたび廃人(琳譜)…無点

△ぬぎすてなくても、ええんやで(´・ω・`) 煩悩が生きるエネルギーであるのなら、肯定してしまうのもアリだと個人的には思っています。詠み人もほんとはそれを分かっている気がする。廃人、という強い言い切りに逆説的な決意を感じます。(小笠原玉虫)

33.愛と煩悩を振り子に年忘れ(圓哉)…無点

△これは愛なのか煩悩なのか…深く悩んでいる間にゆく年くる年。どっちだっていいんだよ紙一重なのだから、と背中を押したくなる句。煩悩上等で素晴らしい愛を勝ち取って下さいね!(小笠原玉虫)

34.君といる時間の欲しいサンタでいる(風呂山洋三)…無点

△これはステキ。恋人がサンタクロース、そしてサンタの欲しいものはゆっくり恋人と過ごす時間ってことですね。ぎゅーとハグしたくなる愛しいサンタですね。字余り定型的リズムもいい。ステキな句です。(小笠原玉虫)

35.子らの笑み降り積もるたびニコラスの眠りは深く(琳譜)…無点

△(;ω; )ウッ…何となく泣けてしまいます。たくさんの子供たちの微笑みに安心して、翌年のクリスマスまで深い眠りにつくサンタを想像。何だろう…キリスト教的癒しを感じる句です。(小笠原玉虫)

36.「金を返せ」と黒い髭のサンタクロース(桃子)…無点

△節子それサンタやない!! 髭が黒になった途端悪党臭が物凄いです。これは黒サンタが煩悩なのではない。借りた金を返さない側に酷い煩悩が宿っていそうです。(小笠原玉虫)

37.待ち伏せでディープキスサンタ足止め(詠美)…無点

△とろうか最後まで迷いました。恋人がサンタクロース的世界観で非常に好き。バレても幸せなクリスマスです。(小笠原玉虫)

38.挨拶は抜きだ早くよこせその肩の袋(圓哉)…無点

△ちょwwwこんなふうに言われたら、あげるつもりだったサンタさんもきっと背を向けて帰ってしまうでしょう。おおきなつづらを寄越せと言った舌切り雀のおばあさん的煩悩を感じます。勢いのある句です。(小笠原玉虫)

39.トイザらスのレシート置き去りにして父(梶原由紀)…無点

△アウト!(なかやまなな)
△ああ~バレちゃう! でもこういう詰めの甘さって嫌いじゃないです。きっと優しいお父さん。父、って体言止めは正体見たり的強調ですね。見つけたのがお母さんなら、そっとレシート捨てておいてあげて下さいね。(小笠原玉虫)

40.欲望の聖人(サンタ)お尻を狙いけり(小笠原玉虫)…無点

△拙句です…どうもすみません。家に入ってこないで!って言いたくなるサンタですね。(小笠原玉虫)

44.サンタ来ない太郎に銀河より光の渦(タケウマ)…無点

△これは悲しひ。。。どういう状況かはっきりとは分からないんですが、何かこう。。。可哀想な少年がUFOに連れ去られてしまう的な恐ろしい光景が浮かびました。こういう怖い句って好みです。(小笠原玉虫)



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