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2015年6月27日土曜日

第九回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^)

大変お待たせいたしました、

第九回新宿屑句会、結果発表をさせていただきます…!!






九代目屑王は…同時優勝でダブル屑王!!





北大路京介さんとタケウマさんです!

おめでとうございます!!(^〇^)♪♪♪


AV延滞と元死刑囚大人気でした。

本当におめでとうございます!!!(^〇^)♪♪♪





さて、以下が投句全作品の点数と選評でございます。


どうぞ皆様、お楽しみくださいませ…!!!


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04.AVの延滞料で救えた命がある(北大路京介)…10点

◎ああ…これは募金とかしてないわ、延滞料払ってる方に一票!と、思わず笑ってしまいました。これも人間のひとつの本能なのかも。(このはる紗耶)
◎AVではなくともそうなのですが、とても悔やまれますね。自分だけではなく遠くの命と繋げて嘆いているのが勝手で良いと思います。(木曜何某)
◎自身の精子を殺している間に、誰かの命を救うことを考えることが楽しい句。延滞している間も見続けたのでしょうね。AVの延滞料が350円だとすると、ビッグイシューが買えるなと思いました。そのうち180円がホームレスの方の収入となります。他にもインターネットで検索すれば、100円でできることなんてたくさんでてきますね。(鈴木桃宙)
○「救えた命がある」はCMなどで聞いた覚えのあるフレーズ。それにAV、しかもそれを延滞したと付け加えられて、フレーズが非常に空々しく言われているような感です。延滞の主は何を考えているか、もしかしたら命について大して考えていないようにも取れる怖さを感じました。皮肉的と思います。(風橋 平)
○この句の主人公、人間臭くて私は好きです(笑)。罪悪感を感じているところにまだ救いがあるからでしょうか。性と生のせめぎあい、のようなものも感じられて良いですね。(紫蝶)
○選んでおいて何なんですけど、AVの延滞料じゃなくてもいいよね~♪ いろんなものの無駄を世界を救うために使えるのにね~。問題は、延滞した間中ずっとそのAVを見てたのか!ということだね~。見続けたほうに500円(AVの延滞料分)賭けます♪(タケウマ)
○お、おう。これはほんとにお、おう。以外返しようがないですね。このように世界平和に思いを馳せるようなお人柄でありながら、何故延滞なんてしたのか。AVを。繰り返します。AVを!! 延滞すんなよ!!(小笠原玉虫)



07.元死刑囚として白く揺れてをり(タケウマ)…10点

◎死刑が執行された「元死刑囚」なのか、何らかの理由で死刑をまぬがれた「元死
刑囚」なのかわかりませんが、「白く揺れてをり」という描写が、人間として大
切な何が失われた姿のようでドキッとします。(しま)
◎死刑を解かれた身、あるいは刑死した身。元々は死ぬはずであって、人としての輪郭が薄れているようなところを的確な言葉選びで表現していると思います。これが「陽炎」などの語を使ったら全くこの空気が失われると思います。そして要は、「~として揺れており」と揺れている自己を認識しているということじゃないかと。だからこそ、魂が抜かれたような悲しみがあるんじゃないかと。凄いです。(風橋 平)
◎いいですね。しずかでさみしい光景です。元死刑囚ってきくと冤罪で解放されたようなイメージがありますけど、執行されたあとなら……やはり「元」死刑囚ですね。胸にせまるものがある光景です。(小笠原玉虫)
○冤罪だったのかしら。疑いも晴れ堂々と生きていてもいい筈なのに今もなお白く揺れている。世間の冷たさ世の無情を感じます。切ないお句ですね。(文月さな女)
○「白く揺れてをり」…ということは執行されてしまったのでしょう。ついさっきまで生きていた人がボタン一つで死んでしまった。元死刑囚がどんなに悪い人でも、嫌な気持ちになりますし、やっぱり死体は見ていて気持ちの良いものではありません。ここでいう「白」というのは、死体の色であり、人間本来の美しさなのでは…と思いました。ぞくぞくくる句です。(鈴木桃宙)
○冤罪だったのでしょうか。拘束されている間、いつ刑が執行されるのかビクビクし、白くなってしまった。それは髪かもしれないし、他の部分かも。有罪無罪の白黒ともかかってるかもしれませんね。冤罪、しかも死刑囚の心、筆舌に尽くしがたいですね。(北大路京介)
○タナトスを扱う句を取る傾向が小生にはあるが、それ故作中のタナトスの扱い方には厳しくしているつもり。そんな中この句はフィクションを詠む句ならではの世界観が垣間見える。ノンフィクションとなれば話は別だが。(前田_獺太郎)



18.元々抵触してる(琳譜)…6点

◎元々~に定職や停職への反発する響きも感じます。パンクで力強くてとてもスキです(endou huma)
○何に、なのかがわからなくてぞくぞくします。(しま)
○何か法やルールが変更されたので確認してみたら、前から抵触していた。おもしろいですね。(木曜何某)
○※運営者注 コメントなし(五月が丘はさみ)
○特選に限りなく近い並選。スゴいですねこれは。抵触っていうからにはよくないものなんでしょう。生まれながらの悪です。わたし恐ろしいです。でもどうしようもなく惹かれます。(小笠原玉虫)



20.元に戻りそうに割れるなよ(木曜何某)…6点

◎不可逆な物事に対して人は愚かにも可逆を望み、改めて不可逆であることに打ちのめされる。そんな人の生まれ持った哀しい性情をコンパクトに詠んだ。今回の一番です。(前田_獺太郎)
○うーん。共感しました。綺麗に割れたばっかりに諦めが付かないんですよね。いっそ粉々になってくれていれば…。接着剤で付けたものの、やっぱり元には戻らない。虚しいですよね。(文月さな女)
○これ惜しいなぁ、、私も今回やっちゃったのですが視点がもう少しずれていたら間違いなく特選に即決めでした。とても素敵です。これザ正統派!みたいな句に仕上げて欲しいという願望がフツフツ湧いていますw(琳譜)
○これかなり好きです。うわ、どうしよう……でも、これ、くっつければ何とか……って未練をもってしまう感じの壊れ方なのでしょう。でも戻らない……かなしい……そう言えばわたくし、去年PCにラーメンぶっかけて壊したんですけど、あれもね……拭いてしまえば全く大丈夫そうに見えたのに……のに……(小笠原玉虫)
○※運営者注 コメントなし(五月が丘はさみ)



25.君にはクマに見えていた雲に濡らされている(木曜何某)…5点

◎読んで少し切ない気持ちになりました。この「君」がこの世にないものに思えたのはなぜだろう。「濡らされている」のは、その雲から降る雨に、なのだろうけど、雲を見て涙を流している、とも読んでしまうのです。(吉村一音)
◎特選です。子どもが雲を指さし「くましゃん、くましゃん」と言っているとこ
ろから、その雲が大きく黒く発達し空を覆い、容赦なく傘のない者たちへ雨を降らす。
くまのプーさんに接する気分でリアル熊に近づいて行ったら爪でざっくり殺られてしまうといったような空想と現実のギャップを感じさせる句ですね。(北大路京介)
○一緒にいた君が「あの雲、クマの形」と言った雲から雨が降ってきたのですね。無邪気な発言に「かわいい♪」と思った天罰なのだと思います。ん、ずぶ濡れも二人だったら楽しいって……、リア充はこれだから…(タケウマ)
△とってもいいですね。何でわたくしこちらを取らなかったんだろ。こちら、タケウマさんがおっしゃるように、一緒に雲をみていた恋人がクマみたいなかたちねーとか言ったあと帰っていき、その後雨がぱらつき出したってことなのでしょう。時間の経緯をうつくしくい表現出来ていると思います。クマみたいという恋人もとても可愛い。可愛い恋人たちって感じがします。もしくは、孫がそんなこといったあと帰っていき、少しさみしい気持ちで雨に濡れているじいちゃんかばあちゃん、という解釈をしても、胸がキュンとします。(小笠原玉虫)



38.白犬は天使レモンの庭にいる(小笠原玉虫)…5点

◎愛犬の追悼句をありがとうございました。あれから庭仕事の度にこのお句を思い出しては存在を感じて心癒しています。これからずっと忘れられない句になりました。特別なお句。特選です。(文月さな女)
○文月さな女さんの愛犬、あさ吉くんを思い出します。絵画のような、遺影のような、優しい色彩の切なくて愛しい景です。(このはる紗耶)
○レモンは美しいレモン色をしているけど、レモンの葉もまるでおとぎ話の絵のように、あざやかな緑色。さみしいのに、さみしさを感じさせない色彩。白犬が暖かく見守ってくれている。(鈴木桃宙)
○あさ吉くんの句ですね。レモンの木のあるさな女さんの庭でしょう。追悼句として一票♪(タケウマ)
△あさ吉くん追悼句です。さな女さまのうつくしい庭で微笑んでいたうつくしい白い犬のことを、わたくしは決して忘れません。(小笠原玉虫)



14.元栓を締めるおわかれの一工程(しま)…4点

◎最終の優しさのような、優しさとはまた別なような、複雑で微妙な機微を感じますね。(五月が丘はさみ)
○別れ際の握手のようで触感が残ります。身にくっと締まる、踏み出していく感じもしていいと思いました。(endou huma)
○ 「一工程」と句にはありますが、私には最終工程に思えました。元栓をしっかり締めることで、未練やら何やらを断ち切ってお別れするのかもしれません。(紫蝶)
△いいですね。引っ越しの景と思います。がらんどうの部屋。最後にガスの元栓を閉めて、出ていく。あたらしい毎日に心を躍らせながらも、少しさみしい。そんな風景を思い描きました。(小笠原玉虫)



16.語尾にニャをつけて元嫁(北大路京介)…4点

○ニャをつけてしまったから元嫁になったのか、元嫁が思いもよらずニャを付けてきたのか・・・おもしろくていいですね(endou huma)
○ちょっと何があったんだとちょっと心配しますね。(しま)
○元嫁がニャとつけて話してきたのか、ニャを付けたせいで別れてしまったのか。(木曜何某)
○「何々にゃ♪」とかいうムカつく女性いるよね~。元嫁となっても仕方ないよね。そんな女性と一度は結婚した自分もしっかり見つめなおそう♪(タケウマ)
△これはうざい。会いたくもないのにばったり会ってしまい、しかもなんか媚びてる……って状況なのでしょう。勘違いコスプレとかもしてそうです。これ「元嫁」だから味がありますね。元彼女だったらダメージは少ないのに、一度は添い遂げるつもりになった相手なんですよ。いろんな意味で心が痛くなってくる名句です。(小笠原玉虫)



08.元は人であった一握を海に風に(前田_獺太郎)…3点

◎特選です。遺骨を散骨しているのですね。故人はおそらく海が好きだったのでしょう。寂しくもありますが、ある種美しい光景だと思いました。(紫蝶)
○散骨葬の景だと受け取りました。波の音、頬を撫でる風、青い空、その中へ消えてゆく遺灰。静かで祈りに満ちた、さらりとした文言なのに胸にガツンときた句です。(このはる紗耶)
△これはうつくしく悲しい。これは故人と内緒の約束をしている詠み人である気がする。普通にお骨を拾ったときに、そっと少しばかりの遺灰を頂戴してきたのでしょう。そして、船に乗る。甲板からそっと、故人が愛した海に。お墓に全て収めるよりも、故人は自由になれる気がします。元死刑囚の句と並んで「元は人であったもの」のかなしさをうつくしく詠めた句という気がします。(小笠原玉虫



10.元勲の写真と共に夏座敷(風橋 平)…3点

○イメージが浮かびます。お盆って感じがします。(と共に夏座敷)法事でしょうか。賑やかな感じもします。またこの日がやってきたという響きも感じて好きです。(endou huma)
○いかめしい昔の政治家の写真が飾ってある座敷で、何かの折に、一人で座ってい
る羽目になったって感じでしょうか。風通しのいい和室に所在なさげに客として
座らされている感じがいいなと思います。(しま)
○太陽高度の関係で明暗のコントラストが強烈な夏の古民家の座敷、暗がりとなった長押に判然としない古い写真や賞状。夏休みの少年少女を待ち構える冒険やオカルトを匂わせる。(前田_獺太郎)
△いいですね。高いところに掛けてある軍服姿の曽祖父の写真を見上げながら、ひんやりと青い畳の上に寝転んでいるのでしょう。この時聞こえてくる蝉の声はひぐらしのような気がする。夏休みは何故もの悲しいのか。それはきっと完璧にしあわせだから、なのだと思います。そんな夏のもの悲しさをあざやかに切り取りました。(小笠原玉虫)



30.ここに心臓があって星を眺めるばかり(吉村一音)…3点

○圧倒的な自然と対峙する時、そこには意識の視点を超えたただの一個の命があるばかりである。そんな境地に踏み込んだ一句。(前田_獺太郎)
○いいですね。ふつうにほんとにいい句です。とりますこれは。生きてるって感じがします。悩み深い様子でもあるけど、星は光っているし心臓は力強く脈打っている。きっとこの詠み人は大丈夫!(小笠原玉虫)
○※運営者注 コメントなし(五月が丘はさみ)



05.天使居ぬ仏間でオナニーする人ぞ(endou huma)…2点

○オナニーの語源となったオナンは、神の怒りに触れて殺されてしまったといいます。
もしかしたら、天使に見つかったら殺されるのではないでしょうか。(北大路京介)
○これは酷い。俳句としてはとっても面白いけれど状況はとっても酷い!! 天使には遠慮するのに、仏様には見られてもいいっていう。どうして仏様ならいいんだ! 祖先だから? ご先祖様の白黒写真が苦虫を噛み潰したような顔をして見下ろしていそうです。(小笠原玉虫)



12.根元までくわえて歯形を刻んだ(紫蝶)…2点

○昔っから、歯形を付けるのは恋の沙汰。と思うのは自分だけでしょうか。
どんなコトをしていても、歯形を付けるほどの愛憎が湧く。それを意外?な場所に付けることで印象深くしている効果があると思います。最後に、刻む、とあるせいか、事の終わりにせめて傷を残して行くようで、切ないです。(風橋 平)
○「根元まで」で検索するとエロいホームページがたくさん出てくる不思議…。この句も多分、エロなんだと思います。自分の名前や、ハートマークではなく歯形を刻むのがマニアック。そういう性癖か。(鈴木桃宙)
△えーと……痛そうです……あっごめんなさい、何の根元か分かりませんよね。わたくしが思ったものとは全然ちがって、そう! きっとイカの足とか? をガブッといったのかもしれませんよね! ヘンなことを想起して大変申し訳ございませんでした!!(動揺)(小笠原玉虫)



17.歯のない顔が笑って新宿はさびしい月(タケウマ)…2点

◎出鱈目に生きることでなんとか生き延びられた人の側面が“歯”と日本一の風俗街を抱える“街”とを並べることで優しく伝わりました。素敵です。(琳譜)
△貴重な新宿感のある句。せつない匂いがする。(前田_獺太郎)
△みんなのアイドル☆歌舞伎町のあの人を想起。どぎつい態度と笑顔で哄笑していても、繊細さをそっと抱えているあの人だからこそあんなにも皆から愛されるのでしょう。新宿はチンピラの街でありさみしんぼうの街でもあるのですね。(小笠原玉虫)



21.また止められている人魚と二人乗りの男(前田_獺太郎)…2点

○もし乗っていたのが自転車ならば、ただでさえ二人乗りは禁止されているのに、人魚と二人乗りとは...止めた警官も処分に困るでしょうね(笑)。(紫蝶)
○これ分かんないね~。また止められていると……何度も…… ま、まず人魚と二人乗りってのが面白い。またやっちゃうんだからこの行為がやめられないと。禁断の二人乗りって気がします。まぁ、二人乗りは禁断か…(タケウマ)
△バイクでいつも人魚と二人乗りをしている男。これ、人魚は本当に人魚ってんじゃなくて、萌え系抱き枕とかそういうもののような気がします。アリエルの抱き枕をおぶって信号待ちをするスクーター。「またキミか!」いつもの巡査さんの声。シュールだけどにくめない変態です。(小笠原玉虫)



22.五月雨さみだれクロワッサン抱いて眠ろう(このはる紗耶)…2点

○「さみだれさみだれ」の響きが心地よい。雨で見えない三日月を思っているのでしょうか。ほんとにクロワッサンだったら、朝にはクズまみれですね。(吉村一音)
○五月雨さみだれというリフレインとクロワッサンがいい感じです♪ うっとりしました♪(いわしのから揚げを食いながら♪)(タケウマ)
△いいですね。ストレートにいい句です。わたくしが所属しております結社では非常に好かれる感じの句と思います。憂鬱な雨だけど胸にはお気に入りのお店のクロワッサンを抱きかかえている。傍らの紫陽花はあざやか。可愛らしい世界観と思います。(小笠原玉虫)



24.カエルも御つかいなのだろうほら雨が降ってきた(前田_獺太郎)…2点

○かわいらしい。そうか、カエルは天の御つかいか。でもこれは小さなアマガエルであってほしい。ガマガエルでは、ちょっと。(吉村一音)
○あいさつ句、そして天使句としていただきました♪ まあ、カエルと雨の因果関係はわからないけれど♪(タケウマ)
△当句会への挨拶句でしょう。誠に有難うございます。句としても、いいですね。可愛らしいけれど甘くなりすぎずにすっきりまとまっています。カエルは雨の神様の御つかいなのでしょう。嬉しそうに彼らが鳴いたら、ほら、雨。いまの季節にぴったりな一句となりました。(小笠原玉虫)



27.ここ通る時いつも火事場の匂いする(しま)…2点

○本当はしていないのに、火事のことを思い出されて匂いを感じているのでしょうか。(木曜何某)
○これって、火事が起こっているわけではないのに、ものが焼け焦げていく火事場の匂いがする。なにかよからぬものが秘められている場所なのでしょう。日常の中に異界への入り口が潜んでいるのですね。(タケウマ)
△タナトスや非日常、あるいは生物の本能としての火へ警戒心がただよう「火事場」という言葉。テーマは好きなのだがどこかに一個助詞を入れた方が口で訓んだときにすっと入ってくるのでは。(前田_獺太郎)
△いいですね。こちら大変好きです。タケウマさんの解釈に全面的に賛成。ここは前に火事があったけれど、いまはキレイに復旧されていてそんなことがあった面影もないんだけど、やっぱりなんか不穏な雰囲気が残っているのですね。そういう場所ってこわいけれど何となく気になって、わざと近くを通ったりしてしまいますよね。いいですね。こういう微妙な不穏さを、簡潔な表現でズバッと捕まえた。お見事と思います。(小笠原玉虫)



29.涙は出ているけれどこれは嘘泣き(鈴木桃宙)…2点

○嘘泣きの上手い人、人を欺くのが得意な人、いますいます。生きていると色んな人に遭遇するけど、冷ややかな視線でその一端をきっぱり言い切っている句ですね。その勢いが小気味良いです。(このはる紗耶)
○何をもってウソ泣きとするのか、考えさせられました。心が入ってないんでしょうね~。涙が流れているからと言って信じてはいけませんね。かように小悪魔は恐ろしい。(小笠原玉虫)



31.元はくらげであった足がくさい(吉村一音)…2点

○前世が海月だったということなのでしょうか。海月で義足を作ったのでしょうか。臭いを感じるのは後者ですね、海月製の義足。一見ステキに見えるのに臭うというところが面白いです。(北大路京介)
○拙句「よくはたらいた足がくさい」に似ているなと思い、でもこっちのが上ですね。キモチワルイ人魚的?な生き物を想起。くらげが転生してひとになったんだけどなんかぐにゃぐにゃの足だしくさいみたいな。こういうの大好き!!(小笠原玉虫)



32.月曜ねじ伏せた焼きそばを喰らう(小笠原玉虫)…2点

○これ、ねじ伏せた、で切れると取りました。「食う」では駄目だったのかが気にかかります。月曜、平日最初の日をやっとこさ乗り越えても、食うのは何の豪華さの欠片もなく焼きそばというのがリアルです。明日の為に深酒なんてできない、などといったところでしょうか。「~ねじ伏せた/~喰らう」と切れ字もなくぶっきらぼうに言っているのが、労働の奴隷(は、過言でした)のように自分からは何もできずただ疲れている生活を思わせます。だからこそ、自発意思的に感じる「食う」という動詞では足りないとも感じます。でも生活臭にあふれているのが、好きです。(風橋 平)
○日曜日に残ってしまった焼きそばをタッパーに押し込んで月曜のお昼に一人虚しく食べること…ありますね。もはや美味しくもない焼きそばを機械的に口に詰め込み、そしてそれが着実に身になってしまうのです。ああ。(文月さな女)
△拙句ですけど。うーん、いま見直すと切れるところが分からない……。「月曜をねじ伏せてやったぞ! さて焼きそばでも喰おう」ってことだったんだけど、まるで焼きそばが月曜をねじ伏せたみたい。推敲しないとダメねー。(小笠原玉虫)



37.天使よりあずかる庭や時計草(風橋 平)…2点

○これもあさ吉くん句だと読みました。おかあさんが大切にしてきた庭では、今も天使(あさ吉くん)が遊んでいるのですね。時計草の花言葉が「聖なる愛」というのもいいです。(吉村一音)
○時計草ってとても肉肉しい姿ですよね。大罪やら十字架を抱えて禍々しくありながら天命を預かる天からの使い、、言葉がスッキリおさまり綺麗に景がみえました。  (琳譜)
△トケイソウ→イエス受難の花というつながりでしょうか。こういう衒学的な作り方、好きです。(前田_獺太郎)
△いいですね。初夏の庭の穏やかな光景。トケイソウはかわいいっていうよりはちょっとぎょっとする趣がある花ですけど、トケイソウっていう名前が小学校低学年的な可愛らしさがある。天使も遊びに来たくなる祝福された庭なのでしょう。(小笠原玉虫)



01.棺の中の祖父の股間が元気(鈴木桃宙)…1点

○やっちまいましたね。新宿屑句会の代表作ともいえる「ジジイの社会の窓から万札」を彷彿させる雰囲気。当句会の雰囲気もついに固定してきたのかと思うと感無量です。蝋のように青白い顔で横たわる祖父。しかし股間は……ジャキーン!でしたか。死後硬直の作用なんかで本当にありそうですよね。祖父の最後の主張なのか。それとも故人は「おいやめろ俺の体よ」と草葉の陰で赤面しているのか。実に味わい深い句です。(小笠原玉虫)



03.残量の僅かな吾はサイ...ボー......g(五月が丘はさみ)…1点

○面白い。名乗っているうちに充電が切れましたね。手塚治虫『火の鳥』のロビタを思い出しました。神よロビタを救いたまえ。胸がぎゅっとなる切なさでいっぱいです。人でないものに人のような心があるとしたら。これは文学の永遠のテーマのひとつのように思います。永遠のテーマが十七文字にぎゅっと込められました。(小笠原玉虫)



13.くつした片割ればかりなり(endou huma)…1点

○片割ればかりのくつした  の方が心に欠けたものまでみせられたのかな?と読ませていただきました。とても素敵なものを見つけて詠まれていてとらせていただきました。 (琳譜)
△日常の寂寥感や無力感をテーマにした句はものすごく好きなのだが、口で訓んだときに「なり」はない方が欠落感が増したのでは。すごく迷いました。(前田_獺太郎)
△あるあるある……もううちの旦那には同じ靴下ばかり買い与えようと考えるようになりました。そうすれば、どの組み合わせでも大丈夫ですものね! ほんとに腹立たしいことです。(小笠原玉虫)



33.天使に見てから蕎麦アレルギー(北大路京介)…1点

○会場では「見てから」を「みてから」と読んでしまいましたが、これは「天使をまみえて」と読むのが正しいのですね。なるほど、天使は「見た」なんて言っちゃいけないよね。それ相応の敬意が必要ですね。さて、天使に謁見した罰(なのかどうかはわかりませんが)が蕎麦アレルギーという落差が味わい深いです。(タケウマ)
△も、申し訳ない、意味が全く分かりませんでした……。「に」って助詞がこの句を分からなくしてるな。タケウマさんの解釈のように、「見てはいけない天使というものを見てしまった! バチがあたって蕎麦アレルギーにされてしまった!」ってことなのかな。こちらの解釈だと神罰が蕎麦アレルギーって非常に微妙な感じで面白い。けどわたくしは一見して意味を掴み兼ねました><(小笠原玉虫)



02.元彼と ぱったり出会う 歌舞伎町(内田きよし)…無点

△元彼ってこの世で一番会いたくない人ですよねぇ……これはいろんな状況が考えられますね。男が夜の人になっていた場合。その逆。もしくはどちらも会社の飲み会のあとでちょっと羽目を外した感じで歌舞伎町を練り歩いていたら、同じことをしている相手に会ってしまったか……どの場合にしても、お互い「あ」と思うだけで通り過ぎていそうです。次のドラマは敢えて求めず。そういう態度が我が身を救う場合もある。そんなことを思ってしまった句でした。(小笠原玉虫)



06.足元にゴムの散らばる夏の朝(紫蝶)…無点

△このゴムは……やっぱりあのゴム? 夜中に「散らばる」程のゴムを消費したのですね。元気なことはいいことだ。だけどゴミ箱にくらい入れましょう! 先生と約束だ!(小笠原玉虫)



09.天使の人形と擦り切れた絵本棺にはそれだけ(このはる紗耶)…無点

△これはふたつの意味にとれますね。子供さんが亡くなって天使の人形とお気に入りの絵本を持たせてあげたのか。はたまた天使の人形とお気に入りの絵本を埋葬するじぶんだけの儀式だったのか。わたくしは後者が好みです。秘密の埋葬で子供時代をひっそりと葬った景のような気がします。実にわたくし好みの世界観です。(小笠原玉虫)



11.「元気」とふメール炎昼の防護服(このはる紗耶)…無点

△いいですね。原発句ですね。暑い中防護服に身を包んで原発の処理作業をしている人に「元気?」とメールが来たのでしょう。送り主は家族か恋人か。作業員とメールの送り主の両方に感情移入してたまらない気持になりますね。原発問題が安全に解決することを心よりお祈り申し上げます。(小笠原玉虫)



15.元野良いまやわが家の女王だ(小笠原玉虫)…無点

△保護した野良猫がうつくしい御猫さまになり、家族みんなひれ伏している。そんな光景を詠んでみました。全ての猫にあたたかいおうちがありますように!(小笠原玉虫)



19.割り切れぬ大三角と冬の息(五月が丘はさみ)…無点

△「大三角」は夏のと冬のがありますので、てっきり夏の大三角かと思ったら「冬の息」と続く。うーん、謎解きしたくなりますね。当句会は季節感は重視しておりませんが、いまこのとき何故冬の大三角を敢えて詠んだのか。冬に割り切れぬ思いをなさったのかな。満点の星の下、忸怩たる思いを抱えそれでも生きるしかないのが人間なのかもしれません。(小笠原玉虫)



23.衣替えいかれぽんちの羽根の跡(琳譜)…無点

△こちら、ちょっと意味が分からなくて、なので完全にわたしの想像で言ってしまいますね。衣替えして夏の服を出していたら、去年着ていたDQN丸出しのデザインの、ウィングとか描いてあるTシャツとか出てきちゃって「あああ……」って我ながら呆れているのかなと。去年の夏はツレとブイブイいわしてたんだけど、秋に素晴らしい女性に出会って電撃結婚、そしてお堅い職業に就いて生まれ変わったように暮らしていて、ブイブイ時代のことなんてすっかり忘れていたのでしょう。これは素晴らしいお嫁さんに感謝ですね。(小笠原玉虫)



26.五月雨や天使が用を足してゐる(紫蝶)…無点

△随分と勢いがいい。それに天使ってそんなにも巨大だったかしらん。梅雨には良し悪し色々なことを感じるとは言え、いかにいいところを見つけようとやはり梅雨は鬱屈、と相場が知れている矛盾をこんな風にさらりと表現するとは思ってもみませんでした。天使を主格に持ち出さず、五月雨の喩に持って来た発想にも完敗。(風橋 平)
△面白い。五月雨は天使のおしっこなのかも、という発想ですね。ふつうはおしっこなんてかけられたらうわっと思いますけど、天使ならば仕方がない。もしくはこの詠み人はおしっこプレイが好きなのかもしれない。ご自分の性癖を天使にかこつけて世界に向けて発信したとしたら、むむ、デキる。相当な手練れです。(小笠原玉虫)



28.元ママも 今や母に 納まりて(内田きよし)…無点

△ママがしあわせになって本当によかった! こういうしたたかな女性は本当に大好きです。男性から見たらどうなんだろ? 同性からだと天晴れと言いたくなります。小さなお子さんが二人くらいいる家庭的な奥さんなのに、何ともいえない色気が漂っていそうです。物語性を感じる一句です。(小笠原玉虫)



34.異人街来ればダリヤに花言葉(風橋 平)…無点

△NYのハーレムみたいなところを散歩していたら、あざやかにダリヤが咲き誇っていた、という光景でしょうか。ハーレムという街の匂いとダリヤがなんかスゴくよく似合っている気がします。ちなみにダリヤは「感謝」「裏切り」と真逆の花言葉を持つそうです。面白いですね!(小笠原玉虫)



35.バカボンの頬に天使の根性焼き(タケウマ)…無点

△か、可哀相だよ(´;ω;‘)ウッ バカボンはバカだから、「何するの~~~~~ぎゃーーーー熱い!!(泣)」って、じぶんが何をされるのか分からぬままに根性焼きされてそうです……何と残酷な……詠み人は真性Sにちがいありません。(小笠原玉虫)



36.つゆ晴れま家宅捜査の足の跡(琳譜)…無点

△な、何があったんだ……家宅捜索って脱税とかのイメージがありますよね。梅雨の晴れ間の酷く暑い日。ワイシャツを腕まくりした捜査員たちが次々を段ボールを運び出しているのでしょう。それを遠巻きに眺めているヤジ馬たちの、殺した息遣いも聞こえてきそうです。(小笠原玉虫)






2015年2月8日日曜日

第八回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^)

大変お待たせいたしました、

第八回新宿屑句会、結果発表をさせていただきます…!!






八代目屑王は…





タケウマさんです!

おめでとうございます!!(^〇^)♪♪♪


海鼠大人気 で、圧倒的勝利でした。

本当におめでとうございます!!!(^〇^)♪♪♪





さて、以下が投句全作品の点数と選評でございます。


どうぞ皆様、お楽しみくださいませ…!!!


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05.少年のパンツへ海鼠忍び寄る(タケウマ)…8点

◎語句やシチュエーションの選択に脱帽です。海鼠ってそんなに動き回るイメージがなく、ねっとり這う感があるのですが、それがここでは活きてると思います。不気味な生物にジワジワ嬲られようとしている。実際にもし起こり得たら剥ぎ取って馬鹿話笑い種になりそうな所を、思わず不気味な展開を考えさせる凄みがありました。海鼠、という、「少年」の活発さからは遠い冬の季語の所為でしょうか。ところで「忍び寄る」という、意図して息を殺して近付く能動的な動詞はわざとと思いたいです。そそられますし。(風橋 平)
◎なんとも言えない味わい(?)ですね。海鼠ってとこがまた…。絶妙です!(文月さな女)
◎生々しさで特選に。海鼠は本当に海鼠なのだろうか、メタファーなのだろうか。背景の描写を省くことで、登場する物の動きがより強調されている。少年の青くハリのある肌とべちゃべちゃした海鼠は、対比的であるようにも、根底で通じているようでもある。(羅手)
○戯画的で実際にはあり得ない情景だがおもしろい。映画「スタンド・バイ・ミー」の沼でヒルに襲われるシーンを彷彿とさせる。(獺太郎)
○地元の人しか入らない、ひと気のない海辺を想起。めまいを覚えるような真夏の日差しのなか、ふと気付くと海鼠が忍び寄ってきている。うわ!と鳥肌を立てながらも、怖気ばかりでない何かを感じる。あやうい白昼夢のような瞬間を見事に切り取りました。(小笠原玉虫)


17.あと二つ穴を掘る(琳譜)…5点

◎初見一発で特選。これはねヤバいですよ。何という大胆さでしょう。もうひとつ掘ってみるなら分かる。んが、あとふたつ……??? どこ??? 未熟者のわたくしには全く見えてこないのですが、詠み人の欲望に燃えた目にはもう一箇所掘ってやりたい場所が見えるようです。こちらの句は自由詠での投句でしたが、並々ならぬフェチ魂を、わたくし、見出しました。わたくしは恐ろしい。詠み人のセクシャルに洗練された、されすぎた視線が恐ろしい。そして、恐ろしいのにどうしようもなく惹きつけられる。かように何もかも曝け出した詠みっぷりを、わたくしもしてみたいものです。(小笠原玉虫)
○読者に想像を広げさせてくれますね(笑)わずか8文字なのに上手いなぁって思いました。(文月さな女)
○「人を呪わば穴二つ」ということわざを連想しました。墓穴だとしたら、あと2人殺すというような意味になるのでしょうか。(北大路京介)
○すでに穴を一つは掘っているわけですよね。でも、それだけでは満足できない。作者の欲望を充足させるためには、さらに二つの穴が必要なわけです。どこに掘るのか、どんな穴なのか、何も明示されていませんが、具体的でないからこそ、作者の煩悩がとてつもなく大きいことが分かります。きっと、さらなる二つの穴を掘っても作者は満足することはないでしょう。「あと二つ、あと二つ」と呪文のように唱えながら、穴を掘り続ける。あとに残されるのは、無数の巨大な穴という空虚です。怖い句です♪(タケウマ)


01.淡雪あわ雪ちいさい乳輪がすき(羅手)…4点

◎ちいさな乳輪はいいですよね~♪ いや、大きな乳輪がダメということではないのですが、ちいさな乳輪が好きという呟きが、すぐ溶けてしまう淡雪にとても合っているといると思います。「淡雪あわ雪」と繰り返しながら2つ目をひらがな表記にしたのも、舞い降りながら水に戻っていく淡雪のはかなさをあらわしているのでしょう。ああ、ちいさい乳輪はもののあはれなのですね♪(タケウマ)
○やはりというかどうしても選んでしまうおっぱい星人です。(圓哉)
○いいですね。わたくしの眼前には日本画のような光景が広がりました。真綿のようにやわらかい雪が落ちてくる中、凛とした表情でうら若き乙女が全裸で立っているイメージ。小ぶりながらも熱い乳房に触れた瞬間、雪は解けて消滅することでしょう。雪と小さな乳首の取り合わせが清楚な美しさを醸し出しています。あわゆきあわゆきの繰り返しのリズムも美しいし、好き、とつぶやくように終わるところも大好き。エロスを感じさせながらも上品で、実に美しい佳句です。(小笠原玉虫)


11.あの肌に似ている湯豆腐を喰らう(風橋 平)…4点

◎とても艶やか。さらりと詠まれているのに、しっかりとエロい。肌の熱、柔らかさ、弾力、瑞々しさ。「喰らう」という言葉の選び方にうっすらSな属性も垣間見えて、お見事です。(このはる紗耶)
○古典的な展開だがそれがむしろ奏功している印象。湯豆腐の温感や質感が女性の肉体への連想につながる。(獺太郎)
○いいですね。湯豆腐って食べ物としてはとても淡白な方だと思うんですが、そんなさっぱり系をいただきながら熱い肌を思っちゃうという、取り合わせが面白いなと思いました。寒い季節ですからお食事でもお布団でもあったまりたいものですね。(小笠原玉虫)


23.もう二度と子を抱かぬ手で撫でる(北大路京介)…4点

◎子を二度と抱けない手。死の床にある皺だらけの手で子供の顔を撫でるのか、それとも子供の墓石をそっと撫でるのか。この陰のある重厚な雰囲気に惹かれました(獺太郎)
○家庭との決別の感じがしてエロティックな感じがしました(endou huma)
○これは泣ける。句会中はいくつかの説が出ましたが、わたくしはお爺ちゃんが病床で、しわしわの手を伸ばして孫の頬をゆっくりと撫でるイメージで読みました。胸に迫る悲しみ、そして韻律もとてもうつくしい。非常に優れた句と思います。自由詠での投句ですが、ほんと素晴らしい作品で、当句会みたいなふざけたところに出しちゃってよかったのかととても心配しております。(小笠原玉虫)


24.華奢という冬の桜を抱きにゆく(風橋 平)…4点

◎冬の桜は春の桜よりさらに儚げな感じがします。そんな冬の桜のような女性、もしかしたら幻かもしれない。そんな危うさを感じつつも抱きに行かずにはいられないのでしょう。とにかく情景が美しい!特選です。(紫蝶)
○美しい印象と危険な感じが入り混じって絶妙だと思いました。屑句会なので余計な妄想を呼びますね。(文月さな女)
○冬の桜を華奢と見立てたセンスに脱帽です♪ 透徹な欲望というものもあるのですね♪(タケウマ)
△冬の桜に華奢を見出す感性がすごいと思う。確かに、春より冬の方が浮世離れして、白いイメージがある。(羅手)
△「華奢」という名前の品種が、桜か、何かの花にあるのかなと思って調べてしまいましたが、見つけることが出来ませんでした。なので、これは華奢な女性にこっそり会いに行く景を詠んだのかなと解釈いたしました。「冬の桜」って言われるくらいですから、しっとりしていてそれでいて華やかで、でも何かちょっとおぼつかない、たよりなげな風情のある女性なのでしょう。しかも道ならぬ恋という気がする。と、妄想たくましく解釈してみましたが、正直なところ句意がよく分かりませんでした。皆さんはどうお考えですか?(小笠原玉虫)


26.階段を見上げればアンクレットがだなぁ(圓哉)…4点

○「がだなぁ」が素晴らしいですね。おじさんの決して口には出せない心の中でだけの呟き…。年齢からキャラクターまで全てを読者に理解させてしまいます。(文月さな女)
○語尾の余韻がニヤけた声音をリアルに想起させて、思わず笑ってしまいました。足首や脚線ではなくて、アンクレットというのが良いです。目の付け所がマニアック。そこから更に妄想が広がります。(このはる紗耶)
○口語も口語の「がだなぁ」の表現が効いている。おのれの想定が的中した男性と見られる側の女性のどちらもチープな感じが、猥雑な街をうまく切り取った。(獺太郎)
○いいですね。これはもう「がだなぁ」の勝利ですね。非常階段みたいなとこで、顔の横をふっと女性が通っていったので、あわてて見上げたのでしょう。期待したようにパンツは見えなかった。けれど華奢なアンクレットが巻きついた美しい足首が視界を掠めていった、と。くぅ~~~このアンクレットがだなぁ! ちょうよかったんだよ、ちょう!!ということでしょう。よかったですねぇとこちらまでじんわりとしあわせを覚えます。よろしゅうございましたなぁ。(小笠原玉虫)


27.足のツボだけ異様に詳しい(木曜何某)…4点

○何をたくらんでいるのか。手相を覚えれば手を堂々と触れられるのかもしれないという名案が浮かびましたありがとうございます。(endou huma)
○「異様」のポップさが効いている。足に特化しているさまはまさに「フェティシズム」であり、直接的な表現を用いずに題を詠みこめている。(羅手)
○きっと何気ない会話のなかで、相手のフェチのツボに気づいてしまったのでしょう♪ その知識が本来の目的のために使われることを想像するとき、大いなる闇が二人を包み始めるのです♪(タケウマ)
○これは素晴らしい。今回の句郡の中で抜きん出ていると思います。穴二つがマジキチっぷり全開のフェチ句としたら、こちらはマニアックな硬質のうつくしさがあるフェチ句と言えましょう。そして句会中にも指摘がありましたが、この詠み人は多分にサディスティックであると思われます。イタタ! ここがイタいの? しっかり揉んだ方がいいよ……ここがイタいのは、胃が悪いんだよ……と、親切面して痛がる相手の様子をじっくり観察して楽しんでいるのでしょう。句の中でエロいことはひとつも言ってないのに、とてつもないエロスを感じさせます。実にお見事としか言いようがない。優れたフェチ句です。(小笠原玉虫)


32.なんにでも鼻を埋める犬なる(文月さな女)…4点

○犬になりたくなりました(endou huma)
○我が家の犬もそうですが、犬ってなんにでも臭いをかぎにいきますよね・・・不思議です。ある意味趣味が悪いというか、もしかすると生物の中で最も変態なのは犬なのかもしれません(笑)。(紫蝶)
○犬だと思えば何でもないこのフレーズ、人だと解釈した途端に、エロさやフェチの香りがパーン!と弾けます。どこに鼻を埋めているかの想像は千差万別、読み手の心理を上手く引き出すテクニシャンな句だと思います。(このはる紗耶)
○理性を忘れ本能の赴くままにと言う獣性のみならず、官能の下僕と成り果てていると言うニュアンスを「犬」の一字で上手くまとめている。(獺太郎)
△可愛い(^ω^*) これは白い小さい室内飼いの犬を想起。こたつの上掛けをおニューのに取り換えたりすると、何か気に入らないみたいでフンフンフンフンいつまでも嗅いでいたりしますよね。そんな景が目に浮かびました。犬句に弱いわたくしのド真ん中を打ち抜く佳句でございます。(小笠原玉虫)


38.耳の裏嗅ぎて頭突き返さるる(このはる紗耶)…4点

◎耳は性感帯なのに、頭突きくらっちゃしょうがないしょうもない、なんて。結構笑えた素敵な一句でした。(圓哉)
○隣で居眠りする無防備な首筋や耳裏を見て思わず吸い寄せられた所に、寝返りとかで偶然反撃を受けた。というような、「春の目覚め」の青い情景が浮かぶ。(獺太郎)
○欲望に忠実に行動するとしっぺ返しにあうという教訓が盛り込まれていると感じました。でも、痛い思いをしても、耳の裏の匂いを嗅がずにはいられないのです。ああ♪(タケウマ)
△いいですね。耳の裏の匂いフェチということでしょう。わたくし、人の耳の裏は知りませんが、いぬのは好きだったりします。何ともいえない平和な匂いがしますよね。で、こちらの句では、嗅ぎにいったら頭突きで攻撃されたと。句会中は、獺太郎さんとタケウマさんとで、この頭突きは意図的な攻撃なのか、それとも寝返りを打つなどされて偶然ぶつかったものかで解釈が分かれましたどちらの説も面白く、アリだなと思いました。なかなかのフェチっぷりと喜劇的な楽しさが同居した、非常に面白い句と思いました。(小笠原玉虫)


19.玉子酒寝巻の裾の乱れをり(タケウマ)…3点

○風邪の熱と酒の熱と脚の熱と、三種の熱が絡み合っていて艶っぽい。
玉子酒特有のまろやかな様子、汗を吸った寝巻のけだるさも、色気のあ る光景である。(羅手)
○若尾文子さんが茶の間にきて髪も少し乱れていて茶碗片手に「せっかくなのにごめんなさいねぇ」といいつつ炬燵に入る直前の白い足首がちらと・・・見えました。(圓哉)
○風邪の艶っぽさは別の季語でも話題に登りましたね。この方も風邪で寝苦しくおられるのでしょうか。お酒と熱でほんのり紅くなった足元、、席題のチラリズム句かな?そうならお題を「述べる」だけではなくきちんと句に仕上げられているところもお見事です。  (琳譜)
△玉子酒じゃなきゃ駄目だと思います。自分左党ですゆえ笑 それはさておいても、玉子酒の字面の柔らかさと、乱れ裾の方への親しい距離が上手く重なっていると感じました。裾が乱れる、とありますが自分は「しょーがないなぁ」と布団を敷いてあげたいです。そんな雰囲気に感じます。乱れた裾とのギャップなり、元来風邪などの薬や身体を温めるための玉子酒で酔ってしまった人への燃え上がる愛しさなりも捨て難いですが。でもちらりと見えるところが裾の中少しだけ、なのも良さかと。(風橋 平)
△大変いいですね。病人フェチでしょうか。熱が出て紅潮していたり、苦しそうにあえいでいる様子に興奮を覚えるとは、なかなかのサディストと思います。親切面して病床に玉子酒を運んであげる……と、見せかけて、病人の様子をじっくり観察して悦に入っているのでしょう。一刻も早く病室から追い出した方がいい。実に不謹慎かつ色っぽい御句です。(小笠原玉虫)


22.クローム仕上げのおまえに俺の間抜け面が(前田_獺太郎)…3点

○クローム仕上げ、車かな。それとも人型のなにかか。(北大路京介)
○会場ではロボットレディと仮定して盛り上がりましたが、偏愛の対象として「おまえ」と言いたくなるクローム仕上げされたものに(例えばクロームメッキされたバイクとか)、頬を寄せている姿でも十分面白いですよね。自分の陶酔した顔に引いちゃうという、神の視線が自らに宿る瞬間の哀しさが本当に切ないです♪(タケウマ)
○C-3POの女性版みたいなロボットレディとの恋かなと思います。これはなかなかのフェティシズムです。でも「愛してる……」と抱き寄せたら、相手のピカピカのボディに酔いまくった自分の顔が映ってたんですね。これは哀しい。一瞬で賢者モードです。けれどマット仕上げだと愛せないのですきっと。ピカピカボディフェチ!! 何とかこの哀しみを乗り越えて愛を貫いてくださいね!(小笠原玉虫)


02.初めてできた彼氏の部屋で見つけた熟女AV(紫蝶)…2点

○彼氏さん、熟女フェチですか。この後、路線矯正に燃えるのか、敗北感にうちひしがれるのか、はたまた学習と銘打って一緒にAV見ちゃうのか、修羅場に至るのか。想像をかきたてられます(笑)(このはる紗耶)
○これは、彼女の方が年上だったら相当ビミョウな気持ちになるなと思いました。そっか、そこが……好き、だったのか、みたいな。熟女好きは、わたくしからするとそれ程フェチでもないような気がします。それはわたくし自身が熟女の年齢だから、そう思いたいだけ、でしょうか。皆様はいかがお考えですか。△(小笠原玉虫)


14.雪中梅なめて眺める盃や(圓哉)…2点

◎素敵ですね。お酒の雫を舌でぬぐいきり盃を眺めているのでしょうか。この句が作品の中ですっと一本際立っていました。 (琳譜)
△雪見酒! しかもおつまみは梅のみという渋さ。最初これは梅干しと思ったんだけど、ホット梅酒の可能性もあるなと思いました。下五の切れ字は珍しいなと思ったんだけどそうでもないかな? 古風でよい句と思いました。(小笠原玉虫)


16.風が強いからスカート短めで会いに行く(木曜何某)…2点

○チラリズムを武器とする攻めの姿勢がいいですね♪ この子、きっとかわいい♪(タケウマ)
○いいですね。これは確信犯です。句会中にも指摘がありましたが、チラリズム句は「あ、見ちゃった」=受身が多かったのですが、これは見せる気まんまん、攻めの姿勢です。この小悪魔っぷりにやられました。リズムとまとまりもいい。お見事。(小笠原玉虫)


21.君の隣は蕎麦の薬味が倍になる(木曜何某)…2点

○蕎麦も君もおいしそうで一緒に食べたいです(endou huma)
○「君」は葱や茗荷が嫌いなんでしょうね(北大路京介)
△句会中「意味が???」と話題になりましたが、わたくしは分かりますよ。わたくし、お蕎麦の薬味が苦手で、ネギなどいつも同行者にあげてしまいます。そういう人とお蕎麦食べに行ってるんじゃないかと思うのです。非常に私的、かつささやかなエピソードで、これは余程近い人間同士じゃないと窺い知れないものです。この「当人同士だけが知ってる」感がとても好きだなと思いました。(小笠原玉虫)


35.おっぱい星人には永久不滅ポイントです(圓哉)…2点

◎おっぱいに対する賛辞でしょう。こういう表現の方法好きです。(北大路京介)
△これはおっぱい礼賛句ととりました。「永久不滅ポイント」って何なのかとちょっと思いましたが、もしあくまでおっぱいについて言及しているとすれば、老いようが垂れようが、巨乳は素晴らしい!! と言っているのかなと。素晴らしいおっぱい愛ですね! たまにはDカップ未満のおっぱいたちのことも思い出してあげて下さいね。(小笠原玉虫)


18.太い背骨に蟻が上るわ(endou huma)…2点

○「恍惚」が句の全部を占めてると思います。青江三奈さんよりどぎつく。
蟻はまた人間よりも進む幅が短いながら、確実に速く這ってゆく、その確実に迫る感覚が「背骨」という人間の急所にもなり得る所を上る怖さ。故に後の展開が実に怖いです。
上る「わ」、という口調にも、恍惚というか憧憬というか、危ない感情を感じました。太い背骨に対して、蟻の動きに対して、それが自分の指だったらと仮想して。その全てがアブナイです。
3・4・3・4という音節も、まるで女性のため息を差し挟んでいるようなリズムに思えました。重ねて言いますが、ゾクゾクします。(風橋 平)
○夕刊紙の官能小説のようなパルプフィクション的表現がいい。(獺太郎)
△好きです。ぞわぞわする感じが伝わってきます。これは気持ち悪いのと同時に妖しい快感を覚えているのではないかと。「蟻の門渡り」って言葉も、なんか想起しますよね。「太い背骨」に、あがるってのもいい。ゴッツい大男が小さな蟻の感触に悶絶しているとしたら、これ程小気味いい光景も滅多にあるものではありません。スパッとまとまってるしリズムもいいと思います。(小笠原玉虫)


30.襟巻のほどけて残る襟の陰(風橋 平)…2点

○首筋に対する崇拝の念が、襟の繰り返しに表れているように感じる。襟の陰が生える首は、白く美しい首なのだろう。襟の字の上品な色気が、「漢字ひらがな漢字」の構成をより耽美なものにしている。(羅手)
○着眼点も律も素敵な作品なのでとらせていただきました。ただ「陰」というイメージではないような気がして並選に。気になった場所は私の感覚では分からなかったというそこだけです。読む力不足お許しを。素敵な作品ありがとうございました。  (琳譜)
△いいですね。襟巻をとったらドキリとするくらい白い首があらわれる。その真白き首にくっきりと襟の影が落ちる。至近距離ならこその気付きと思います。大変色っぽい佳句です。(小笠原玉虫)


04.足袋よりもなほもましろのたくし裾(琳譜)…1点

○偶発的に出来た絶対領域とでもいうべき白足袋とたくし上げた裾の間に現れた白き脚。足袋の句は36番にもあるがこちらの脱ぎきっていない方がフェチ性は高い。(獺太郎)
△いいですね。足袋を履いた足の、足首が見えると妙に無防備でドキリとしますよね。着物&足袋だと足首は全く見えないわけで、そのせいか見てはいけないものを見てしまった感があると思います。サンダル履いてる足首にはそうは思いません。隠すことによってエロさが増す好例と思いました。句としてはいい意味でクラシカルな感じがしますね。古き良き、久女あたりが詠んでいそうです。(小笠原玉虫)


06.妖精の粉で私もちょっとだけよ(文月さな女)…1点

○チラリズムの王道を失念しておりました。妖精の粉(で変身する)という、ファンタジックながら、今回の句会ではエロスが溢れる展開なのですが。ドリフのおピンクなステージがそう深くファンタジーファンタジーさせない適度さがあると思います。というか相互的によりエロくなってます。変身する、といっても、言葉の間にスルスル肌着を脱ぎ落としていくような。ちょっとだけよ、の575からはみ出した字余りが、その後の展開へ続く息のようなリズムも持っていると感じました。個人的に、自分一人に対して……してくれてるような気がします。というかしてほしいです。(風橋 平)
△可愛い。素面ではちょっと出来ないけれど、妖精さんの魔法を借りれば大胆になれる。そんな乙女心という気がします。照れながらコケティッシュなポーズをとっている可愛い女性が目に浮かびます。(小笠原玉虫)


07.路上にてアナルプラグを刺して冬(小笠原玉虫)…1点

○選評を書くにあたり、あらためてアナルプラグを検索しちゃったですよ…、仕事場で…で、後ろの席の部長に見つかりそうになってね、あわててPCを閉じましたよ。この句の作者のせいですよね。きっとプレイなんだと思いますが、ご主人様に路上での装着を命じられたのでしょう。道行く人に気づかれないように自ら挿入するアナルプラグ。完全に刺さった瞬間に、拡張された充足感を味わいながら、もう引き返すことのできない性癖の道を歩んでいることにあらためて気付いたのです。その道は修羅の道。北風が吹きすさぶ道こそがあなたの歩む道なのです♪(タケウマ)
△句またがりがプラグを刺して踏ん張っているようで、活きている。(羅手)
△冬、じゃねぇよと我ながら思いました。自分では結構好きな句です。ダメ?w(小笠原玉虫)


08.財布から裾が見えてら夏目かい?(endou huma)…1点

○席題投句なのですけど、チラリ=スカート的な発想が多いなか、これは面白いなと思いました。千円札が見えているのかな。「見えてら」「かい?」の口語が妙に気持ちいい。面白い句です。(小笠原玉虫)


09.スカートふわり八重歯こぼれている(北大路京介)…1点

○句会の性格から見たらだいぶはずれている、実に真っ当な句。一服の清涼剤。新宿にも公園があることを思いだした。(獺太郎)
△いいですね、大変可愛いです。中学生同士のデートで、私服でおしゃれしてきた彼女が照れているイメージです。当季っぽくないけど春を先取りということでよろしいかと思います。(小笠原玉虫)


10.満員電車で汗だくのサラリーマンの乳首が透けている(紫蝶)…1点

○真夏の通勤電車ですね♪ 普通に考えればチラリズムの句だと思いますが、あえてフェチの句として読みました。その透けた乳首をうっとりと眺めているのもサラリーマンだったりと♪(タケウマ)
△これって密着しているの……。個人的にピンクだったら嫌だな。(羅手)
△大学卒業して最初にわたくしの入社した美術系出版社のですね、社長がですね、夏になると毎日乳首透けていて本当に困ったものですよ。そんなことをふと思い出しました。これはですね、詠み手が乳首にナニかを感じていればフェチ句、感じていなければ写生句となると思います。中々に深い句です。(小笠原玉虫)


12.吹雪ゆく新聞配達夫の虚ろ(このはる紗耶)…1点

○これも句会の性格とは異なるが、「仕事」の義務と責任を全うする人間のいる光景を切り取っている。先日亡くなった映画スターを連想せずにいられない。(獺太郎)
△いいですね。虚ろ、の体言止めが非常にわたくし好みです。吹雪という激しい季語、めっちゃいい冬の句で、当句会に投句してしまってよかったのか、心配になってしまっています。(小笠原玉虫)


13.口先を尖らせてキミは前髪を直す(前田_獺太郎)…1点

○「セーラー服と機関銃」の薬師丸ひろ子が一番に浮かんだのは歳のせい!(圓哉)
△これは自分で切って切りすぎちゃって、ぷんすかしている彼女なのでしょう。一生懸命引っ張って、ああそれでも眉毛にやっと届くくらい……彼女は自分自身に怒り心頭、でも彼は怒りごと可愛いと見ている。そんな景かなと思いました。愛でいっぱい♪(小笠原玉虫)


28.高速で裸コートを開いては閉じ(小笠原玉虫)…1点

○一読して腹を抱えました(笑)。高速は道路と開閉の速度と両方をかけているのではないかと私は見ました。高速道路で素早くコートを開閉し、裸を通行人にチラチラ見せる・ ・・明らかに逮捕ものの変態です!(紫蝶)
△外国の売春婦がちらっちらっと女性器を見せつける行為を「Flash」というそうですが、こちらはおっさんの変質者がそれをやってる的な気持ちで詠みました。それもものすごい高速で。匠の技です。それをわたくしは、申し上げたかった。(小笠原玉虫)


31.冬薔薇の密やかに咲く歌舞伎町(紫蝶)…1点

○季語の活かし方がツボに来ました。
イメージするに、夜の喧騒から遠ざかった真昼の歌舞伎町です。そこでは夜の蝶も疲れて、すれっからしの翅を休ませる。 ……そんな風景を目一杯感じ取りました。
花季を外れて咲く、それでも独特の魅魔を漂わせている冬薔薇の空気が実にピッタリでした。私感としては、ひそやかに、を変えるとまた違った風に化ける句と思います。派手さだけではない歌舞伎町の深さが「冬薔薇」に凝縮されていると感じました。どことなくありし日の浅川マキのような、そうでないような。(風橋 平)
△いいですね。この「冬薔薇」は女性をたとえてるんだと思いますけど、結構年増って気がする。かつて大輪の薔薇だった夜の美女、いまは年齢を重ねてひなびたお店にいるのかもしれないけれど、往年の妖気は保ったままなのでしょう。煙草臭い息すらも彼女の魅力とひとつになっている。こういう女性は大好きなわたくしです。(小笠原玉虫)


33.襖の隙間から不機嫌そうな尻尾(このはる紗耶)…1点

○間違いなく猫の尻尾ですね!何か面白くないことがあって拗ねているのでしょうか・・・それでも尻尾だけを襖の隙間から出して今の気分をアピールしている、その可愛さにやられました。(紫蝶)
△可愛いw 犬か猫かは分かりませんが、わたしは不機嫌なんだぞ……!! と表明しつつもかまって欲しがっている感じですね。さぁ可愛い尻尾をぎゅっと掴んで余計怒らせましょう。そのあとで襖をガラーッと開けて、ガバッと抱き上げましょう。すぐ仲直りです!!(小笠原玉虫)


36.白足袋の白より白き踵かな(タケウマ)…1点

○素足の踵なのか、足袋の踵なのか判断が定まりませんでした。せっかく白を並べたのに白にインパクトを持たせきれてないのが残念な気がします。でも文字で遊ばれたところと、それで起こる音韻が暑苦しくないところとても魅力的です。足袋の踵ならこの目線はたくさんの方が使われているので少し推敲してぜひお手元に残される特別な句の一つにして欲しい気持ちです。(琳譜)
△白を三回も繰り返しながら、最後の「白」が特別で艶かしく見える巧みさにやられました。踵、という漢字のチョイスも文字通り適度な重さがあって引き締まって読めました。個人的には京町家の夜を連想します。好きです。(風橋 平)
△いいですね。今回足袋の句は二句ありましたが、これは完全に脱ぎ捨ててしまい、手入れの行き届いた真っ白な踵を見せてもらったのでしょう。足袋を履いているという状況はかなりきちんとした格好をしているということで、そんな足袋を脱いだところも見たということで、この踵の持ち主と詠み人がいかに親密か窺い知れるというものです。非常に艶めかしい。そしてどこか、春の予感を孕んだ冷たい空気も感じることができます。面白い一句です。(小笠原玉虫)


03.雷鳴ローズ香る網タイツ(北大路京介)…無点

△いいですね。網タイツのお姉さまと雷鳴を聞きつつよろしいことをなさっている景でしょうか。網タイツなんてビッチなアイテムを履きこなしつつ、ローズみたいな清楚な香水を使用しているお姉さまに好感度大。雷と網タイツって似合うな。(小笠原玉虫)


15.月氷る溺るる肉を布で拭く(羅手)…無点

△いいですね。非常にエロティックです。月が氷るかのような冬の夜に、汗びっしょりになりながらいたしていたのでしょう。で、終わってから拭いてあげている。激しい性愛の表現の中に深い愛情がうかがえるのがいいなと思いました。お見事です。(小笠原玉虫)


20.肉球に萌えて悶える知命の春(文月さな女)…無点

△肉球萌え! は、比較的受け入れられるフェティシズムと思われます。わたくしは匂いを嗅ぐのも好きです。猫の手だとすると、にゅっと爪が出てくるかもしれず、緊 張感が伴います。それもたまらないのでしょう。五十路になっても自分を抑えることが出来ない。並々ならぬ衝動の告白、誠に有難うございます。共にこの道を極めましょう!!(小笠原玉虫)


25.冬薔薇ネクロフィリアの兆しあり(小笠原玉虫)…無点

△冬薔薇→死体っぽい→死体性愛?と妄想たくましくしてみたんですけど、ネクロフィリアがやりすぎだったと我ながら思います。(小笠原玉虫)


29.一枚に瘡蓋剥いて宵の春(琳譜…無点

△いいですね。かさぶたとか耳垢とか、ああいうものをとるのってどうしてこんなに楽しいのでしょうか。この何とも言えない快感、結構愛好者が多いらしく、2ちゃんねるにスレッドがあるくらいですよね。で、こちらの句ですが、〆の「宵の春」、この季節感と、かさぶたを剥いたあとに表れる、薄ピンク色の新しい皮膚とのうつりがいいなと思いました。素晴らしいフェチ句と思います。(小笠原玉虫)


34.らんちうに届かぬ舌と尾は二復(endou huma)…無点

△こちら、「二復」の意味がよく分からなかったのですが、景としては、ネコが蘭鋳を捕まえようとちょっかいを出している景なのかなと思いました。ん、でもそうしたら前足でバッシャバッシャやるところか。舌と尾も、そうなるとよく分からないな。詠み人の自解を伺ってみたいです。(小笠原玉虫)


37.今日もワルを気取れないで桂花ラーメン(前田_獺太郎)…無点

△何故か尾藤イサオの曲を思い出しました(どーでもいい)。でもそんな魅力や渋みが自分にないのが分かってる、そう取りました。桂花ラーメンというのは実在するお店なんでしょうか……下町の飲み屋街にありそうな、そしてそういう場所で一人ごちてる主人公の姿が目に浮かびます。気取れない、というのも本当はワルになってイワしたい本音がにじみ出ていると思うのですが。是非このラーメン屋に通いつめてみたいです!(風橋 平)
△いいですね。フッ……と、ニヒルにバーで煙草をくゆらせる。そのまま帰ってしまえばシヴいのに、あーおなかすいたと〆のラーメンを食べに行ってしまったのでしょう。こういう人、かなり好きです。ワルになりきれないやさしさが垣間見える気がします。(小笠原玉虫)




2014年7月6日日曜日

第七回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^) …その1

大変お待たせいたしました、

第七回新宿屑句会、結果発表をさせていただきます…!!






七代目屑王は…





藤井雪兎さんです!

おめでとうございます!!(^〇^)♪♪♪


雪兎さんは二度目の屑王、これで正真正銘の屑と確定いたしましたね、

本当におめでとうございます!!!(^〇^)♪♪♪





さて、以下が投句全作品の点数と選評でございます。

今回も投句数が多かったため、「その1」では2点句までを、、

1点~無点句は「その2」に掲載させていただきました。

どうぞ皆様、お楽しみくださいませ…!!!


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21.俺だけが笑っていた家族写真(藤井雪兎)…13点

◎へらへら笑ってる子が実は泣いていたりします。(jirotyo)
◎この「俺」は何をしでかしたのでしょうか・・・ありとあらゆるろくでなしな行為を想像してしまいました。ほかの家族が一体どんな顔で写っているのかも気になりました。(紫蝶)
◎成功者であっても、つまはじき者であっても一人だけ笑っている家族写真の放つ強烈な断裂感と寂寥感が胸に刺さる。いい。(前田獺太郎)
○何も分からずにただただ楽しんでいた少年なんですかね。でも子供はそうであっていいのだとも思います。(木曜何某)
○いい。すごく良いですね。こういうの好きです。自分だけが家族の不幸な部分、笑えない部分に気づいてなかったのか、家族で一番年下で幼くて分からなかったのか。幼いから知らされてなかったのか。父・母・自分の3人家族で、離婚が決まっていたとか。いろんな想像が広がります。この写真を撮った後には寂しいことが待っていたようです。(北大路京介)
○残りの家族が笑っていない理由は定かではないが、一人だけ笑っている作中主体に原因があるように感じられる。ろくでなし(と思われる人物)の反応と、かかわりを持った相手の反応が、一句の中にうまく表わせている。(梶原由紀)
○何かね、その写真を想像するとものすごく切ないんですよ。痛みのある余韻が残る、とても惹かれた句です。(雪うさぎ)
○なんとも言えない脱力感がいいですね。写真を見た周囲の反応を想像するとまたじわじわ来ますね。(影形)
○この家族に何があったのでしょうね?(タケウマ)
△意味が分かると怖い話(なかやまなな)
△薄っすらと怖いですね。パパとママが離婚しそうで、兄はそのことに気付いていて、無邪気な弟だけがそのことを知らず……みたいなシチュエーションかなと思いました。大人になってから見返しているのだと思うのですが、どんな気持ちで写真を手に取ったのか。また笑っているのが自分だけと気付いたとき、どんな気持ちになったのか。心配になるような句です。(玉虫)


20.轢いたネコは死にたがってたことにする(木曜何某)…12点

◎特選です。2回轢いたイメージ。自動車で1回轢いて、瀕死の猫をバックでとどめを刺したような。優しさで楽にするためにとどめを刺したのではなく、医者に連れて行くのが面倒で瞬時にバックにギアを入れたと思いました。(北大路京介)
◎これは体験に基づく句でしょう。車を運転中、ふいに路上に飛び込んでくる猫。本当は避けたいけれど、避けると自分が事故を起こしてしまう危険があったり、道幅が狭かったりして救うことができない命。生きることが尊いからこそ、救いようがない命の理由を求めてしまう。「ことにする」と結ぶことで猫の真意とは離れた作者のやるせない気持ちが滲んでいて、余韻が広がっていると思います。(飴屋潤)
○すごーく嫌な気分になりますね。「ろくでなし」のお題でなければ取らないと思います。でも、この世の闇の部分を表現するとこんな感じなのかなとも思います。(うぐいす)
○ちょっとやりきれない気がするけど、そう思わなければたまらないと思う気持ちならわからないこともない。(雪うさぎ)
○自分が運転する車の前に猫が飛び出してきたら、どうしようもないんですよね。「死にたがっていた」、そう思わなければ、どうしても、自分ばかり責めてしまってやっていけないんでしょう。(桃宙)
○化けて出られた日にゃ、耐えられません。怖い系俳句ですね。(圓哉)
○賛否のあった句でした。でもね、その結論の正否を問うのはどうなんだろう? 作者の結論はともかくとして、ろくでなしの一つの有り様として極北を示しているような気がして、いただきました。(タケウマ)
○「いいですね。この身勝手さ!ネコは死にたくなかったにちがいありません。自分の罪悪感を緩和するためだけに生命をこんな扱い。まごうことなきろくでなしです。今回の題の意味を正しく理解した投句といえましょう」(玉虫)
△次点句!!轢いた己が死にたがってたかも、なんて推測してしまう。不思議な句。(なかやまなな)


12.罵りの耐性できて昼酒(mekeke)…9点

◎文句なく真性ろくでなし(雪うさぎ)
◎開き直ったろくでなしは強いですよね。昼酒はうまいものです。(十月水名)
○これはこれから「ろくでなし」へと変貌を遂げるのだろう。その第一段階を切り取っているのだが「耐性」と言う言葉がややこなれてない印象。(前田獺太郎)
○飲んだくれのろくでなしは、こうでなくちゃね!(詠美)
○朝酒で散々言われたけど、もう昼酒のころにはなんでもないよ!(なかやまなな)
○昼から酒を飲むのが毎日ならそれはろくでなしでしょう(笑)。罵られても平気で飲み続けられる、それもまたろくでなし。(紫蝶)
○とりました。いいですね。この構成とリズム、まさに自由律って感じがします。そしてまさにろくでなしですね。ついに人目や罵声すらどこ吹く風で明るいうちから飲むようになってしまった。あとは病院までまっしぐら。(玉虫)


35.また人懐っこい目をゆるしてしまう(前田獺太郎)…8点

◎こういうろくでもない男に女って弱いもんなんですよね。そしてまた泣かされる…。あぁ…。(文月さな女)
◎特選で頂きました。いいですね。今回いかに自分がろくでなしであるかを詠む句が多い中、ろくでなしに愛の視線を注ぐ句はこちら一句のみ。そして自分でも大いに覚えのある光景だったため、非常にぐっときました。ろくでなしに限って可愛らしい笑顔だったりしますからね。あの笑顔に騙されて、早や幾年。これもまた人生ですよね。(玉虫)
○あーもう… まさに身につまされるとはこの事でして……ろくでなし同士の相互依存とでも言いますか。(詠美)
○こういう目には弱いです。(鎌ちゃん)
○どちらも悪気があってやっているわけではないのですが、なんだか後味の悪い想いを詠者だけがしてしまう。心地いい後味の悪さが残る良い句だと思います。(影形)
△ボクは許さないよ♪(タケウマ)


38.振り返らずに美人のままでさようなら(木曜何某)…6点

◎これは背景の物語が見えてくる句ですね。気合を入れて綺麗に別れたこの女性は、きっといい女になることでしょう。(雪兎)
○どちらの目線で見るかで読みが変わりますが、私は「美人」を見つけた人側で読みました。真実は知らない方がいいこともある、ということですね。(うぐいす)
○お互いに振り返らずにいることで救われる思いがあります。うちの近所に後ろ姿の美しい人がいますが、長い黒髪のおじさんでした。なんともいえぬ複雑な気持ちが忘れられません。本当に綺麗な黒髪で後ろ姿が美しいとその顔もさぞ美しかろうと勝手に期待してしまいますが、顔を見て見事に打ち砕かれました。ちょびひげ。どんなシャンプーを使ってどんなケアをすればああなるのか、今はそれが気になって仕方ありません。(mekeke)
○振り返らずに美人のままでさようなら
[選評] 通りがかりにチラ見した美人。もう一度見て美人ではなかったらガッカリなのでそのまま通り過ぎ、その第一印象だけを心に留めて満足しているちょっと情けない男の人…。かわいくもありますねぇ。(文月さな女)
○後ろ姿に見惚れて、顔も見たいと思うのは男の性ですが、ガッカリしたくないからむしろ後ろ姿だけに留めておきましょうという詠者の保険のかけかたのろくでなさは、なかなか群を抜いたものがありますね。(影形)
△振り返らないのは男の方なのか、それとも女の方なのか。ミステリアスではあるが視点がぼやけてしまった感も。(前田獺太郎)
△こちら、当日会場で非常に人気のあった句。いいですね。これは長く付き合ってきた恋人同士が別れる際、女の矜持で泣き顔を見せずに去ったものだ、とする説、いやこれは後姿が美しい女性が、ただ街で人をはっとさせたまま堂々と歩み去っていく景だとする説とで意見が分かれました。わたしは後者かなと思ったのですが、どちらなのでしょう。詠み人の自解を聞いてみたいです。(玉虫)


39.夏海や双子の姉の方が好き(影形)…6点

○双子って、同じようで違う、違うようで同じ、不思議なものです。姉を選んだ決定的なポイントって何だったんだろうなあ。蛇足ですが、私は双子の兄の方と付き合っていたことがあります。(うぐいす)
○これはあれですか?夏湖、夏海姉妹のあれですか?てことは夏湖ちゃんのほうが好きということですか?カンケイなかったらゴメン。(雪うさぎ)
○会場で双子論議を生んだ句♪ ボクは妹のほうが好きだなあ♪(タケウマ)
○顔は一緒の姉妹、それでも姉の方が好きというのは何が決め手だったのでしょうか。性格か、それともフィーリングかな?(雪兎)
◎妹ではなく姉を選ぶ趣味が何だか好きです。年上のお姉さんに思いを寄せている青年を思いながら読みました。そんなに親しくはないんだろうなあ。この双子は一卵性なのか二卵性なのか、私は一卵性の双子の姉妹を思い浮かべましたがどちらで考えてもぐっと胸を掴まれる思いがします。(mekeke)
△好きになると結構区別がつくようになるんですよ。私もFLIP-FLAPのゆうこちゃん(姉)のファンでした。(前田獺太郎)
△いいですね。これもう一句とれるとしたらとりました。昭和育ちの人間なので、どうしても昭和のラブコメを想起してしまいます。きまぐれオレンジ☆ロードとか。ふたりおにゃのこがいて、ほんとはこっちのが好き……って、実際にやったらクズですが、お話的には非常にぐっとくるシチュエーションですね。(玉虫)


49.面食いの和尚の右手なめくぢり(タケウマ)…6点

◎右手がナメクジみたいだということでしょうか。いいですね、和尚をナメクジに見立てたのがすばらしい。いい句。(木曜何某)
○なめくぢりにどうにも淫靡な雰囲気を感じてしまいます。和尚の手癖の悪さは既に皆が知っていることなのかもしれない。和尚の好みが気になります。好みの檀家からは布施はそんなにとらないんだろうな。むしろいろいろあげちゃうくらいの。ううん…煩悩渦巻く寺…潜入してみたい。(mekeke)
○これはイヤだ。なめくじり、っていう動詞、どっちかなと思うんですけど、ええとつまりこれは、面食いの和尚の右手をぞろーっと舐めてやったってことなのか、それとも、面食いの和尚の右手がなめくじのようにいやらしい手つきで這い回った、という意味なのか。どちらのせよ非常に湿った情景でイヤになりますね。強烈すぎて思わずとってしまいました。(玉虫)

16.青嵐や男児まっすぐ放尿す(梶原由紀)…5点

◎何たってこの清々しさ。子供の頃、立ちションに憧れて何度も練習しました。ああ、こんなふうにまっすぐ飛ばしてみたかった。いたって健全健康な男児。このまま成長してほしいものです。(うぐいす)
◎文句なしの特選です♪ 青嵐に挑むかのように放尿する青年男子。ああ、若さっていいなあ♪ 「青嵐や」と切れ字で切っているので、どんどこ放出される尿を青嵐に見立てたという読みも可能ですが、ボクはやはり、強風に負けない勢いある姿を見てみたいですね。類想があるのではとの意見もあったけど、この突き抜けた勢いは唯一無二なんじゃないかなあ♪ ちなみに、二次会で風牙さんもご指摘されていたけど、俳句の季語としては「青嵐(せいらん)」はあまり使わないんですね。「青嵐(あおあらし)」でよかったんじゃないかな。(タケウマ)
○確かに類句・類想句がありそうですが、仲夏の強めの風にも負けない放尿に無邪気さと健康さを感じます。清涼感を感じる句です。(飴屋潤)
△句会当日非常に話題になった句。皆とてもよいと。同時に「青嵐(せいらん)」という季語が気になるという意見が多数でした。あおあらしと読ませた方がいいのではないかと。わたくしは個人的に「青嵐(せいらん)」という季語が好きなので、このままでよいと思う。このように一語を徹底的に吟味するのは俳句の面白味と思います。考える機会をくれた句ということで、非常に印象に残っている良句です。(玉虫)


10.薔薇園に閉じ込められたのはどちら(うぐいす)…5点

○薔薇園は、恋かなと思いました。(jirotyo)
○ふたりとも閉じ込められているのに、それでも「どちら」と問答してしまう面白さ!(なかやまなな)
○怖い系俳句が今回は気になりました。(圓哉)
○謎めいていて面白い句です。どことなく不吉な物語の始まりを感じさせますが、ある種の美しさに彩られたものであることは間違いないでしょう。(雪兎)
△いろいろ想像するのが楽しい句ですよね♪ 薔薇園に閉じ込められるとどうなっちゃうのでしょう? でも、どちら?と聞いているのですから、ぱっと見ではわからないのですよね… なにが起こったのか…(タケウマ)
△いいですね。一瞬自由律かと思ったのですが、よく見ると有季定型でもある。おとぎ話の恋物語みたいな雰囲気が好き。薔薇の垣根がずっと続く迷宮を想起しました。(玉虫)


24.返ってくる気で投げて待ってた(mekeke)…5点

◎悲しい…でも、分かり過ぎる位分かります。一人芝居あるある。(詠美)
△十代の頃のシンプルな世界観を信じていた自分を思い出させるような。甘酸っぱいです。(前田獺太郎)
○あまりにも簡素過ぎる??と最後まで悩みました。でもやはりとりたくて選ばせていただきました。自分ごとで言えば"返さないと思っているだろう球を全力で打ち返して"しまうタイプなので凄く寂しい状況に呼ばれました。(琳譜)
△これは愛の言葉かな、と思って読みました。恋する相手への告白にせよ、身近な家族への呼びかけにせよ、返してもらえなかったか……うん、でも、愛は伝えた方がいい。めげずに伝え続けましょう。わたくしもそうします。(玉虫)


31.客引きの背の大汗と行く奈落(タケウマ)…5点

◎単なる風俗店探訪じゃない、怖さを感じてしまいます。どこに連れていかれるのか、不安が増大していきます。怖い俳句ですね。(圓哉)
○客引きに声かけられて、酔った勢いで付いていく。目の前の男の背中に付いていくと、気付けば人通りのない路地に誘わてしまう。どこに連れて行かれるか、なんだか恐ろしい気持ちになってきます。ま、「奈落」でしょうね。(飴屋潤)
○奈落とわかっているのに客引きの男の背中にふらふらと付いて行ってしまう男。なにやってるんだと小突いてやりたくなるろくでなしですね´д` ;(文月さな女)
△貴重な新宿感。汗して働く客引きと騙されるリスクを百も承知でついていく客。「勤勉なクリミナル」という歌の文句を思いだした。(前田獺太郎)
△これはアレかな、風俗とかの呼び込みについていっちゃう的な光景ですね。B1とかの店っぽいですね、地下の店舗。熱いので呼び込みの背中が汗でぐっしょり濡れていて。でも風俗遊び程度じゃ奈落って程でもないか。これは何の客引きなのか。実に気になるところです。(玉虫)


43.面食いと笑ってやった男の妻はわたくし(うぐいす)…5点

○屑句会らしからぬ微笑ましい句ですが、無い物ねだり故惹かれました。(詠美)
○「わたくし」としたところが面白いですね。得意げで満面の笑みが目に浮かぶ楽しい句です。時がたてば顔よりもそれ以外の部分(性格とか、他のフェチとか)に魅力を感じていくものだと思いますが、やはり面食いだから「わたくし」を選んだんでしょとしたい女性の素直な気持ちが表れているようです。(飴屋潤)
○この妻は本当に美人なのか、それともそんなに綺麗ではないのか・・・おそらく後者だと思います。妻の過剰なまでの自信に可笑しみがあって良いです。(紫蝶)
△面食い野郎の妻は! わたくし! と、いうことは、わたしは美しい!! ってことですね。いいですね。このような自画自賛が嫌いな人もいらっしゃいますが、わたくしは好きです。きっと仲のよいご夫婦なのでしょう。「わたくし」なのもいいですね。ちょっとしょってる感じ。(玉虫)


05.溶けた歯を吸い合う夜の螢かな(タケウマ)…4点

○それぞれにいろいろあった二人、傷をなめ合うが如き刹那的な愛の形が見える。(前田獺太郎)
○意味をあまりうまく取れなかったのですが、とても気になる句だったのでとらせていただきました。溶けた歯。(木曜何某)
○高齢なのか。相手の顔、はっきり見えてなくて、相手は美男美女だと互い思い込んでてほしい。(なかやまなな)
△これは薄幸そうですね。蛍は本物の蛍ではなく、屋外で吸う煙草だったり、はたまたすぐ死ぬものの例えであるような気がします。新宿の汚い路地裏のジャンキーカップルのイメージ。「歯を吸い合う」が非常に気持ち悪くて印象に残ります。(玉虫)


08.空が青いろくでなし(琳譜)…4点

◎やることもやらずただひたすら散歩をして、ふと空を見上げ、自分を振り返るような。
自分がろくでなしであることを認識したものの、それをどうこう言い訳しない潔さが良いですね。(影形)
○ややダークな印象があるろくでなしですが、青空の下にも生息しています。四六時中ろくでなしなのでしょうか。(十月水名)
○とりました。ちょっと投げっぱなしで説明不足にも感じますが、世界観が好きだな。これは空が青い/ろくでなしと切れるのかなと思いました。ものすごくいいお天気のある日、青い空を見ながらイラァッと思い出し怒りする。そして独り言で思わずろくでなし、と呟く。そういうことかなと思いました。こちらも詠み人の自解を聞いてみたい。(玉虫)
△越路吹雪!!(なかやまなな)
△どこで切るかを考えると楽しいです♪ ボクは「空が」「青いろくでなし」と読みました。「青いろくでなし」って、なんかいいよね♪(タケウマ)


09.ジャングルジムと十回言わせる大人(十月水名)…4点

○どこかエロさを感じるのは僕だけでしょうか。意味の分かっていない子供に卑猥な言葉を言わせていると感じたのは僕だけでしょうか。(木曜何某)
○これはね、ジャングルジムと10回言ってみるとさらに面白くなります♪ もうそれだけで面白いので、最後の「大人」はなくてもよかったかもしれませんね。(タケウマ)
○取ったんですがやな大人だなぁと。ジャングルジムで遊ぶ子供の邪魔をしてるんでしょうね。(雪兎)
△見た瞬間ふっと笑ってしまった句。面白い。こういうことを子供にさせて、一体何がしたいのか。真剣な眼差しでジャングルジムと唱え続ける少年が目に浮かんで、気の毒に思いました。(玉虫)


13.気になる子もムカつく奴も左利き(木曜何某)…4点

○麻丘めぐみの『わたしの彼は左きき』を思い出しました。ムカつく奴も気にはなってるのかもしれませんね。(北大路京介)
○気になる子とムカつく子の関係が、気になるのでしょうか。その二人が左利きで、共通点があるところが羨ましいという気持ち。左利きの人なんてなかなか居ませんから。(桃宙)
○本人はむかついても、周りは笑っちゃうほんわかさせる佳句です。(圓哉)
○左利き用の特殊な道具を、好きな子と嫌いな奴が貸し借りしているのを気になってそうです。(雪兎)
△ボクも左利きです♪(タケウマ)
△いいですね。ほのかな嫉妬が感じられる。左利きって少数の選ばれたひとって感じがしますよね。アーティストタイプとかよく言われているし。で、好きな子と嫌いな奴が同じ特性を持っている、と。だからってどうということもないのですが、ほのかに気に入らない。こういう微妙な感情を的確に捉えた句で非常に面白いです。(玉虫)


46.面食いの部屋に首のない地蔵(北大路京介)…4点

○お地蔵さんの面まで食べてしまった?(鎌ちゃん)
○不気味な句ですね。ナルシストの部屋にあるのなら、まだ分かるのですが…(十月水名)
○そこに据える美しい首を探しているのかも。そう考えるとこれからの季節にぴったりな一句でもあるように思えます。美しい首を探して彷徨う男、もしくは女。同じ題で違う角度からの句も見てみたいと思いました。(mekeke)
○とりました。呪術的な雰囲気に惹かれました。面食いの、部屋に! 顔のない地蔵ですよ?? いったい何がしたいんだこの面食いは。このように考えると、面食いというのはもはや呪いなのだということがよく分かります。何と業深い。共に面食い道を邁進してまいりましょう!!(玉虫)
△おもしろい♪(タケウマ)


01.朝起きてすぐ細川ふみえを検索(藤井雪兎)…3点

○作中主体にとって、朝のスタートは元グラビアアイドルを検索することである。
夢に出てきたかは定かではないが、朝から煩悩に支配されている姿が面白い。また、検索対象が10代20代の売出し中のアイドルとは違い、テレビであまり見かけなくなった「細川ふみえ」である点も秀逸である。(梶原由紀)
○懐かしくて、微妙にエロくて、不幸オーラが出ていて、句にするのには最適な人物だと思います。(桃宙)
○いいですね。何しろ細川ふみえがいいです。薄幸そうでインパクトがあります。ここは壇蜜じゃダメです。(玉虫)
△採りはぐりました♭ というか、人気句になるだろうから、ボクが採らなくてもいいよねと思ったりしていました。「細川ふみえ」が絶妙なんだけど、なんかね、面白過ぎる気もしたのね♪(タケウマ)


04.アル中もシャブ中もハッピー夏祭(詠美)…3点

◎倫理観や法的なことはさておき、とても楽しそうな情景だ。ハッピーの響きの能天気さが、句の情景によく合っている。「アル中」「シャブ中」のポップな響きも、カラッとしてよい。彼らは年中いると思われるが、夏祭の暑くてテンションの高い状況下において最もろくでなし感を発揮するのではなかろうか。(梶原由紀)
○とりました。いいですね。みんなハッピーならそれはよかった。きっとボロボロの歯を剥き出して甲高い声で笑って楽しんでいるのでしょう。毎日お祭りだといいのに。ほのぼのとした世界です。(玉虫)


34.家族よりもビジネスが大切で星きれい(鈴木桃宙)…3点

◎企業戦士の悲哀がにじみ出ていますね。(鎌ちゃん)
○これも成功者系ろくでなしですね。普通のサラリーマンの様な仕事と家庭の両天秤でなく、ビジネスのためなら身内も売り飛ばす位の勢いの。「星きれい」のすこしとってつけた感が残念。(前田獺太郎)
△これはさみしい。一日の仕事を終えての帰り道かな。きっとこの句の中の人物も、最初は家族を幸せにするために仕事に精を出していたにちがいありません。それが、いつの間にか、家族を顧みない者という烙印を押されてしまい……いつか分かり合えますように、と、手に汗を握るしか術のないわたくしでございます。(玉虫)


03.きっぱりといい嫁キャンペーン終了しました(小笠原玉虫)…2点

○"きっぱりと"が良いですね。旦那か義理の親かに腹を立てて堪忍袋の緒が切れた感じがします。きっと姑でしょうね。いい嫁を演じるのも限界がありますよね。キャンペーン終了までおつかれさまでした。(北大路京介)
○いいですね♪ 自分に正直なお嫁さんですね♪ これから本当の姿で展開される嫁の言動に目が離せません♪(タケウマ)
△延長なしです!きっぱり(なかやまなな)
△わたくしの句です。ええ、やめました。何と言われようとも二度と戻る気はありません。(玉虫)


11.人の住めない土地に季節流れている(北大路京介)…2点

◎読んでそのままですよね。すっと伝わる簡素に纏まった言葉に風の音がしました。(琳譜)
△原発句かなと思いました。数年前に立ち入り禁止区域の里山の風景が、写真に撮られて非常に話題になったことがありましたよね。いつものような穏やかな秋に見えるのに、人が立ち入れないくらいに放射能で汚染されている、という。わたくしも高濃度汚染区といわれる土地に住んでいるため、看過出来ない問題であります。わたくしも反原発の声、上げ続けていこうと決意を新たにしました。(玉虫)


19.特にしゃべることもなく猫とふたりきり(前田獺太郎)…2点

○猫ってお話したら喜びますよね。でも何か適当な言葉を発する事より撫ぜることで時間を過ごしたい時もある。だけど一人じゃない時間。そして「きり」な時間。説明の上手く出来ない時間がここに詠まれていました。 (琳譜)
○今Twitterでよくラーメンズの片桐仁さんが裸で犬抱いてる写真がアップされていて。なんかそれを思い出して、シュールだなーと。(なかやまなな)
△いいですね。しあわせの瞬間と思います。一緒にいるだけで満たされる時間。末永く続きますように。(玉虫)


26.このあと会いたいと隣の彼に送信(梶原由紀)…2点

○合コンとかの風景かなあ。軽い恋だとは思う。(jirotyo)
○さて、隣の彼はどのように答えるのでしょうか。同じようにメールか、それとも皆が見てる前でいきなり抱き寄せるのか…(雪兎)
△あ~、ろくでなしですね~♪ 成功を祈ります♪(タケウマ)
△いいですね。これはろくでなしなんかじゃありません。次の行動に出ることの出来た勇気ある女性ということが出来ましょう。わたくしは「抜け駆けしたー!」と泣く女性よりも、こういう女性の方が好きです。二次会は是非ふたりだけで!!(玉虫)


50.黴の宿面食いたちの逃避行(紫蝶)…2点

○面食いたちをカップルと読んでもいいんだけど、ボクは面食いの団体さんがツアーを組んで逃避行をしていると読みました。なにから逃げているのか、なんで集団で逃げるのか全然わからないんだけど、逃げ落ちた先が黴の匂いのしょぼい宿ってところがなんともツボにないってしまいました。みんな、ちんまりしながら面食いである悲しみを見つめているんじゃないかな~♪(タケウマ)
○とりました。いいですね。自称美男美女の不倫逃避行のイメージ。黴くさぁい宿に泊まって何て美しいわたしたちってやってるんでしょう。本人たちは幸せそうですが、じわりと恐怖を覚えます。地縛霊のいる恐ろしい部屋に泊まっていそう。読み手の想像を掻き立てる面白い句であります。(玉虫)


51.目出し帽ならもっと好き(十月水名)…2点

◎そういえば、元カレが、バイクに乗るとき目出し帽を被っていたなあ(笑)。確かに、あれで見つめられたらドキドキ…というかギョッとするかも。そのままでも、素敵な人なのでしょうけど、「目出し帽」ってところが、ものすごくマニアックだと思います。(桃宙)
△屑句会名物、変態句ですね。変態感を追求するなら「レッドドラゴン」のパケ写のような口元だけ出したタイツ的な方が好きです。(前田獺太郎)
△なんで、とらなかったのかな~♪ いまになってジワジワ来てます♪(タケウマ)
△Slipknotのヴォーカル、コリー(=なかなかイケメン)が大好きなわたくしですが、ストーンサワー時の彼はそう好きでもない。つまり、わたくしはコリーの素顔よりもお面を愛しているわけです。なので、この句が言わんとしていること、分かる気がするのです。目出し帽は防寒具であり仮面ではありませんが、仮面のパラドックスとは何ぞや、と問われた気が致しました。深い句です。(玉虫)



第七回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^) …その2

1点~無点句はこちら! 力作揃いです。

コメントのたくさんついている句は、皆様の印象に残った句ですね♪ 流石です!

どうぞご堪能くださいませ( ^ω^)♪


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02.栗の花独り遊びのろくでなし(紫蝶)…1点

○いいですね。梅雨時のじめっとした感じが如何なく発揮されています。この手の独り遊び、わたくしは個人的には少しもろくでなしと思いません。詠み人は自嘲気味なのでしょうか。キミは大丈夫か。ちょっと気になります。(玉虫)


17.草笛や腕白坊主の独り泣き(鎌ちゃん)…1点

○泣き顔は見られては負け。早く泣きやまなければと気晴らしの草笛。しゃくりあげた息が聞こえてきそうです。(琳譜)
△草原で元気な少年がこっそり泣いているイメージ。いいですね。夏の熱い草の匂いを感じました。夏休みの草原は永遠の思い出です。(玉虫)


18.食費削って妖怪ウォッチ(文月さな女)…1点

○心霊スポット巡りが趣味の人かなあと。食費を削ってまでやるその心意気に頭が下がります。そういえばそろそろ夏ですね。(雪兎)
△どうしても欲しかったのだから仕方ありませんね。ちなみにわたくしは、食費を削ってでも欲しいものってあまりなくて。なのでちょっと羨ましく思います。あと、こちらの句はリズムが好き。全体的に短い句ですがテンポよくトントントンといく感じが気持ちよい。好きな句です。(玉虫)


27.とりあえず愛してるって言っておく(文月さな女)…1点

△ろくでなしの欺瞞とも取れるけど、ツンデレな愛情表現とも取れるのですこしブレた印象。(前田獺太郎)
○「私のこと愛してる?」と聞いてくるのに対して、面倒くさく思いつつ「愛してるよ」と答えておく。聞いてくるほうが愚かなのか、とりあえず返答するほうがいい加減なのか・・・。(紫蝶)
△最近言わなくなったのは、本当に君を愛しはじめたから~ゴスペラーズ!!(なかやまなな)
△愛がなくとも愛してると言える。ろくでなしかもしれないけど、平和主義のろくでなしということが出来ますでしょう。角を立てないろくでなし。これは俳句としてここで終わらせてもいいけど、七七を加えて短歌にしてみても面白いかもしれない。(玉虫)


28.白牡丹常套句もて女捨つ(うぐいす)…1点

○白牡丹常套句もて女捨つまあ、別れの言葉を考えるのもめんどくさいほどたくさんの恋をして捨ててきた人なんでしょう。綺麗な男だと思います。(jirotyo)
△常套句で女を捨てる方が「白牡丹」なのかな? と思いました。顔のいいろくでなしはほんと始末に負えないですね。有季定型句としては好きな感じです。「女捨つ」みたいな言葉、どんどん有季定型にぶち込んでやりたいと常日頃考えているわたくしには非常にぐっとくる句です。(玉虫)


30.稼ぐのに言い訳がいるソープ嬢(詠美)…1点

○この嬢は純粋に仕事が好きで、でもそれでは世間体が悪いから、何かうまい言い訳が必要だったのかもしれません。(雪兎)
△十七文字で気持ちよくまとまっています。句意としましては、ソープ嬢をやるにあたってもっともらしい理由が必要だった、ということでしょうか。例えば、親の借金の返済のため……みたいな。思うんですが、こういう理由づけを必要としているのは、実はソープ嬢ではなく客の方ですね。こんないい娘が何故……とか、逆に、彼女は本当にHが好きでこの業界に入ったんだって、とか。んなわきゃねぇだろう金だよ金、とつい突き付けてしまいたくなるわたくしの心は濁っている。だが真実は時に嘘よりも濁って見えるものですね。客と嬢とのすれ違いを見事に切り取りました。面白い句です。(玉虫)


32.一頁ニ三頁と若葉風(飴屋潤)…1点

○心地良い若葉風を感じます。(鎌ちゃん)
△気持ちいい風が吹いてきます♪(タケウマ)
△いいですね。綺麗な定型句。爽やかな風が読みかけの本のページをめくっていった。ところで屋外での読書って結構眩しいですよね。目に優しい日陰で読書なさってるといいなと思います。(玉虫)


36.鼻に豆詰めて飛ばそうとしたら取れなくなって耳鼻科行き(紫蝶)…1点

○おー、梅ちゃんサイコー♪(タケウマ)
△それは恐ろしい……とれなくなると焦りますよね。わたしはそうなるのが怖くてやったことありません。教室でちびた消しゴムが鼻の穴からとれなくなって泣いた小林道彦くん(仮名)、お元気ですか。わたくしは立派な屑になりました。(玉虫)


40.菴摩羅を頬張る頬を愛すなり(影形)…1点

○マンゴーを頬張っているのですね♪ ちょっと仕掛けが見え見えだけど、あえて引っかかってみました♪(タケウマ)
△いいですね。マンゴーを口いっぱい頬張ってモゴモゴしているその頬っぺたが可愛いのでしょう。けれども句会当日は「摩羅」に引っ掛かっちゃって会場一時騒然となりました。あっちは魔羅ですけどね。(玉虫)


41.宵涼し乳房を愛す自由など(影形)…1点

○「など」で鑑賞の幅が広がりますね。本当は嬉しくてたまらないのに、それを相手に気付かれたくないのか、それとももう乳房に飽きてしまってるのか。「宵涼し」なので、あまりガツガツした感じはしませんね。(雪兎)
△いいですね。乳房を愛す「自由」ってわざわざ言ったところをみると、これは本来愛してはいけない乳房なのか。これは百合っぽい情景のような気がします。性に目覚めかけの10代前半の少女が睦み合っている。そう考えるとわくわくしてきませんか。(玉虫)


47.面食いがつついてゆれる苔の花(藤井雪兎)…1点

○なかなかいい人が見つからず、苔を遊び相手にしているのでしょうか。どこかさみしい絵ですね。(十月水名)
△苔の花、可愛いですよね。好きです。面食いというと蘭など華麗な花が好きそうですが、ちいさな苔の花を愛でている。そっと突いたりなんかして。これは出来る面食いですね。(玉虫)


53.面食いが涅槃で待つ二丁目サザエ(詠美)…1点

○「二丁目サザエ」にやられました♪ いや~、意味わかっているわけじゃないんだけどね~♪ 沖雅也やいつの間にかサザエさんになっていてスゴイな~と♪(タケウマ)
△この二丁目は新宿かなと思うのですが、ん、サザエ??? 正直句意がよく分からないのですが、ゴリッとした得体の知れない恐怖を覚えます。涅槃で待つ……とは……ノンケさんが二丁目的官能を知って涅槃に入った? というのは考えすぎですかね?(玉虫)


54.面食いの定義拡げた結婚式(琳譜)…1点

○人間の信条って意外と当てにならないもんですからね。まあ本人が良ければいいんじゃないでしょうか。お幸せに。(雪兎)
△結婚するのに顔に関しては妥協したのかなぁ。おもしろいです。5句選べるなら選んでいました。(北大路京介)
△妥協ではない!  決してない!(なかやまなな)
△意地悪ですね♪(タケウマ)
△これはまぁ何と意地が悪い視線でしょうか。常日頃から面食いだと豪語していた男? 女? の結婚式に出てみたら、あら、配偶者は……ってことなんでしょうね。それをさらりと「面食いの定義拡げた」などと表現してしまう。いやはや面白い。招待客同士がひそひそと笑い合う様が目に見えるようです。人間の暗黒面を十七文字で見事に切り取りました。(玉虫)


55.お前が仔猫のような泣き声で軋むベッドの上にいてもアメリカンショートヘアじゃないと嫌だよねと言ってしまう俺を許して(なかやまなな)…1点

○ 「アメリカンショートヘアじゃないと嫌だよ ね」は照れ隠しかと思った。
しかし、「いても」が前半にあることから、恐らく本気でアメリカンショートヘアを望んでいるのだろう。軋むベッドにお前を乗せ、かつ仔猫のような泣き声をあげられている状況で言ったと思うと、面白い。(梶原由紀)
△許さない♪(タケウマ)
△イヤだよ、許さないよwww オレは尾崎が嫌いなんだよ!! いやでも、仔猫のような泣き声で軋むベッドで頑張ってたのに「でもアメショーじゃないからね……」と言い放ってしまう残酷さはツボであります。ざまぁみろ!! 何とはなしにスカッとする良句ですね!!(玉虫)


58.面食いの背中へ後ろから飛び蹴り(jirotyo)…1点

○人間、顔じゃ無いよ!心だよ!背後からわからないように飛び蹴りを入れたくなる気持ち…なんだなぁ。(文月さな女)
△蹴りたい背中、、、(なかやまなな)
△気持ちはわかります♪(タケウマ)
△これはもう面食い許すまじって気持ちが燃え盛りながら突き刺さってきますね。いやいや、許してあげましょう。いくら面食いでも美しいかたから受け入れられるとは限らないのですから。そう思うと、なかなか茨の道ですね。(玉虫)


06.ホットケーキマシュマロ乗せメープルシロップはかけるべきか(鈴木桃宙)…無点

△ボクはかける派です♪(タケウマ)
△かけましょうかけましょう。「全部乗せ」は正義!! ホットケーキにかけていけないのは偽物の生クリームだけです。いやね、最近そういう酷いホットケーキ食わされたもんだから、つい……(←まだ言ってる)(玉虫)


07.ろくでなし打った頭で我を知り(鎌ちゃん)…無点

△ろくでなし、と誰かを罵りたくなり、ふと振り返れば自分もそうなのではないか、と思ったということなのかと思うのですがいかがでしょう。「打った頭で」の部分がちょっと分かりませんでした。どういうことなのでしょう?(玉虫)


14.カレーパンのパンと嘘をつく(十月水名)…無点

△カレーパンのやーつ!(なかやまなな)
△どういう嘘なんだ(笑)。つかなくていい嘘、そして罪のない嘘という気がします。そして、「どうしてこんな……??」と、果てしない疑問符で頭がいっぱいになってしまう。何かよく分かんないんだけど気になる。どういうことなのかずっと考え続けてしまう。このことこそが詠み人の狙いなのでしょう。やられました。(玉虫)


15.紫陽花や寂しげ華やかろくでなし(圓哉)…無点

△こちら、ちょっと句意が分かりませんでした。紫陽花が華やかでいて寂しげだというのは分かる。それがどうしてろくでなしなのかな? 華やかだけど寂し気なろくでなし氏を紫陽花に例えたということかしら。紫陽花っぽいろくでなしって何かスゴいなと思います。(玉虫)


22.短夜やストロウ一気で反吐まみれ(飴屋潤)…無点

△あ、あぶない、一気はやめましょう>< これはやらせた方がろくでなしと思います。(玉虫)


23.みじか夜やあした何時に起きてもいいよ(小笠原玉虫)…無点

△わたくしのです。前に武玉川をちょっとやってみようと思ったときに作ったやつに「みじか夜や」をくっつけてみたという。ちょっと安易だったなと反省。(玉虫)


25.枕辺をかひよかひよと通す月(琳譜)…無点

△す、すみません、全く意味が分かりません……><「かひよかひよと」ってどういう意味なんだろう?(玉虫)


29.鉄の女と重ね合わせてろくでなし(圓哉)…無点

△サッチャー!  何を重ねあわせたんだろう。、、、唇、、、(なかやまなな)
△句意がよく分かりませんでした。鉄の女=サッチャーさんしか思い付かなかったのですが合っているかな? 立派なサッチャーさんと重ね合わせることが何故ろくでなしなのか。サッチャーさんの如く鉄の女として生きたいが現実は……ということなのかな。それとも、しっかり者の奥さんをダメ亭主が「鉄の女」などと呼んで揶揄したのか。あ、最後の解釈という気がしてきました。亭主がろくでなし。これでスッキリ分かった気になっていますがいかがでしょう? こちらも是非詠み人の自解を伺ってみたいです。(玉虫)


33.くすねた金で刷った詩集に寝床圧迫されている(北大路京介)…無点

△痛い(なかやまなな)
△ろくでなしの末路でしょうか♪(タケウマ)
△それは悲しい。くすねるまでして手に入れたお金で刷った詩集なのに、その売れ行きは……ってことなのですね。そしてこのダメっぽさがほんと詩人って感じがする。何とかして配ってしまえるのいいのですが……先ずはTwitterで呼びかけて、お友達に無料でプレゼントしちゃいましょう!!(玉虫)


37.あたし面食いあなた麺食い(雪うさぎ)…無点

△あ、あら。面食いな男に憧れたものの、彼の方はこちらは眼中になく、何も気付かずに麺を啜り続けていた、ということなのでしょう。この断絶感が自由律俳句って感じがしますね。そしてこの麺はラーメンという気がする。雑誌を熱心に見やりながら一心不乱に啜っていそう。(玉虫)


42.笑点に福山雅治がいない薄暑(鈴木桃宙)…無点

△あれっえっと……そもそも福山雅治はいなかったような気がするのですが、いかがだったでしょうか。ここ20年くらいまともに笑点を観ていないので自信がないのですが。笑える句と見せかけて不安を惹起する問題句。やりますね!(玉虫)


44.ハンサムに丸してイケメンは見えない(mekeke)…無点

△これは正統派ハンサムは好きだけど、現代の「イケメン」とやらはどうも受け入れられない……ってことだとしたら、共感。昭和のドハンサムに比べたら、近頃のイケメンとやらは、ちょっと中性的で線が細すぎるような気がしますよね。と、解釈したのですがいかがだったでしょうか。正直に申し上げると句意を掴みかねました。あと少し説明が欲しいところです。(玉虫)


45.麺食って麦を取ったら面食いじゃん(文月さな女)…無点

△レトリック的面白さですね。そして「じゃん」って突き放しているところに、詠み人が面食いをどーしよーもないと思っている事実が明確に表れています。お前が面食い? どーでもいーわ……と突き放されるこのさみしさ。ハァハァ。ごっつぁんです!!(←ドМ)(玉虫)


48.夏柳揺るゝリズムで顔舐める(飴屋潤)…無点

△柳の木の下でいちゃつくカップルの景かなと思うんですが、わたくしにはこれはどうしても男女と思えない。BLの匂いを感じてしまうのは何故なのか。でも舐めるリズムを柳の揺れに合わせる必要はないんじゃないか、と、心が千々に乱れます。悩ましい句です。(玉虫)


52.それでも顔で選びたい白百合(小笠原玉虫)…無点

△はい、わたくしです。それでも顔で選びたいんですよ……結婚までしていろいろあったにも関わらず……顔、顔が、いいんです。顔が。(玉虫)


56.あばらの骨は一巡してるけど顔は折れたことないの(前田獺太郎)…無点

△いいですね。これは面食いってよりはナルシストですね。おネェ言葉でケンカの弱い、顔の綺麗なチンピラのイメージ。ボッカボカ殴られまくって折れたことない肋骨は1本も残ってないけど、顔だけは殴らせないわョッ! これはひとつの矜持ですね。なかなか天晴れと思います。見上げた根性です。面白い句。(玉虫)


57.面食いの面を剥がして夏の風邪(鎌ちゃん)…無点

△人体模型って皮膚剥がれてる側のほうがイケメンだったりしますよね(なかやまなな)
△これはひどい風邪ですね。オレ面食いだから……なんてスカしていられないくらいに具合が悪そうです。自称面食いが顔をくしゃくしゃにしながら夏風邪に苦しむ。何とも業深い光景です。かくも人生は美しい。そして五七五でスパッとまとまっていて好印象。「面を剥がして」の部分は読む人によっていろんな解釈が出来そうですね。(玉虫)



2014年4月6日日曜日

第六回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^) …その2

1点~無点句はこちら! 力作揃いです。

どうぞご堪能くださいませ( ^ω^)♪


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03.睦む雲去りレグルスの真っ裸(梶原由紀)…1点


○大変いいです。春の空にまばゆく輝き始めたレグルス。それを真っ裸と表現したのが詩的です。そう、レグルスは星の名前ですよね。これが分からなかったので皆さんとらなかったのかなと思いました。皆が知ってる星の名前だと伝わったかもしれない。明星とか。でもここはレグルスを使いたかったんですよね。分かります。(小笠原玉虫)


09.チンピラに刺されたような木の芽時(北大路京介)…1点


○チンピラと木の芽時の響き合いを買いました。チンピラを刺していれば特選に推していたと思います。(天宮風牙)
△風牙さんに同意! わたしも刺されてしまったほうがいいような。こういう悲劇が、春にはまたとてもよく似合います。刺されてドシャッと崩れ落ちる方もまたチンピラで、その背中にどんどん花吹雪が降り積もってゆくのでした。(小笠原玉虫)


10.雛祭晴れて戸籍に×印(紫蝶)…1点


○離婚は不幸なことと決めつける時代は終わりつつあるのかもしれません。(藤井雪兎)
△いいですね。これは晴れやかな気持ちで離婚してそう。夫と別れてワンルームで一人暮らしというかたちで新生活を始めた元妻。結婚したときも実家から持ってきた雛人形を、そうだ出してあげましょうとがらんとした部屋に麗しく飾り付けてせいせいした気持ちでいる姿が目に浮かぶようです。キミの未来に幸あれ。(小笠原玉虫)


16.木の芽時乳差す指の丸さかな(なかやまなな)…1点


○いろいろな解釈の仕方があると思いますが、『指の丸さ』という所から、ガールズラブ(女性同士の恋愛)を想像しました。木の芽時は、精神状態が不安定になりやすい季節とも言われています。こういう時に、陥った禁断の関係。少しどきどきします。(鈴木桃宙)
△上記↑桃宙さまの評、面白いですね! 成る程、ガールズラブ。わたしは育ちのよい男の愛人というふうに読みました。貴族っぽいたおやかな指なのかなと、男なのに。色白でふっくらした、お坊ちゃん育ちの愛人。これは詠み人の自解を伺ってみたい。(小笠原玉虫)


19.独り身や山羊啼く度の春愁ひ(小笠原王虫)…1点


○山羊の鳴き声って切ないような気にさせられる事がありますね。独り身の寂しさと
春愁と山羊の鳴き声、3点の相乗効果が素晴らしいです。(紫蝶)
△田舎で、いつまでも嫁さんを貰えないまま四十七歳くらいになっちゃった男性の景かなと思いました。こののんびりした雰囲気は休日でしょう。しかも、日曜の十六時くらいって感じがします。日が傾きかけている。ああ、休みも終わる……メェェ……あ、ふと、さみしい。これは物憂いですね。(小笠原玉虫)


22.春嵐着ぐるみの中真っ裸(紫蝶)…1点


○全裸であることを周りは気づいていないというシチュエーションにひかれました。握手をしても真っ裸、子供に手を振っても真っ裸、かわいいポーズをとっても真っ裸、ボクならなにかするたびににやにや呟いちゃいますね、着ぐるみの中で♪(タケウマ)
△これはスゴい。スゴい句です。着ぐるみの中真っ裸! 何という発想かと思いました。着ぐるみが完全にアリバイになっています。でも、可愛いその姿の中は真っ裸。こんなやつを子供に触れさせるのはいかがなものであろうか、などと義憤にすらかられそうになります。この不道徳感最高。(小笠原玉虫)


27.うずくまる蝶のこめかみ思い出し(十月水名)…1点


○昆虫の蝶なのか化粧してる夜の蝶なのか。後者だと思って、殴ったか殴られたか。
とにかくテンプルパンチ食らったんでしょう。トラウマになってるのかな。(北大路京介)
△蝶のこめかみとは、、、と考えてこんでしまいました。が、この雰囲気、好きです。(なかやまなな)
△こちら、自分では意味が分からないなと思っていたのですが、京介さんの評面白いですね。DVを受けている水商売の女性の景とすると、悲しく、また生々しい作品です。お酒の匂いがしてくるようです。(小笠原玉虫)


35.おちんちん欲しがる裸の女の子(パラレル)…1点


○挿入してほしいのか、それとも自身につけたいのか。前者だったら、正直、取りたくありませんが、後者だったらすごく良い。「欲しがる」の意味をどう捉えたかによって、女性同士の恋愛という見方もできますね。女性目線で、裸の女の子を見ている戸惑いと、罪悪感。愛する女性の女性器に、一番感じる場所を入れたい。擬似性器では物足りない。いやらしさの中にも、そんな切ない思いが伝わってきました。(鈴木桃宙)
△あ、そうか、挿入してほしいとも確かにとれますね。わたしは小さい女の子が、どうしてわたしにはお兄ちゃんみたくおちんちんないの!って言ってるってことなのかなと思っていました。うむー。確かに挿入してほしいって意味だったらやだなぁ。俳句としては「で?」って問い返したくなる感じ。幼女だったら俳句として成り立つと思うけど、皆様はどうお考えでしょうか。(小笠原玉虫)


54.暖かくなって秋の服を着ている(木曜何某)…1点


○服装で心の内面を表現している。(前田獺太郎)
△分かる。わたしもあまりおしゃれさんでないので、秋の服と春の服は一緒だったりします。ほんとは春はもう少し明るい色とか着たいんですけどね。(小笠原玉虫)


04.エロ本をママがみつけて春の雷(小笠原玉虫)…無点


△はい、わたくしのです。うそぉ!? 無点!? ちょういいと思ったのにぃ!! ピカッゴロゴロゴロ…ってなってるんですよ? 息子のエロ本見つけたママが。漫画的で非常に屑句会っぽい句と自信満々に出させていただきましたのに、賛成者がひとりもいらっしゃらない。顔洗って出直してきますorz(小笠原玉虫)


13.眩しいぜ掴まされた斜面林(前田獺太郎)…無点


△あらまぁ……騙されて、いい土地と思って、使い道のなさそうな斜面林を掴まされちゃいましたか……。何とか無事に処分出来ることを心よりお祈り申し上げております。(小笠原玉虫)


23.彼来ればナンバー5に着替えをり(パラレル)…無点


△マリリンモンロー!! (なかやまなな)
△いいですね。恋人は合鍵を使って部屋に入ってくる。自分はナンバー5だけをまとった姿で、あら、来たの? くらいに余裕を持ってベッドに横たわっているのでしょう。けれどほんとは待ちわびている。この心の綾がいいですね。(小笠原玉虫)


24.妄想あれこれ膨らむ木の芽時(文月さな女)…無点


△妄想「の」に敢えてしなかったのは何故なのかな? 定型になることを避けたかったのかな? そこちょっと気になりました。春にいろんなことを考えて悶々とするの楽しいですよね。春の危ういわくわく感にわたしも胸を膨らませました。(小笠原玉虫)


25.春夕焼け部屋のカーテン閉めました(圓哉)…無点


△ちょっとさみしい感じが漂っていていいですね。わたしの住んでる地域では、日没を知らせる音楽が夕焼け小焼けで、町のスピーカーから流れるのですが、あれ、日曜なんかに聞くと妙にさみしい気持ちになるんですよね。あれが聞こえてきて、ふと立ち上がってカーテンを閉める。そんな光景を想起しました。(小笠原玉虫)


26.侍にエスプレッソとワッフルを(鈴木桃宙)…無点


△撮影の合間の休憩の景かなと思いました。はいカーット、そしてお侍姿のまま、ワッフルにかぶりついてエスプレッソを流し込む。もしかしたら休憩時はワッフルとエスプレッソと決めている大物俳優なのかもしれない。高○英樹で脳内再生されました。(小笠原玉虫)


28.ピーコ屋のあんちゃん僕はここです(前田獺太郎)…無点


△ピーコ屋って分からなくてググってしまいました。成る程、海賊版の販売屋さんか~。僕はここですってなんだろ、ピーコ屋さんに見つけてほしい? 海賊版が欲しいということかしら。うむー。ぼったくられそうなムードが漂ってますね。(小笠原玉虫)


33.地鶏ではうまく撮れない風邪を引く(圓哉)…無点


△「地鶏」と「自撮」をかけたのかな。これは故郷に複雑な思いがあるひとって感じがしますね。風邪ひいて心細いんだけど故郷のものはなーんか拒絶したいぞ、みたいな感じかなと。深読みしすぎでしょうか……。(小笠原玉虫)


34.コーヒーどんどん苦くなり町に可愛い子増える木の芽時(木曜何某)…無点


△春、明るい色のお洋服のお嬢さんたちが街に溢れる。苦めのコーヒー(エスプレッソかな?)を飲みつつ、窓からそんな往来を見てるのかなと思いました。もしかしたらそんな春の景を苦々しく見つめているのかもしれません。春は華やぐからこそさみしさも浮き彫りになる季節。そんなことを考えました。(小笠原玉虫)


37.木の芽時両手付かせて突く突く突く(小笠原王虫)…無点


△王虫せんせい暴走しておりますね(笑)。けれど個人的には勢いがあって大変よろしいと思います。満開の桜の下での青姦ですねこれは。(小笠原玉虫)


38.冴返り薄き乳房に脈走る(梶原由紀)…無点


△景が美しいです。(なかやまなな)
△これはうつくしい。寒さをこらえて全裸でいる景と詠みました。しかも、性的な光景ではなく、それこそ絵画のモデルをしているように思います。恥ずかしくなんかないぞと描き手をきっと睨み返している少女の姿が目に浮かびます。ちいさな膨らみに青い血管がうっすら透けていることでしょう。(小笠原玉虫)


40.馬はぱかぽこかわずはがっこぴょんと跳ぬれば春の来て(琳譜)…無点


△リズムが都都逸みたいで楽しい。。童謡みたいな世界観が可愛らしいです。そういえば昔大宮駅の真ん前でお馬を引いてる人を見て仰天したことがあります。ポニー? かなり小型の馬でした。お馬は春がよく似合いますね。(小笠原玉虫)


44.掻き分けて弄つて濡れて木の芽時(紫蝶)…無点


△これはエロい。「え? 春の山の景ですけど?」なんて、しらばっくれてはいけません。女性の陰毛はうつくしい。大事なことなので再度申し上げてみました。(小笠原玉虫)


47.誰よりも気付いて早い木の芽どき(琳譜)…無点


△いいですね。素直に春の景を詠んだ句という感じがします。文字通り新芽をみつけてときめいたのでしょう。始まりの予感がしますね。(小笠原玉虫)


48.原皮(もとかわ)を師に剥がされひの木神聖になる(琳譜)…無点


△「師に」がよく分からないのですが、気持ちのよいヒノキの香りを感じる句で、好きだなと思います。(小笠原玉虫)


49.汝の舌の長く伸びゆく木の芽時(鈴木桃宙)…無点


△何それこわい!!>< こわいけど好き。こういうオカルティックな句、非常に好きなのです。ここの「汝」はカメレオンとかそういう生き物じゃなくて、なんかよからぬあやかしか、よろしくない性癖を解き放とうとしている変態さんって気がしますね。(小笠原玉虫)


51.海も遊んでくれないヌーディスト・ビーチの背広男(前田獺太郎)…無点


△これは「こんなところでも解き放てなかった男」って感じがしますね。ヌーディストたちはおろか海とも遊べない、背広では。けど、こういうこだわりのある孤独者って、個人的には魅力を感じます。この異邦人感からはきっとクリエイティブな何かが生まれる。(小笠原玉虫)


第六回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^) …その1

大変お待たせいたしました、

第六回新宿屑句会、結果発表をさせていただきます…!!






六代目屑王は…





タケウマさんです!

おめでとうございます!!(^〇^)♪♪♪


そして既に先行発表済みですが、
栄えあるタケウマ賞は……なかやまななさま!!

おめでとうございます!!

ななさまには本日「親子ガエル」発送済みです♪

本当におめでとうございます!!!(^〇^)♪♪♪





さて、以下が投句全作品の点数と選評でございます。

今回も投句数が多かったため、「その1」では2点句までを、、

1点~無点句は「その2」に掲載させていただきました。

どうぞ皆様、お楽しみくださいませ…!!!


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01.少年の指舐めてゐる木の芽時(タケウマ)…9点


◎これは実際に少年の指を舐めているのではなく、そういう情けない(?)妄想をしてしまう木の芽の頃と読みました(笑)ということで屑句会の特選。(文月さな女)
◎舐められるよりも舐めたいマジで♪ いや、どっちもいいですね…。でもこれ、それ以上の行為はないんですよね。そこがいいんです。(うぐいす)
○句型変えれば更によくなると思いますが映像的な韻文ということで選びました。(天宮風牙)
○竹宮恵子さんの風と木の歌を思い出した。(Jirotyo)
○稲垣足穂は永遠です。(圓哉)
○けがをしているところを舐めているのかも知れませんね。そこで、ハッとやらしいことをしているのではと思ってしまう。(木曜何某)
○むしろこの少年になりたいです。(藤井雪兎)
○いいですね。わたしは初老の男性が少年の両手を捕まえて、こう、舐め回してる景を思い浮かべました。少年の瑞々しさと木の芽が響き合っています。そして木の芽時特有のあぶなっかしさもよく表れていると思います。こういう定型句が好き。(小笠原玉虫)


31.靴下を最初に履く男と迎えた朝だ(うぐいす)…7点


◎この男の習慣を受け入れられたら、ふたりは幸せになれるでしょうね。習慣はその人の人生の一部なのですから。(藤井雪兎)
○全裸に靴下だけの男は、なんか嫌。まずパンツを履いて欲しい。(北大路京介)
○色々な意味で夢から覚めてしまったということを、「朝」で上手くあらわしている。
淡々とした断定形も、目覚めの感じを良くあらわしていると思う。(個人的にはこういった男性は結構好みである)(梶原由紀)
○面白い。なぜ下着からではないのかな。冷え症なのか。何となく痩せた男の人だと思いました。(木曜何某)
○何かを後悔したような女性目線がすっと入ってきてくすっとしてしまいました。ただ個人的には好みだなぁ、、こういう人。これからの人生がとても楽しくなりそう、、でもなにより「何故靴下なのか」真面目に質問したくてうずうずしそう。(琳譜)
○ボクもこういう男になりたかった…(タケウマ)
△えっタケウマさん、なりたいの?(驚) これは生々しいですね。この男女は恋人とか夫婦ではない気がするな。なんか勢いでそうなっちゃったんでしょうね。で、朝が来て、冷めた目で相手を見ている。自分が冷めてる時って相手もきっとそうだろうなと思って気まずい。わたしだったらあまり見られないようにそそくさと支度をしてしまいそうです。(小笠原玉虫)


30.ブラジャーの跡に電車走らせる息子(木曜何某)…6点


○ブラジャーの跡ってつくもんなんですか? 息子の無邪気さが良いですね。(北大路京介)
○息子で良かったです。それにしても子どもの目は不思議ですよね。(なかやまなな)
○女性としてのコンプレックスを刺激するほど、線路の見立てが秀逸である。息子におそらく悪気はないのだろうが、その無邪気さが一層残酷だ。幼い息子と解釈したが、成人済みの息子として読むとまた違う面白さがあるかも知れない。(梶原由紀)
○お母さんに甘えたいかまってもらいたい一心の幼い男の子の様子がよく出ていると思いました。(白熊左愉)
○ブラジャーの跡を線路に見立てる息子が愛おしい♪(タケウマ)
○母子家庭のイメージ。つまりこれはサイズが合っていない。もしくは長い時間つけて働いてるんです。息子さんがこの意味に気付く日がきっと来るでしょう。(藤井雪兎)
△わたしも母子家庭なのかなと思いました。お母さんは半裸で腹ばいにぐでっとなる程疲れているのでしょうね。そこへ無邪気な息子がおもちゃの電車を走らせる。この子のためなら頑張れる。そんな景でしょうか。(小笠原玉虫)


17.木の芽時若い夫婦が越してきた(うぐいす)…5点


○どんな夫婦かはまだわからないけれど、何かが始まる予感がして、なんとなくそわそわする。(mekeke)
○いろいろと妄想をふくらませてくれる存在ですよね若夫婦って。なにかを期待したら、すぐに引っ越したりして…。(十月水名)
○物語の始まりのような17文字だと思う。(Jirotyo)
○ウェットになりすぎず、季語に引っ張られすぎず、事実を淡々と並べているのがいいですね。(藤井雪兎)
○こちら、「木の芽時」句の中で最も秀でていると感じました。若い夫婦と木の芽時の取り合わせがぴちぴちと瑞々しい。また、新しく近所に加わったメンバーということで、皆が好奇の目で見ている感じも伝わってきます。上品な色香。物語が始まる期待感でいっぱいですね。十七文字でこれだけ想像力を掻き立てる。実に見事です。(小笠原玉虫)
△硝子のコップをそっと壁に。(なかやまなな)


41.真っ裸ゴーゴーゴー(文月さな女)…5点


◎修飾語がないため、句におかれている状況が一切わからない。しかし、そこが良い。最小限の語を使って潔く言い切ることで、狂気の底が見えない句に仕上がっていると感じる。(梶原由紀)
○「マッパゴーゴー♪ マッパゴーゴー♪ マッパゴーゴーゴー♪」。頭の中でリフレインが止まりません♪ どうにかしてください♪(タケウマ)
○シンプルながらも妙に開放感と勢いがあります。こういう気持ちになれる場所が、日本にもあったらいいなあ。(藤井雪兎)
○エロ句が多い中、これはあっけらかんとした明るい真っ裸ですね。句会当日タケウマさんがおっしゃっていた「日の当たる全裸」という言葉そのものと思います。この勢いでどんどん突き進んでいって頂きたいです。(小笠原玉虫)
△オヤジギャグ!!(なかやまなな)


43.くるぶしから俺と判明(十月水名)…5点


◎全身をバラバラに切断された死体。その体の持ち主が死の世界から自分自身の死体を見ている場面を想像した。(Jirotyo)
○ラブホとか顔映さない防犯カメラのはずが、くるぶしでバレタのかなーと。面白いです。(なかやまなな)
○判明したくなかった心情が、くるぶしという微妙な部位によく出ていると思う。何を見たのかを伏せてることで、「判明」のインパクトが大きくなっているのも良い。(梶原由紀)
○ニュース番組でなにやら逃げ惑う足元の映像が流れると、家族が一斉に"俺"を見る。特徴的なくるぶしに対するカメラ側の配慮がなかったのはわざとなのかもしれない。と色々想像して楽しませていただきました。 (琳譜)
△これなんでとらなかったんだろ。いま見返すと好きすぎる。わたしもバラバラ死体と読みました。死んでしまえば「俺と判明」なんて、案外あっけらかんと受け入れることが出来てしまうのかも、と思って、なにやら希望のようなものが湧いてきました。(小笠原玉虫)


55.木の芽時釣り銭くれる女の手(mekeke)…5点


◎欲を言えば女に具体性があるとなお良かったと思いますが、提出55句の中ではそれでも頭一つ抜けていると思います。(天宮風牙)
○レジ打ちの女性の手にもドキドキしてしまう純情な男性かしら。(文月さな女)
○その手は柔らかく表情は優しく、そして男はストーカーになるしかない。(圓哉)
○すごくこわい。ちょっと引いてます…(前田獺太郎)
△こちらも句会当日非常に話題になった句。これはうまい。釣銭をもらうときにふと指先が触れたイメージ。何も始まっていないけれど始まりの予感がありますね。受け取った小銭も彼女の体温であたたかいような気がします。(小笠原玉虫)


02.モンローのヌードの写真春愁(jirotyo)…4点


○春愁と、華やかではあったが薄幸な人生だったモンローがぴったりマッチ
していると思います。彼女のヌードはきっと艶やかで美しかったことでしょう。(紫蝶)
○モンローにはあまり裸のイメージがなかったので、ヌードを初めて見た時はむしろ驚きました。昔の写真ですからあまりいやらしくなく、絵画みたいで。春愁とその絵画みたいな印象が響きました。(藤井雪兎)
○大変いいです。モンローの薄幸さと春愁がピッタリですね。凝固したモンローの笑顔と裸体を見ながら深い溜め息をついているのでしょう。(小笠原玉虫)


05.真っ裸で国歌歌う時が来ました(藤井雪兎)…4点


◎待ちに待っていた訳ではないのに「いよいよですね!」と言いたくなってしまう。深い知識がある訳では無いが、古代オリンピックが思い浮かぶ。いよいよ原点回帰する時が来たのですね。全世界中継は無しなんだろうか。実況するアナウンサーの着衣の有無も気になるところです。というかそもそも古代オリンピックで国歌は歌っていたのかしらん…。(mekeke)
○ハイ木の芽時です(天宮風牙)
○たぶん、みんな全裸で歌うんだよね。全国民全裸で国家斉唱…… そのとき、日本はどうなっているのでしょうか……(タケウマ)
○これはもう投句された時どうしようかと思いました。狂ってやがる……いろいろ振り切ってしまっていますね。きっと歌っている本人は、一点の曇りもない澄んだ心で、明るく歌っているのでしょう。ドン・キホーテ的な狂った明るさです(小笠原玉虫)


07.アトリエからモデルの逃げる木の芽時(藤井雪兎)…4点


◎描き手に嫌らしい気持ちがあったわけではなく、ヌードデッサンのモデルが急に嫌になったのでしょうね。エロいなあ。モデルのいないアトリエで、芸術家は何を描くのでしょうか。(鈴木桃宙)
○老画家のアトリエか。若いモデルの女性は春になって、この薄暗い部屋にいるのにウンザリして恋する小鳥たちの鳴く外へと出て行ったのだろう。逃げ出したモデルには明るい春が、残された画家には淋しい春がやってきたのだろう。(文月さな女)
○なぜ逃げ出したのかが気になるところです。(白熊左愉)
△この場合、画家に襲われそうになってキャー! みたいな、緊急→急激な動きの「逃げる」ではない気がしますね。桃宙さま、左愉さまもおっしゃるように、モデルは「あああ、やめたー」みたいに、ふとうんざりして堂々と去って行ったのでしょう。キャー!と逃げられるよりも残された方に寂寞感が漂いますね。春の愁いにピッタリの佳句だと思います。(小笠原玉虫)


36.真っ裸いやなら落花三枚までよし(なかやまなな)…4点


◎落花三枚でなにをしろと言うのでしょう♪ 雪兎さんは「こことこことここを隠す」と具体的な部位を指差してましたが、それって隠したことになりませんから♪ 全裸より確実にエロくなりますから♪ 今回の裏テーマは「エロ」と確信していたボクからタケウマ賞をあなたに♪(タケウマ)
○むしろ落花で隠して欲しい気持ちを感じたり。落花があるとないとでは、同じ人間の裸なのに全く違うものになってしまう。たった一枚の落花でこんなに気持ちが乱れるのかと思うと、面白い。(mekeke)
○たった三枚で、どことどことどこを隠せというのか。相手が女か男かで印象がまるで変わりますね。女ならセクシーだけど、男ならただのバカ。(うぐいす)
△陰毛の上に桜の花びら一枚、って、なんかスゲーいい。これは詩になりますね。ただし女性に限る。男だったら……うん、爆笑ですね。(小笠原玉虫)


42.全身のほくろを繋げてみたからだ(mekeke)…4点


◎どんな絵になるか楽しみ。クライヴ・バーカーの作品みたい。最後の「からだ」は、「体」と断定の「(~した)からだ」をかけているのかな、とも思いました。(十月水名)
○不思議な美しさを感じました。てんつなぎパズルみたいで、なんだか楽しそう。自分の体は、どんな模様を描くんだろう。(鈴木桃宙)
○ほくろをつなげるとどうなるかはわからない。でも裸の体を囲う結界のようなものができる気がする。 (Jirotyo)
△この点繋ぎ、やってみたい!!(なかやまなな)
△星座みたいな模様がたくさん出来そうですね。ほら、ここにオリオン座。あちらには白鳥座……。(小笠原玉虫)


53.よく眠れた夜の隣町が火事だった(うぐいす)…4点


◎読んだ瞬間に特選を決めました。よく眠れたというのが良いですね。(木曜何某)
○中々熟睡も許さない日々。ぐっすり眠ったその日が誰かにとってはとても辛い日で何処かで安らいでいる自分を責めてしまう。自分にとって不幸な日が誰かにとってはまた幸せの日であったり、、。幸せをしっかり噛み締めてながら責めて縁の有る人達に送れる気持ちを整えたいなぁという感じがこの短さの中に詰まっていたのでとらせていただきました。 (琳譜)
○自分が幸せな時、他人もそうだとは限らないと思うと、何だかモヤッとしますね。うまくいかないもんです。(藤井雪兎)
△こちら、句会当日非常に話題になった句。宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」を思い出しました。平和は均等に訪れるものではない。そんな冷徹な事実がさらりと詠まれていると思いました。この現実から目をそらしてはならない。(小笠原玉虫)


15.三月やピエロの顔の殺人鬼(jirotyo)…3点


◎ぞっとする感じがしました。ピエロの仮面の笑顔とその奥の殺人鬼の表情を対比すると怖いです。(白熊左愉)
○怖い♪ ピエロの顔の殺人鬼もすごく怖いけど、三月はもっと怖いわ~♪(タケウマ)
△何故か雪兎さんの前のアイコンを思い浮かべました。(なかやまなな)
△上記↑ななたんの評わらたw わたしは伝説の猟奇殺人犯ジョン・ウェイン・ゲイシーを想起。調べてみたら、彼が死刑になったのは三月だったのですね。ちなみに誕生日も三月。ううむ。ぞくりとしますね。(小笠原玉虫)


20.真っ裸の山頂から水星が見える(小笠原玉虫)…3点


◎ハゲ山なのだろうか。山に森林がないと降水量が多い時にがけ崩れや洪水が発生してしまう。水星の「水」がそういうことを指してるのではないだろうか。火星や木星じゃダ
メなのだろう。(北大路京介)
○なにもない山の頂から水星を見てる景と読むこともできるけど、ここはあえて、全裸で山の頂に立って水星を見てる景と読みました。水星は、限られた時間帯しかみることのできない星だそうですから、心して全裸となったのかなあとも♪(タケウマ)
△はい、わたくしの句です。京介さんとタケウマさんからいただいた評がステキすぎて嬉しい。剥き出しの山頂から自分も真っ裸になって水星を見ている景です。水星ってほんとは肉眼で見えるのかどうか分かりませんが、もっとも太陽に近い惑星を、裸で、決意を込めて眺めているみたいなものを詠みたかった感じです。(小笠原玉虫)


21.一芸にも秀でず汚い抱き枕(北大路京介)…3点


◎独り汚れるほど抱きしめてきた抱き枕。毎夜の涙なのかただの汚れの放置なのか。汚れで全てがコントロール出来ていないと思い込むことこそが問題なのではないかとつい言いたくなるような悲しい寝姿が浮かびます。汚いに色々な思案が入っている。ありがちな語句なのにとてもうまく使われているのでとらせていただきました。  (琳譜)
○このような句に心惹かれる僕はつらい。(圓哉)
△「一芸も」でいいと思いました。大丈夫。抱き枕を抱き方は上手いですよ!(なかやまなな)
△万感胸に迫るものがある句ですね。汚い抱き枕があるということは、パートナーなんかもいなくて孤独なのかもしれません。でも枕を抱き締めながら何者かになろうともがくことはうつくしい。心から応援したくなります。(小笠原玉虫)


32.祖母の虚言とめどあふるる木の芽時(白熊左愉)…3点


○おじいちゃんのこと思い出しているのかな。「とめどあふるる」ところにおばあちゃんの神秘さが感じられます。(十月水名)
○「ばあちゃんはな、昔◯◯小町と呼ばれてな、まあひっきりなしに男どもが来たわいな」(なかやまなな)
○これ好きです。おばあちゃんはもう正気じゃない気がする。恍惚に入ってしまっていますね。この、足元がぐらりと揺れるような不安感が非常に好きです。(小笠原玉虫)


46.はこいりのマネキンを洗う電話が鳴る(十月水名)…3点


◎ひとつひとつの言葉はきわめて普通なのだけど、組み合わせるとかくも不穏な句になるとは。歌詞の単語自体は問題ないけど放送自粛になった楽曲みたい。とてもいい。(前田獺太郎)
○とあるブティックか何かの風景と考えれば、ありふれているのかもしれませんが、何故か不吉なものを感じます。マネキンのせいでしょうか。(藤井雪兎)
△こちら、句会当日に非常に話題になった句。実に面白いですね。マネキンてなんか非常に特殊な気持ちを惹起させるアイテムで、売り場にあったら珍しくも何ともないものだけど、個人宅にあったら不穏すぎてぎょっとしますよね。なので、場所がどこなのかによって印象がかなり変わってくる句と思いました。わたしの読みではこれはゴミ屋敷的個人宅と思います。住人はちょっと特殊な電波を受信してるかたで、彼だけに分かる理由でマネキンを入手し、洗っているのでしょう。そこへ電話が鳴る。電話が鳴るってことで、この異常な光景も登場人物にとってはごく普通の日常であるということを感じさせて、この剥離感が読み手に不安を呼び起こすのですね。短い情報の中に沢山の仕掛けがなされています。これは巧みな詠み人ですね。(小笠原玉虫)


50.木の芽時夢終わってもやってくる(圓哉)…3点


◎くーる、きっとくる、きっとくる、、、。夢終わってもくるって怖いですよね。木の芽時って明るい感じがします。しかし実際。一斉に芽吹く。しかもなんかぷつぷつしたやつ。なんてとても怖い景なんですよね。(なかやまなな)
○わたしは単純に希望ととりました。昨年、長年の夢についに諦めをつけたのかもしれない。けれど春はまた巡ってくる。いまはふさぎ込んでいるけれど、そんな自分に関係なく春がくるってことは、祝福でもあり呪いでもあるって気がしますね。けれど、自然界の、そういうこちらを顧みない様子にはやはり救われるものを感じます。(小笠原玉虫)


06.赤色のシャベルざくりと球根植う(白熊左愉)…2点


○絶対球根以外の何かが埋まってる!「赤色」と「ざくり」がそう思わせます。きっと鮮やかな花が咲くんだ…。(うぐいす)
○何かの始まりには赤がよく似合いますね。(藤井雪兎)
△見たまんまが句になっているような気がしていただかなかったのですが、あとからじわじわよい感じがしてきました。「シャベルさくりと」がいいのかなあ。質感が伝わりますよね。(タケウマ)
△シャベルざくりとまではスッゴい好き。ほとんど肉体的に気持ちいいと言っていいくらい。「植う」の音と読み方がちょっと気になっちゃったんだなぁ。でも好き。好きな句ですよ。(小笠原玉虫)


08.鳥肌は胃を泡立てて木の芽時(梶原由紀)…2点


○雪兎さんは意味が分からないとおっしゃってましたね。でも、意味がわからないからひかれる句ってのもあってよいような♪ なにを象徴しているのかはわからないけど、「鳥肌は胃を泡立てて」は木の芽時の季感をよく表しているように思いました。(タケウマ)
○わたしは分かるーと思ったな。ぞわぞわとまず鳥肌がきて、胃もなんだか、痛いまではいかないけど不穏な感じで、ちょっと不調な体調と気持ちの不安定さが木の芽時をよく表していると思いました。こういう不安な感じの句は大変好みなのでとらせていただきました。(小笠原玉虫)


11.夢も見ず眠れる薬木の芽時(小笠原玉虫)…2点


○薬で眠る眠りは眠るというより落ちるという感覚。夢の記憶がないほどに眠れることはいいこととは思いつつ、そこに薬があることになんとなく後ろめたさを感じてしまう。来年は私だけでぐっすり眠る木の芽時を迎えたい。(mekeke)
○春先は眠くなりがちな季節なのに眠れないひとの辛さが伝わってきます。(白熊左愉)
△はい、わたしです。春、不安定で眠れぬ夜を無理矢理薬でねじ伏せて、深い眠りに落ちる、みたいな光景を詠みたかったのです。でも「眠る」と「春」はつきすぎでしたね。と、いまは反省している。(小笠原玉虫)


12.もう栓捨てて飲もう(mekeke)


◎酒瓶の栓を捨てて全部飲み干そうとしているのではないかと見ました。思い切りの良さがいいですね。私もこんな飲み方をしてみたい!(紫蝶)
△ワインかなと思いました。えーい、どうせ残らないよ、栓捨てちゃおう!みたいな。これもまた春だからこそ成せる業ですね。短くまとまっているのも大変好みです。(小笠原玉虫)


14.真っ裸ペディキュアの指しゃぶり春(小笠原王虫)…2点


◎今回の特選は迷いなくこちらに。先に断っておきますと、王虫せんせいの中の人はわたくしではありません(笑)。大変いいです。昼間から美女といたしているのですね。可憐な足の爪をゆっくりしゃぶって愛撫する。ステキな春の景です。(小笠原玉虫)
△ペディキュアだから、足ですよね。真っ裸で、多分跪いて、指しゃぶる。大人だ。大人だ。(なかやまなな)


18.春宵のうなじに白き蛇放つ(タケウマ)…2点


◎どことなく艶めいている「春宵」に不穏な雰囲気を加えて良質の短編小説のような想像力を読み手に働かせる素敵な佳句です。(圓哉)
△これまた非常に色っぽいです。蛇を使ったプレイなのか。と、いうより、女の白いうなじから白蛇を連想するような色香が立ち上っていて、また、それを見ている男の視線が蛇のようにねちっこいという意味かなととりました。これは男女双方が蛇を放っているのですね。二匹の蛇が絡まり合うような強烈なセクシーさが漂う句です。(小笠原玉虫)


29.春星や多分出来ものばかりの背(なかやまなな)…2点


○春、満天の星を見上げて見えない自分の背中に背負った余計ないろいろを嘆いたのか。(文月さな女)
○どこかどんよりとしたものを抱えている姿勢が好きです。(前田獺太郎)
△これはさみしい気持ちになる句ですね。初老で貧しい男性のイメージ。生活が荒れているので背中がぶつぶつだらけなのでしょう。そのぶつぶつだらけの背中を星空の景と重ねたか。荒んだ感じでありながら、春星のせいで微かな希望が感じられる不思議な雰囲気がありますね。実に面白い句と思います。(小笠原玉虫)


39.初夜の時と同じこと言ってる(藤井雪兎)…2点


○あまりしゃべらないもののような気がしますが、どこか面白い。(十月水名)
○男の方が言われているのでしょうか。何て言ったのかが気になります。愛の言葉なのか、もっと違うことなのか。(木曜何某)
△「死にそうだわ」あれから50年。そしてまさかの腹上死!(なかやまなな)
△いやいや、この詠み手は愛情深いですよ。何しろ初夜の時に言ったことを覚えていてくれているってことですよ? ユーモラスだけど深い愛情を感じますね。(小笠原玉虫)


45.春昼の剃られて全裸になる途中(タケウマ)…2点


○昼日中から剃毛プレイでしょうか・・・なんともハレンチで妖しくてエロチック!
毛を剃り落としてつるつるになった後はやること一つですね!(紫蝶)
○それにしても今回の句会では、皆さん真昼間からエロいことばかりしておられます。素晴らしい。先程陰毛のうつくしさを説いたばかりですけれど、まるでないのもまたうつくしいと申し上げておきましょう。陰毛がなくなってより一層裸になる。誰かにそうさせられる。裸って何なのかという哲学的な疑問すら生じてまいりました。こういう定型句が好きなのです。(小笠原玉虫)


52.変身の印の鱗木の芽時(jirotyo)…2点


○この鱗は、変身する前の姿の名残と読みました。魚ではなく、蛇ですね。首筋のあたりにぽろぽろと。(うぐいす)
○不思議系にひかれるタケウマです♪ なにに変身したのか? どんな鱗なのか? あれこれ想像するのが楽しい♪(タケウマ)
△これは蛇女のイメージです。嫉妬が燃え盛ってついに蛇に転じたか……。でも蛇に成り切ってしまえば楽になれる気がします。(小笠原玉虫)




→→→ その2に続きます!!





2014年2月10日月曜日

第五回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^) …その2

前代未聞の結果発表2ページ目はこちら!

どうぞごゆっくりご鑑賞下さいませ( ^ω^)♪


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02.髪の毛わき毛腕毛胸毛にギャランドゥ陰毛すね毛で七草粥(桃子)…0点


△もじゃもじゃ粥!!! 和服で端然と座して粥を啜り込む老紳士の姿が目に浮かびました。わたくしが理解出来ない領域のフェティッシュです。(小笠原玉虫)



03.初シコシコ ウィーンフィルの バレリーナ(青条美羽)…0点


△初オナニーはウィーンフィルのバレリーナの美脚を見ながら行われた模様。お正月に相応しい拡張高いオナニーです。(小笠原玉虫)


13.すぼら極めて我ながらうなる足先の妙(mekeke)…0点


△わはは、これは分かる(笑)。寒いからこたつから出たくなくて、何とか手や足を伸ばしてものを取ろうとしているのでしょう。そして足で取るのが我ながら惚れ惚れする程うまくなってしまったと。ピンチが人の才能を開花させた瞬間を鮮やかに俳句に焼き付けました。(小笠原玉虫)


14.書き初めは毎年酒の一字なり(詠美)…0点


△潔い。しかし、だいじょぶかー!? と、ちょっと心配になりますね。五七五できっぱりとまとまっている辺りにも、酒に対する己がアティテュードの決意表明ともとれ。己が道を邁進なさって下さいませ。(小笠原玉虫)


16.ポケットもかばんも押し入れも探して見つからない(圓哉)…0点


△お正月句祭りにご投句頂きましたので、探し物はお年玉かな~と思いました。おかしいな~、どこに行ったのかな~。きっと「大人になるまで預かっててあげるわね」のママの仕業! 取り戻せ!!(小笠原玉虫)


17.お年玉ここぞとばかり偉くなる(琳譜)…0点


△確かにお年玉を沢山くれる大人は、子供たちのヒーローでしたね。我が家では母型の独身の叔父がそうでした。でも自分から偉そうにしちゃうとちょっと大人げない(笑)。でもいいか、お正月だから。楽しみましょう!(小笠原玉虫)


21.早朝割引の列でお悔やみ申し上げられている(北大路京介)…0点


△ええーせっかく並んだのに!!>< 店内に入る前に売り切れが確定してしまったのでしょうか……時期的に福袋のことかなと思いました。冷静に考えるといらないものばかり入ってるのに、どうしてみんな福袋がそんなに好きなんだ。(小笠原玉虫)


22.初夢で浮気され起きラブホテル(詠美)…0点


△うはは、新年早々浮気してるの自分じゃん! と思いました。自分がラブホにお泊りして、浮気されてる夢を見て跳ね起きる。一片の同情の余地もない身勝手さです。でもそれを句にするのが非常に面白い。好きな句です。(小笠原玉虫)


25.なもみ剥ぎ鬼の笑いや真しろに響く(琳譜)…0点


△お恥ずかしながら「なもみはぎ」が分からずにググってしまいました。なまはげのことなのですね! 会場屑☆藤井雪兎への挨拶句でしょうか。雪の中をずんずん近づいてくるなまはげの高笑いが聞こえてきそう。伝統俳句の美しさと思いました。素晴らしい。句会当日になもみはぎの意味をちゃんと分かっていたら絶対とったと思います。やっぱりものを知らないってダメですなぁ。(小笠原玉虫)


27.年を越してもそばを絡ませあう(木曜何某)…0点


△お蕎麦を食べていると言いつつ、これはダブルミーニングでありそうです。妙に色っぽい。年越ししつつよろしいことをなさっているのでしょう。仲良きことはうつくしきかな。(小笠原玉虫)


29.だてめがねくろぶちめがね雪女(十月水名)…0点


△眼鏡っ娘! 非常にキュンときたのはわたくしだけでしょうか。その上ちょっとドジっ娘だったりしたら、もう嫁に貰うしかありません。命懸けで添い遂げて頂きたいものです。それにしても五七五って何か可愛いな。(小笠原玉虫)


30.年男「オレは馬並み」脱いで見せ(小笠原玉虫)…0点


△すみませんわたくしの句です……いや、サイテーな句ならいいかなと思って……個人的には馬並みはちょっと……怖いです。(小笠原玉虫)


33.  パソコンのファン異音アダルト動画見れば(桃子)…0点


△いいところなのにパソコンが不穏な音を。ヤベ、ヘンなサイトにアクセスしてヘンなんもらっちゃったか? とヒヤリとするのでしょう。後ろめたさと不安の組み合わせがいいですね。(小笠原玉虫)


34.  理系 パソコン 珈琲 愛 パソコン 眼鏡 文系(木曜何某)…0点


△こちら、よく分からないのですが、理系も文系もパソコンに向かって静かなリラックスタイム、って感じがしますね。文系の側から見た理系に対する憧憬ととれなくもない。どっちだろう。ちなみにわたくしは文系です。(小笠原玉虫)


35.  パソコンが浄化する君のにおいと本音(さくら)…0点


△パソコンに保存してあった、元恋人の画像とかメールとかを、思い切って一気に削除している景なのかなと思いました。浄化したあとには新しい恋が訪れることでしょう。頑張って。(小笠原玉虫)


36.  パソコンを冬夜に見なければ出放しなかった(詠美)…0点


△んんん、ごめんなさい、よく意味が分かりません。少し後悔しているような?? 冬の夜にネットか何かで悲しい話を見て、思わず外へ飛び出してしまった、というような景でしょうか。少し心配になる句です。(小笠原玉虫)


38.  パソコンをちゃん付けで呼ぶ会で鍋(ずるこ)…0点


△ヲタのOFF会でしょうか。パソコンの画面いっぱいにあずにゃんの画像を出して、ケーキを供えて「あずにゃん誕生日おめでとう!」ってやってた祭りを思い出しました。個人的にはああした行動は大好きだったりします。愛があって幸せそうならいいのです。(小笠原玉虫)


44.  ウイルス対策しないままパソコンいっぱいに冬(北大路京介)…0点


△それはいけない、早く対策しなくては!! と、いうかもう手遅れなのでしょうか……冬が死を想起させます。しかも、いっぱいに冬。新しいものを買って悲しいことは忘れてしまいましょう。そして次は真っ先にウイルス対策をしましょうね。(小笠原玉虫)


48.  パソコンに挟まれて泣く夢を見て重い目覚めになればいいのに(mekeke)…0点


△これは怖いですね。夫婦の景かなと思いました。旦那さんのパソコンをふと覗いたら、出会い系サイトをやった形跡を見つけた奥さんが、じとっと呪っているイメージ。ほんとにそんな旦那ならパソコンに潰されればいいと思うよ!(小笠原玉虫)


52.  肝心なとこで使えないパソコンよお前ってやつは(文月さな女)…0点


△あるある……と、いうよりも、この年明けは、わたくしの場合は100%自分のせいだった訳ですが……屑句会に向けて新調したパソコンを、実質4日でお陀仏にしたわたくし。本当に肝心なときに使えないと、ガッカリ感が半端じゃありませんね。共感。(小笠原玉虫)


56.  雪ねたと検索パソコンそつと閉じ(椚人)…0点


△雪の俳句を作ろうとして、雪ねたを検索、覚えがあります。そつと閉じちゃったのはいい情報が見つからなかったせいでしょうか。いま、どんな情報にもアクセスし易い代わりに実感というものが薄れつつあるかな、なんてことにも思いを馳せました。妄想でも生き生きとした句を詠みたいものですね、お互いに。(小笠原玉虫)


57.  各々パソコン赤裸々也(琳譜)…0点


△押入れのパソコン句、そしてお前は知りすぎたの句と同様、こちらもパソコンに秘められた秘密に想像力を掻き立てられる句ですね。ほんと、パソコン程赤裸々なプライバシーが詰まったツールって、現代社会にほかにないかもしれません。今は日記もパソコンで書いたりしますしね。ログアウトの徹底、パスワードの管理など、より一層徹底していかなければと気持ちが引き締まる思いが致しました。(小笠原玉虫)



第五回新宿屑句会 結果発表ぉ!(^〇^) …その1

大変お待たせいたしました、

第五回新宿屑句会、結果発表をさせていただきます…!!






五代目屑王は…





藤井雪兎さんです!

おめでとうございます!!(^〇^)♪♪♪


そしていぶりがっこ贈呈の雪兎賞は……うぐいすさま!!

おめでとうございます!!

ちなみにうぐいすさまにはいぶりがっこ送付済みです♪ お楽しみ頂けたでしょうか。

本当におめでとうございます!!!(^〇^)♪♪♪





さて、以下が投句全作品の点数と選評でございます。

今回、投句数が多かったため1ページに収まりませんでした><

そのため、「その1」では1点句までを掲載させて頂きました。

無点句は「その2」をご覧くださいませ。

どうぞ皆様、お楽しみくださいませ…!!!


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26.破局まで気付かれなかった性感帯(藤井雪兎)…12点


◎特選です。気付いて貰えてたら破局してなかったのかも。若かったから気付かなかった、時間が戻るならやりなおせるのに・・・ なんて。(北大路京介)
◎自分本位な態勢の相手だったんですね。(なかやまなな)
◎気づいて欲しかったけど、気付かれなくてホッとしている気持ちもあり。関係性によりその比重は常に変化するからタイミングだな、と、大きく実感。(詠美)
◯だから破局を迎えたのでしょう。自己申告できない関係なら分かれるしかない。(Jirotyo)
○パートナーだけではなく、自分自身も気付いていないのかもしれません。いずれにせよ、二人のどこかドライな関係がうかがえます。
○なぜ自ら明かさなかったのか。だから破局したんじゃないのか。さみしい句。(木曜何某)
○これは手練れの仕事人です。(圓哉)
○読者にあれこれ余計なことを考えさせる句こそいい句だとボクは思っていますが、その意味ではつっこみどころ満載のこの句が今回ピカイチでした。ちなみに、この性感帯、ボクは自分でも気づいてなかったんじゃないかと読みました。ん、んなわけないか……(タケウマ)
○北大路翼
△句会当日非常に話題になった句。これは悲しい。気付いていたら破局はなかったかもしれませんね……しかしこれも縁というものなのでしょう。前を向いて生きて行って下さい。(小笠原玉虫)


23.空缶を潰しぐにやりと冬の月(梶原由紀)…10点


◎「ぐにやりと」がどこにかかるかによって読み方が変わりますが、やはりここは「冬の月」にかかると読みたいです。硬質なものが変形するというのは何かしら不安なこと、あるいは不愉快なことの表れのように思います。空缶は蹴飛ばしながら帰るんでしょうか。町にはくずかごもないし。(うぐいす)
◎空缶を潰したら今目の前にある月のかたちになった、季節はたまたま冬である、ではない。冬の月の冷たさの先にある先の見通せなさがそのままかたちとなり手の中にある、それは自分が潰した空缶。(さくら)
○缶を地面に置いてぐしゃっと潰したら、プルトップが持ち上がり、月と重なった感じがいい。(二階堂きなこ)
○道で潰れている缶と空の月が響き合ってる感じがいいと思いました。(ずるこ)
◯酔ってますね。ぐにゃりから怒りも感じます。(Jirotyo)
○図らずも、もうひとつの冬の月を作ってしまったかのような驚きがある。(藤井雪兎)
○「ぐにやりと」が「潰し」にかかっているのか「冬の月」にかかっているのか気になりましたが、潰された空き缶と冬の月の取り合わせがとてもステキです。冬の月がぐにゃりとしていたほうがおもしろいので、「空缶を潰す」と切れが入っていたら特選だったかもしれません。(タケウマ)
○独特の孤立感がある。冬の月というとこの前の満月の感じで、歌舞伎町の呼び込みが潰しているのかなと思いました。(椚人)
△句会当日に非常に話題になった句。潰れた空き缶と冬の月の取り合わせが非常にうまいと。ぐにゃりがどこにかかるのかでも意見が分かれました。わたしは酔って視界がぐにゃりと歪んだイメージ。勿論空き缶はお酒の缶で、酔った目で見た月が歪んで見えたのかなと。大好きな句です。(小笠原玉虫)


20.初雪やこむらがえりの美しく(タケウマ)…8点


◎あまりにいたいこむらがえりに襲われた日、ひらひらと雪が降ってくる―視覚と身体感覚の分離が面白いと思いました。(十月水名)
◎寝ていてこむらがえりになって「痛い!」と目覚めると、朝日が眩しかったのかなと思いました。痛みと眩しさがシンクロしてていいです。(二階堂きなこ)
○「美しく」でちょっとごまかしてる感じはあるかな。こむらがえりと初雪は相性がいいように思います。(五十嵐筝曲)
◯これは女性のふくらはぎを想像しました。とてもセクシーな句だと思います。(Jirotyo)
○寒い夜に、バレリーナのつま先のようにピンと伸びた足が薄暗い中浮かぶ情景が目に浮かび、痛々しいこむら返りを、ここまで美しく詠むなんて。(詠美)
○あいたたた! こむらがえりはとっても痛い! けれどこちらの句は、何故かバレリーナを想起させて美しいです。冬の寒さ・冷たさと痛みというものは相性がいいものですね。(小笠原玉虫)


09.チョコレートがあらぬ方向に割れて初雪(うぐいす)…7点 ※雪兎賞


◎チョコレートの甘さと雪の冷たさとが口の中で溶けて行くような錯覚を起こさせる句。(Jirotyo)
◎冬ならではの、チョコレートが割れる澄んだ音。もし思惑通りに割れていたら、どんな音になっていたのだろうか。ささやかな占いを彩るように降る初雪も優しい。(藤井雪兎)
○パキンと折ったチョコレートが三角形になってしまう日に雪が。寒さをチョコレートの割れた形で詠まれているのにすぐに通じる。その分この人の姿まで見えるようです。 (琳譜)
○助詞をすべて省いて簡潔(チョコレートあらぬ方向割れて初雪)にあっても面白かったとも思います。そうなるとまた別の趣の一句になったかも知れません。思わぬ初雪と、あらぬ方向に割れるチョコレート。うまいなあと思いました。(anomee)
○あるある。板チョコを筋にそって割ろうとして、バキッと尖った感じに割っちゃったりしますよね。鋭く割れたチョコレートと初雪の冷たさ、またただの雪じゃなくて初雪って辺りに、青春というか若さを感じます。初々しい句です。(小笠原玉虫)


12.母親の名前が変はるお年玉(北大路翼)…6点


◎色々解決していないことなどをふと思うとき足先の砂を見つめている、、そんな光景を思い浮かべました。日常の切り取りの意味を読み人にはなから「頼りきる」ものが多いなか目が行きました。 (琳譜)
○母親が変わるって衝撃的ですけど、新生活ということで前向きな感じもするなと思いました。(二階堂きなこ)
○離婚?再婚?と思ったけど、もしや芸名をつけて芸能界デビューとか?いずれにせよあまりうれしいお年玉ではないのかも。たとえ額が増えていても。(うぐいす)
○両親が離婚された後、お父さんと暮らしていたのですね。そして新しいおかあさんを迎えてお正月が来たと読みました。なんとも複雑でビミョーな状況がたった十七音で詠まれていますね。やっぱり俳句ってスゴイや♪ ん、詠んだ作者がすごいのかw でも、どんな顔してお年玉をもらえばいいんでしょうねえ……(タケウマ)
○すごく好きです。お母さんの名前が書いてあるお年玉って、よそよそしい。これは母親が変わったのかなと。リアルな感じします。(椚人)
△句会当日も非常に話題になった句。新年に新しいお母さんが来て、新しい生活が始まる。そういった景でしょうか。重いものを抱えながらも、どこか希望を感じる句。幸せを願って止みません。(小笠原玉虫)


40.  パソコンの微音冬の蠅がゐる(五十嵐筝曲)…6点


◎微音の「び」が蠅の羽音と響き合ってる。音がいいです。飛び出さずにバタつく感じが一人で死んでいく感じがして胸に迫る。(北大路翼)
◎ハードディスクが書き込みをする音でしょうか、パソコンが作業する音に気付くのですからきっと静かな室内なのでしょう。ふと手を休めると、その微音に共鳴するかのようにじっとしている冬の蠅を見つけたのです。息をひそめる蠅の姿は冬の静寂そのものです。パソコンという俗なお題が詩になりました。見事です。(タケウマ)
○機械の無機質な音は、背景の静けさもあいまってまさに冬の感触である。パソコンの微かな音を、蝿のわずらわしい羽音に喩えたのも絶妙である。また、パソコン・蝿・冬と無彩色のイメージが繋がるのも、よくできていると思う。(梶原由紀)
○私は逆に、冬が来ても生きている蠅ということで生命力を感じました。ちょっと距離を置いてみている感じもいいです。(ずるこ)
△句会当日大人気だった句。非常にいいです。個人的には「冬の蠅」という季語を使った句でこれ以上に好きなものはありません。冬、さみしさ、死のイメージが美しく響き合っています。それでいて少しもウェットでない。並々ならぬセンスの良さを感じさせる句。大好きです。(小笠原玉虫)


19.ほんとにほしいものはなんだ鴛鴦(をしどり)(小笠原玉虫)…5点


◎「ほんとにほしいものはなんだ」の強い言い切りがいいなと。(ずるこ)
○鴛鴦である必要はあったのかな?と疑問に思います。読み方も(おしどり)と限定する意味はあるのかなと。(五十嵐筝曲)
○仲が良い夫婦のことを、「おしどり夫婦」と言うが、鴛鴦という鳥は、冬ごとにパートナーを変えるそうだ。仲良く泳ぐ鴛鴦に「ほんとにほしいものはなんだ」と尋ねる。すると「もう手に入れている」という答えが、返ってくるのではないだろうか。次の冬には、また別のパートナーに変えるのに。(桃子)
○おしどり夫婦と掛けているのだと思いますが、その背景を想像させるところがいいと思います。男性の投句を思わせる思い切りの良さも感じられ、申し訳ないと言わねばならないかも知れませんが(笑)潔く清々しいです。(anomee)
△はい、わたくしのです。迷い多き最近の自分自身をストレートに詠んでみましたw 「ほんとにほしいものはなんだの強い言い切りが好き」と屍派の皆様からお褒めいただき、とっても嬉しかったです(にっこり)。(小笠原玉虫)


43.  女の名つけてパソコン壊れた(うぐいす)…5点


◎ただただおもしろい。(木曜何某)
◯元妻や元彼女の名前をつけて「そんなに俺のことが嫌いかー!」と悲しくなるド
ラマが思い浮かびました。(北大路京介)
○煩悩にパソコンが耐えられなかったのだろうか。作中主体の情けない姿が目に浮かんで面白い。(梶原由紀)
○パソコンフェチなのでしょうか。じわじわと壊れたのではなく、名付けてすぐに壊れたような印象があり、面白かったです。(十月水名)
△パソコンに名前を付ける。ちょっと前、パソコンが非常に高価で、一部の人間の特権だった頃にはありそうな風景と思いました。壊れた、が、悲しいけれどユーモラス。いや、やっぱり悲しいか。パソコンからも女性からも拒否されたような悲しさがありますね。(小笠原玉虫)


47.  パソコンをゆっくり閉じて団地妻(タケウマ)…5点


○家事をこなした後、美人でナイスバディな団地妻が昼下がりにパソコンを開いている。誰も居ない部屋で一人、閉鎖的な感じがするけれど、実はグローバルなやりとりをしていたりして…。それとも何か秘密があるのか…。そして家族が帰る前に夕食の支度を…とパソコンを閉じて、日常に戻る。秘密めいた感じと色っぽさがあって想像をかき立てられる句ですね。(文月さな女)
○浮気・不倫をしている妻が、夫が帰って来て余裕をもって閉じる感じですね。(二階堂きなこ)
○この「ゆっくり」の間に、彼女は何を思っていたのだろうか。(藤井雪兎)
○団地妻がパソコンを使う理由。①出会い系サイト、さて相手が見つかったか。②通販、それを届けるのはいつもの佐川男子!   (なかやまなな)
○こちらも物語性がありますね。夫の帰宅した音がして「あら、お帰りなさい」そして何気なさそうにパソコンを閉じる妻。絶対悪いことをしていたにちがいありません。SNSでちょっといい男と会う約束でもしたか。悪の香りが強烈な色気を放つ句です。(小笠原玉虫)


50.  パソコンがごはんのにおいして困る(十月水名)…5点


○「え、パソコンってごはんのにおいするかなあ」と嗅いでしまいました…。言葉のリズムが面白くてとりました。鼻をすんすん言わせて周りを気にする姿が浮かんで、はははと笑ってしまいました。(mekeke)
○それは困ります。すごくは困らないけど、やっぱり困ります。どうにかしたいけどどうにもなりません。う~ん、困った困った。(タケウマ)
○北大路翼
○二階堂きなこ
○ずるこ
△当日会場で話題になった句。これは分かる。買ったばかりのノートPCって、何か炊飯器みたいな匂いがしますよね。こちらも「困る」という言い切りが何だか楽しい。ごはんの匂いは平和の匂いですね。(小笠原玉虫)


51.  地吹雪と葬列ゆつくり混ざり合ふ(二階堂きなこ)…5点


◎地吹雪の白銀と葬列の白黒が混ざり合う様は、モノクロ映画のように美しい。吹雪の音があるはずなのに静けさも存在していて、荘厳な印象を受けた。(梶原由紀)
○逆選はマイナス点にもなるという観点から好きなものから選ぶことにしています。この句は何か一言違えば私の中で特選になるのにと思い、逆選の候補と考えていました。今回逆選が無いとわかり他の並選候補を取り消し選ばせていただきました。(琳譜)
○悲しみと雪が静かに同化していくような、日本の風習の静かな佇まいを地吹雪が包み込むような、追っていくような風景を美しく懐かしい、と思いました。(詠美)
○重たいけれど美しい情景ですね。重たいもの(地吹雪)と重たいもの(葬列)が「混ざり合ふ」のは、やはり「ゆつくり」なのです。見たことはないのに、なぜか懐かしさを感じます。(うぐいす)
△こちら、当日とらなかったのが何故なのか自分でも分からないくらいわたくし好みの句。大好きです。冬の強い風のイメージが何しろ大好き、地面を吹き荒れる吹雪、そんなお天気の日にお葬式を出すということ。暗さと、激しい感情が混じり合い、けれども感情表現は一切出さず、実に見事と思います。素晴らしい。こんなふうに、わたくしも詠みたいものです。(小笠原玉虫)


05.初夢や野太い声の弁才天(藤井雪兎)…4点


◎「サイテー」のニュアンスが異なるが、題に沿った句としては一番完成度が高かった。(前田獺太郎)
○マングローブやマツコがすぐ浮かんでしまい、笑える正月ですね。本人にしてみれば、いやな夢だろうけど・・・(圓哉)
○椚人
△これは楽しい。弁天様が夢に現れた! と思ったら、奥方の野太い声でしゃべった、みたいな感じでしょうか。可笑し味と、お正月らしいめでたさがあって好きな句です。(小笠原玉虫)


08.鏡餅がギプスをしてゐる(北大路翼)…4点


◎ギプスをしている鏡餅、意味がわからないのに、その姿を想像できる。ギプスをすると、カビないとか?よく伸びるとか? 前回の屑句会には「サンタクロース養成ギプス」が出ていたが、今回は、なんと鏡餅。こういう筋肉バカ的な句には、「くそっ」と思いながら、いつも笑ってしまう。(桃子)
○割れますね。そこまでたいせつにしなくても、たぶん大丈夫なんですけどね。でもたいせつにしたくてギブス。そこがかわいらしくて好きです。(さくら)
○椚人
△これはちょっと酷い言い草と笑ってしまいました。デブちゃんが正月早々怪我をして、ギプスされてしょぼんとしている光景を想起。断定口調の突き放しっぷりが非常にいいです。逆に愛情を持っている相手だからここまで言えるのかなとも思いました。短くスッキリまとまっていて、大変好みの句です。(小笠原玉虫)


15.ポチ袋にこころばかりの陰毛(北大路京介)…4点


◎勢いと瞬発力で思わず特選に。いらねえよおおおおお!と思いつつ抗えませんでした。渡す側の人間の性別によって印象の変わる句。若妻だったらしっとりとした感じですが、男だったら「何考えてんの??」と小一時間問い詰めたくなりますね。(小笠原玉虫)
○これはまずいでしょ、さすがに。こころばかりって、あなた…。(十月水名)
○なんでそんなことすんねん。気づくか気づかないか程度に入れるのでしょうかね。いたずら心があるといいましょうか。親戚のお姉さんとかならいいですが、おじさんだったら最悪ですね。(木曜何某)


31.大寒の非常口兼出入口(五十嵐筝曲)…4点


○声に出すと楽しいです。非常口を常に使用しているという矛盾。鉄の重たそうな扉をイメージしました。大寒のドアノブは凍るほど冷たそう。(うぐいす)
○普段は非常口としてではなく出入口として通っているのだろうが、「大寒の」とつくだけで、非常口として通らざるを得なくなるような不気味な予兆を感じる。(藤井雪兎)
○まあすきま風はつらいもの(圓哉)
○田舎の旅館とかにありそうですね。非常口を設けなきゃいけないんだけど、そんなもの作る余地がなくて「非常口」という看板を出入り口の裏につけてごまかしているんでしょう。そんな情けない状況が、大寒という一年でいちばん寒い日に白日のもとにさらされているのです。出入口のはずなのに、出口がありませんw(タケウマ)
△こちら、何か好きなんですよね。一見分かりづらい。でもこう、ちょっと古びたビルの一室を住居にしちゃってて、そっちのが便利だからと日常的に非常口から出入りしちゃってるみたいな、ちょっとだらしない生活ぶりが目に浮かぶようです。そこへまた大寒というのがいい。うーさむさむ……とか言いながら、非常口から這い出てコンビニに行ったりするのでしょう。物語性がありますね。(小笠原玉虫)


37.  押入れのパソコンだけが知っている(jirotyo)…4点


○いろんなことを知り過ぎたパソコン。取り敢えず、それを押し入れに入れて無き者にして、すました自分で暮らしているけれど、いつ暴かれるかビクビクしているような屑っぷりに一票!(文月さな女)
○知っているのは秘密か思い出か。問い質すより、パソコンを調べた方が早い世の中になった。(藤井雪兎)
○いいね。捨てられずに押入れに押し込んであるノートPCなんだろう。分かる。うまくまとまってます。(北大路翼)
○いいですね。押入れっていう辺りが猟奇的な感じ。規制前に集めた児ポとかが入っていそう。壊してしまいたいのかもしれません。(椚人)
△当日会場で非常に話題になった句。「押入れの」が非常によいですね。これはもう今は使っていないパソコンなんですよ。若気の至り的な恥ずかしい何かが封印されていそうです。是非とも起動してファイルを全部吸い上げてほしくなります。(小笠原玉虫)


46.  パソコンの打ち出す文字にも香りあり(anomee)…4点


◎Twitter等を利用していて感じます。顔の見えないやり取りとはいえ、やはり人となりというのは滲み出るものなのかなと思います。勿論すべてが出る訳ではないのでしょうが、ほのかに香りを感じます。(mekeke)
○文字に込められた情緒・情念というやようなものの溢れ出る感じがよく表されていて、香りもですが、文字に色もついているような想像をしました。(詠美)
○細い指、しゃんと伸ばした背筋、静かなタイピング音。ほんのりと、シトラスの香水の香りを漂わせるビジネスウーマンの姿を想像できる。パソコンで打ち出された文字なんて、みんな同じなのに、その人の文章は読んでいてとても気持ちの良い文章なんだろうな。(桃子)
△これはいいですね。フォントによって雰囲気が変わるということを言いたいのかもしれないし、打つ人間によってちがう味わいがあると言いたいのかもしれない。どちらの意味にせよ、パソコンで打つ文字=活字なのに、それぞれの味わいがあるということに気付いた詠み人の感性に脱帽です。(小笠原玉虫)


11.初夢は火消しとなつて一安心(梶原由紀)…3点


◎サイテーな句かどうかはやや疑問ですが、なんか素朴なほのぼの感がでていてとても共感できました。(圓哉)
○年の頭から、おねしょしたんですか…。恐らく成人だろうと思いながら読みました。成人のおねしょにはなかなかのパンチがあります。そして悲しい。年の頭から。(mekeke)
△あらいなせな初夢。出初式のカッコいいお兄さんになっている夢でもみたのかな。頼りがいのある男性はステキですよね。(小笠原玉虫)


28.お鏡として供へたる三段腹(うぐいす)…3点


◎日々、何とかしたいけれど、どうにも出来ないで放置している三段腹。努力もしないで、このお腹に甘んじている屑の私。なぁんだ!活用方法あるやないの!三段腹も無駄じゃない。屑は屑らしいお正月を迎えるのさ!…なぁんて無理に決まってるじゃん!屑のお正月にピッタリの句ということで選びました。(文月さな女)
◯お供えにする三段腹なのだから、醜くないのだと思う。誇らしい三段腹なのだろう。きっと立派。(北大路京介)
△五七五で何を言っているんだと見た瞬間フハッと笑いが漏れました。供えられてしまうくらいなので有難い三段腹なのでしょう。ちゃかしておきながら愛を感じる句です。お鏡という柔らかい言い方も何か好き。一筋縄ではいかない有季定型です。(小笠原玉虫)


32.性癖の露見したらし年賀状(五十嵐筝曲)…3点


○あるある(笑)とおかしくなりました。何かの布地の柄から、お子さんのお洋服にお部屋の雰囲気やご結婚相手のお顔のタイプで音楽や好きなものまでわかるような事がありますね。楽しい作品ありがとうございます。 (琳譜)
○見たい。その年賀状が見たい。その後の二人の関係も気になります。句から、「鞭打たれ快い一年を」とか書いてしまったのかな、といらんことを考えておりました。返事には小さく「ぺちん」と書いてて欲しいなあ。(mekeke)
○らしい、ということは、バレてしまったのだろうか? と思うような動きがあったのでしょうか。そもそも何故年賀状にそのようなことを書いてしまったのか。想像が膨らみます。物語性のある句で、大好きです。(小笠原玉虫)


41.  パソコンの急所に的を描いておく(前田獺太郎)…3点


○五十嵐筝曲
○笑いました。「ここです」て!「急所はここです」て!なんで教えちゃうの?ていうかどこなの急所?ゴルゴに撃たれるの?「描いておく」てことは誰かのためなの?ツッコミどころが多すぎて、とにかく笑えます。(うぐいす)
○ここを押したらいけないところに描いているのか、それとも、ここを押したらフリーズが治るところに描いているのか。(木曜何某)
△壊す気満々だこれ!w 何故そこまでパソコンを壊したいのか。やっぱり表沙汰になってはならぬ情報が入っているのでしょうか。パソコンと的っていうのがシュールでありながら、何となくお正月ムードもあり、愉快な句です。(小笠原玉虫)


49.  数の子を尻で押しつぶして楽しい(二階堂きなこ)…3点


◎椚人
○五十嵐筝曲
△食べ物はたいせつに。(なかやまなな)
△当日会場で非常に人気があった句。何してはるのwwwと笑いつつ、楽しいと言い切られたのなら仕方がないと、妙な説得力があります。何かほんとに楽しくなってくるから恐ろしい。言い切り型の句を、わたくしも詠んでみたくなりました。(小笠原玉虫)


53.  パソコンよお前は俺を知り過ぎた(藤井雪兎)…3点


○正月早々「たんたんタヌキの…♪」歌が聞こえそうな緩い感じなのに五七五に収まってるとこがいいですね。(文月さな女)
○北大路翼
○ファイルフォルダもヤバいけどGoogle検索履歴もヤバいよね! 他人にあまり見せたくないよね! と、句会当日も非常に盛り上がった句。ちなみにわたくしの検索履歴には「逆レイプ原人 生還」と残っておりました。何じゃこりゃ。(小笠原玉虫)


06.霜は日にあたりぼくは影に湿る(圓哉)…2点


◎俳句はあくまで句として読まねばならぬものか、いや、もっと自由であっていいと考える時、これはひとつの立派な自由律であると思う。佇まいまでが瞼に浮かぶ。素晴らいと思います。(anomee)
△霜は日にあたって溶けて乾いていくけれども、詠み人は日向に出る気になれず泣き続けている状況なのでしょうか。日向でも、人のあまり来ない非常階段とか、都会にもありますよ。そっと出てきて日向ぼっこしてみて下さいね。(小笠原玉虫)


07.あらたまのふぐりの揺るる昼の闇(タケウマ)…2点


○昼間から暗がりで何をしているのだろう……と心配になりつつも気になる句。「あらたま」は「ふぐり」に対する駄洒落なのか。雅やかなことばづかいが情けない光景をやわらかく包んでいて、下品になり過ぎないところがよい。(梶原由紀)
○花揺れる昼である。にもかかわらず闇を歌う。ふぐりの花の物悲しさ、その気配     のよく詠めた秀作。(anomee)
△姫はじめでしょうか。お正月の真昼から、カーテンを閉めた薄暗い部屋でいたしているのでしょう。それを「ふぐりの揺るる」で表現した辺りがニクい。そうか揺れるよな~と思いました。(小笠原玉虫)


10.快速は停まらぬ歩廊で初茜(青条美羽)…2点


◎五十嵐筝曲
△こちらは状況が目に浮かびますね。大晦日、外で大勢でわあわあ飲み騒いで、快速の止まらない小さな駅に帰り着いて、元日の朝焼けを見たのでしょう。祭りの後のちょっとしたさみしさと、ほっと安堵する感じが漂っていて、大好きな句です。(小笠原玉虫)


24.結婚はまだかの声に棺桶を見るような目で黙っている(mekeke)…2点

○どうせ、あんたたち先に死ぬのに、何で心配するのよ、という目ですね。どうせ、同性愛ですよ!(なかやまなな)
○いいと思うよ。自由律俳句ってこんな感じだよね。自由律俳句をちゃんと勉強してる人が詠んだって感じ。棺桶を見るような目に笑った。(北大路翼)
△うるさい親戚っていますよね。でもそういうお節介さんは、結婚したらしたで子供はどうするの? 子供の高校はどこなの? 子供さんまだ結婚しないのと永遠にうるさいので、相手にしなくてよいですよ。棺桶を見るようなという表現も面白いです。(小笠原玉虫)


45.  寒の鳩パコパコパソコンに挟む(なかやまなな)…2点


○語感が良い。ノートパソコンなんだろうけど、ノートをつけなくて大正解!パソコンから、鳩を出す手品なのかな。嫌がる鳩を押さえつけて、無理矢理パソコンに挟もうとしているところが目に浮かぶ。(桃子)
○ずるこ
△シュールすぎてボクはもう。死んだ鳩をノートパソコンにぎゅっと挟もうとしている光景が目に浮かびました。一体何を……静かな狂気にジェラシーを覚えます。(小笠原玉虫)


54.  冬の虹出してパソコンしづかかな(二階堂きなこ)…2点

○好きです。絵が見えて、パソコンの放出する熱も伝わってきます。(さくら)
○ずるこ
△これは……一瞬平和な美しい光景? と騙されかけましたが、何か深刻なトラブルが起こっていそうです。しづかなパソコン。強い不安を掻き立てられます。それでいて、俳句としてはまとまっていて美しいという。句の持つ二面性に惹かれました。(小笠原玉虫)


01.書初や彼女の「熟女」やりなおし(十月水名)…1点


◯彼女が筆持って「熟女」と書き殴る姿はカッコ良くて可愛いんでしょうね。一度書いて気に入らなかったのか、やりなおす(書き直す)のがまた可愛い。(北大路京介)
△これは二つの意味にとれますね。彼女が「熟女」と書いたんだけど、若すぎるのか味がいまひとつでやり直しを命じたか、もしくは「熟女」って自分が書いてたら、それを見た彼女が熟女とは何だと怒ってやり直しを命じたのか。どちらにしても面白い句です。熟女って毛筆で書くのなかなか難しそうですね。(小笠原玉虫)


04.触れようとして、おつりがこぼれていく(木曜何某)…1点


○見透かされた下心。(なかやまなな)
△こちら、わたくしには少し難解な句でした。どういう状況なのだろう? こぼれていくのがおつりというのがよく分からないのですが、掴もうとしても掴めない的な寂しさを覚えました。もう少し語を足してみても面白いかもしれません。(小笠原玉虫)


18.にわとりを驚かせたり大根干す(桃子)…1点


○二階堂きなこ
△にわとり「ちょっ。ちょっ。一反もめん襲来!!!」(なかやまなな)
△こちら、句会当日に話題になった句。大根を干しながら、足元に集まってきた鶏を驚かせたりして遊ぶ。のどかな冬休みの光景ですね。最近は田舎でも鶏を庭に放し飼いのお宅は減りましたね……。(小笠原玉虫)


39.  買い立てのパソコン死しておらが春(小笠原玉虫)…1点


○パソコン、ほんとは買いたくなかったのかな。うん、自由を謳歌していいよ。
そう言いたくなります。(さくら)
△はい、わたくしの句です……12/28購入→31日にやっと初期設定して使い始める→1/3にラーメンのおつゆをぶっかけて即死させる、ってやったじぶんの体験を、悲しい気持ちでいっぱいになりながら詠ませて頂きました。(小笠原玉虫)


42.  パソコンを閉じて夜明けの息白し(梶原由紀)…1点


○これからも文明の利器は次々生まれてくるのだろうが、我々は冬の夜明けに白い息を吐く。(藤井雪兎)
△いいですね。夜が明けるまでパソコンに向かっていて、気が付けば部屋が寒い。誰にでも覚えのある光景と思います。閉じたあとはゆっくりお眠り下さいね。(小笠原玉虫)


55.  パソコンの微熱吹雪の村写し(北大路翼)…1点


○五十嵐筝曲
△ネットで吹雪のニュースを見ているのかなと思いました。熱を持ったパソコンと、遠くの吹雪の村との取り合わせがいいですね。吹雪の村に対して他人事みたいな目線なのもいい。こういう距離感て好きです。(小笠原玉虫)